ふきのとうと言えば山菜の代表格。わたしも天ぷらで食べるのが大好きですが、おなじみ中華の大御所脇屋シェフがなんと醤にするというレシピをYouTubeで紹介していました。山菜で醤なんて作れるの?と頭が疑問でいっぱいになりましたので、さっそく作ってみました!
中華のアイアンシェフとして一躍有名になった脇屋シェフ。東京ヒルトンホテル、キャピトル東急ホテル、リーセントパークホテル総料理長、トゥーランドット游仙境を経て、現在は「Wakiya一笑美茶樓」のオーナーシェフです。中国料理にフランス料理の要素を取り入れた「ヌーベルシノワ」の先駆者として知られています。
脇屋シェフの「ふきのとう醤」の材料と作り方
【材料】※けっこうな量が出来ます。
ふきのとう…10~12個(大きめがおススメ)
太白胡麻油…大さじ6
白みそ…大さじ7~8
日本酒…大さじ6
紹興酒…大さじ1
豆板醤…小さじ1
砂糖…大さじ1~2
白いりゴマ…小さじ2
花椒…少々
ふきのとうは根元を落として、ざく切りにしておきます。
【作り方】※調理時間:20分
1. ふきのとうを沸騰したお湯(分量外)に入れて30秒ほど湯がき、ザルに上げて押して搾りしっかり水気を切ります。
2. ボウルに日本酒、紹興酒、白みそを入れ、よく混ぜて溶かします。
3. フライパンに太白胡麻油を入れて弱火にかけて温めます。
4. 油が温まってきたところに1のふきのとうを入れて炒めます。
5. 油がなじんだらフライパンの中心を開けて豆板醤を加え、香りが立つまで炒めます。
6. 2を加え、時々混ぜながら強めの中火で6~7分煮詰めます。
7. 味を見て砂糖を加え、水分が飛んでとろっとするまで煮詰めます。
8. 仕上げに白ゴマと花椒を振って出来上がりです。
9. 粗熱が取れたら器に移します。
ふきのとうを買ったのは何年ぶりだろう?と思い返しつつザクザクとざく切りにしていると、それだけで部屋中にふきのとうの独特の香りが充満しました。そういえばいつも作るのは天ぷらばかりなので、こうして刻むのは初めてのこと。湯がいた時点でアクが出まくって、ふきのとうはアクが強いんだったと改めて認識しました。それをさらに油で炒めていくと独特の香りが立ち上ってきて、これで作る料理はどんな味なんだろう?と期待と不安でいっぱいになりました。出来上がりをなめてみると、白みそを使っているせいか思ったより柔らかい味で、甘みと豆板醤のピリ辛がちゃんと共存しているおいしい醤でした。山菜で作る醤と言うより、山菜の苦みをうまく活かした醤なんだなと感心しました。ご飯にそのまま乗せてもおいしそうです。
ふきのとうと言うと懐かしのフォークデュオ「ふきのとう」をつい思い出してしまいますが、漢字では「蕗の薹」と書きます。ひらがなの「ふきのとう」になじみがあるせいかなんとなくふきのとうっぽくない字面ですが、煮物に時々出てくるあの「フキ」の花茎のことです。フキも独特の味ですがふきのとうも独特で、わたしもあの特有の苦みが大好きです。ちなみに山菜に苦みがあるのは、動物に若芽のうちに食べられないようにするためだとか。その苦みをおいしいと思える大人になれてよかったと思います。
今回使ったふきのとうは出回り始めたばかりのものなのでちょっと小ぶりですが、最盛期になればもう少し大きめなふきのとうが出回るはずです。脇屋シェフのレシピにはグラム表示がありませんので、作る際にちょっとふきのとうが小さいなと思ったら多めに用意するか、調味料を減らすのがよいと思います。せっかくのふきのとうの苦みですので、白みその味で隠してしまうよりちょっと前面に出すくらいの方が味わいが出るような気がします。瓶などの密封容器に入れて冷蔵庫で保存もできますので、一回で使い切る必要もありません。
季節を感じられるおいしい醤ですので、ぜひ作ってみてください!