「メガネのないおしゃれなんて考えられません!」と断言する石川さゆりさん。メガネライフを始めて30余年で、少しずつ集めたメガネは数知れず。見事なコレクションを拝見しながら、さゆりさん流メガネのおしゃれ論を聞きました。
お話を伺ったのは……
歌手
石川さゆりさん
1958年生まれ、熊本県出身。1973年デビュー。1977年、「津軽海峡・冬景色」が爆発的ヒットに。以降も「天城越え」「風の盆恋歌」などのヒット曲を生み、日本を代表する歌手の地位を確立。2024年6月には新曲「とこしえの旅」をリリース。カップリング曲に映画「PERFECT DAYS」の劇中で、石川さゆりさん演じる居酒屋の女将が歌った「朝日楼」も収録。
メガネは新しい自分に出合えるおしゃれツール
しっとりとした和服姿が印象的な歌手・石川さゆりさんですが、洋服のセンスも抜群! プライベートでは「コム デ ギャルソン」や「ヨウジヤマモト」などモードな服をさらりと着こなし、服に合わせたメガネのおしゃれもお見事なのです。
メガネには「わずらわしさ」や「老化現象」などネガティブな印象もつきまといますが、「知的なイメージがあって、子どものころから憧れでした」とさゆりさん。20歳前後で視力が落ちて、いよいよメガネデビューを果たした際は「ようやく、このときが来た! とワクワクしたくらい」と笑います。
最初はごく普通のフレームを購入するも、ほどなく「服に合わせて靴もバッグも替えるのに、メガネだけかけっぱなしでおいてけぼりなんておかしくない?」と疑問を抱くように。 くしくもヨーロッパ発の個性派フレームを扱うメガネ店に出合い「いろいろ試しているうちに、どんどん好きになりました。
服に合わない靴を履いて出かけた日は、一日中、落ち着かなくて気後れしませんか? 私にとってはメガネも同じ。
洋服、靴、バッグ、アクセサリー、そしてメガネがトータルにキマると背筋が伸びて自信が持てるんです」 数年前に白内障の手術をして日常生活は裸眼で充分。
現在はリーディンググラス(さゆりさんいわく、お手元メガネ)と遠方がよく見える観劇用、運転用、サングラスを愛用しています。
今回、撮影のためにお持ちくださったのは、なんと23本(もちろん、ほんの一部)! 蛍光ピンクの1本やクラシカルな丸メガネ、太めのマダム風などあらゆるタイプがずらりと並び、どれもお似合い! 似合うメガネを選ぶコツを伺うと「気になるものは、とにかく試す! 一見、派手でも意外に似合ってしまうのがメガネの面白さ。
私は軽いこと、鼻にあとがつかないこと以外はあえて条件をつけず、迷わずトライしています。
顔の印象が変わり、違う自分になれるのがメガネの醍醐味。思わぬ“石川さゆり〟に出会えると楽しくて、 つい数が増えてしまうのが困りもの(笑)」
「身につけると気分が上がって、自信が持てる。そんなメガネが大好きです」(石川さん)
メガネ、イヤリング/ともに石川さゆりさん私物、カットソー¥39,600、スカート¥37,600/ともにアンスリード(アンスリード青山店)、リング¥4,860/アビステ
スタッズのついたメガネはフランスの「J.F.Rey」。「インパクトがすごいでしょう。でも、これをかけていると必ず、どこのですか? 素敵ですねと褒められるんです」
石川さゆりさんの愛用メガネを大公開!
存在感抜群! おしゃれの 主役になるサングラス
年齢を重ねるほど光をまぶしく感じるもの。紫外線からしっかり目を保護するためにサングラスのレンズは大きめ。あえてデザイン性の高いフレームを選び、コーディネートの主役として楽しみます。
軽くてかけ心地のいい フレームは大人の味方
「テオ」のチタンフレームをはじめ、かけていないような軽さのメガネは大人の味方。「断然、疲れにくいし、鼻にあともつきにくいので助かります。撮影がある日やリハーサルで集中したい日は軽いものが絶対!」
「アンダーリム」をはじめ、 「逆さまフレーム」も大好き!
フレームの上下をひっくり返したような形のメガネも「さりげなく個性的で大好き」。特にレンズの下側だけにフレームのある「アンダーリム」は「眉とメガネのバランスを考えなくていいので、おすすめ」
メガネは私の一部。装いもメガネありきです
白内障をクリアし、普段はメガネなしでも支障のないさゆりさん。出かける際は装いに合わせたお手元メガネやサングラスなど、1日の流れに沿った数本をバッグに入れておくそう。
「常時メガネをかけるわけではないけれど、コーディネートはメガネありき。メガネを加えることで、より洒落て見える着こなしを考えます。装いを引き立てるために、あえてシンプルなものを選ぶ日もあれば、メガネからコーディネートを決める日もある。帽子や靴とまったく一緒の感覚ですね」
服と色みを揃えたり、グラスコードをアクセサリー代わりにしたり、メガネひとつでおしゃれの幅がグンと広がるのも嬉しいポイント。
外出する日は「よそゆきメガネ」、家ではかけ心地のいい「部屋着メガネ」を愛用していて、メガネがオンとオフの切り替えにもひと役買っているようです。
またメイクのように顔に活力を与えてくれるのも、メガネの効能。暖色系のフレームはチークのように頰に赤みを差してくれ、太めのフレームなら目元の七難を隠しつつ小顔効果も。 「現場ですぐメイクをする日はすっぴんにメガネをかけて出かけます。まったくのノーメイクでは気が引けますが、メガネでカバーすれば大丈夫(笑)。
もはやメガネは顔の一部であり私の一部。メガネ抜きではおしゃれも暮らしも成立しませんね」
「お手元メガネもコーディネートのひとつ。ネックレス代わりに使えます」(石川さん)
メガネ、グラスコード/ともに石川さゆりさん私物、セーター¥61,600、パンツ¥66,900/ともにヨウジヤマモト、フープイヤリング¥9,450、イヤリング¥10,560/ともにアビステ
ゆったりラフな赤いニットには、同系色の「エノウ」のお手元メガネをチョイス。ジュエリーデザイナー・マツカミホさんが手がける「ミリ」のグラスコードをあしらえば、メガネが迷子にならずネックレス代わりにも。
「存在感のあるメガネはアクセント使いにとっても便利」(石川さん)
メガネ、靴/石川さゆりさん私物、ジャケット¥154,000、スカート¥88,000、カットソー¥35,200/すべてヨウジヤマモト、イヤリング¥5,670/アビステ
モードとクラシカルな印象が同居するスーツは、デザイン性の高い「エノウ」の黒メガネでバランスを取るのが正解。顔まわりをキリッと引き締めながら、丸みのあるフレームが女性らしさを醸してくれます。
信頼できるメガネ店があるから安心なんです
今回紹介したさゆりさんの私物メガネは、すべて東京・表参道ヒルズにある「リュネット・ジュラ」であつらえたもの。同潤会アパートの一室にあるころから通っているので「ゆうに30余年のおつき合い」だそう。
天井まである棚にはフランス、ベルギー、ドイツのアイウェアブランドを中心に、ヨーロッパ発の華麗なフレームが並び目移りしてしまいます。 「初めて伺ったときはカラフルなフレームや、見たこともないデザインに衝撃を受けました。以来、新調する際はもちろん、フレームの歪みを調整したり、昔あつらえた近視用メガネをお手元用にアップデートしてもらったり(笑)、メンテナンスも含めてすべておまかせしています。私に似合いそうなフレームが入荷したら声をかけてくれますし、歴代のメガネから目の状態まで全部把握してくださっているので安心なんです。メガネは視力を補正する医療機器でもあるので、信頼できるメガネ屋さんを持っておくのが大事。私たち世代は、特にですね」 いまも忙しい合い間を縫って立ち寄るそうで、撮影中も気になるフレームをすかさず試着。
「すでに似たデザインのものを持っていますよ、なんて言われちゃうこともしょっちゅう(笑)。ありがたいですね」 お気に入りのメガネがあれば視界良好、気分上々。ご機嫌な日が増えますね、さゆりさん。
「気になるメガネはまず試着。自分がご機嫌になれるものを選びます」(石川さん)
メガネ¥46,200/エノウ(リュネット・ジュラ表参道)、ワンピース¥39,600、ボレロ¥26,400/ともにアンスリード(アンスリード青山店)
「これ可愛い♥」と、気になったメガネを早速試着する石川さん。「お似合いですね」と店長の田中さん。
赤の鼻メガネもお似合い! 店長の田中さんによると「赤いフレームは意外と肌なじみがよく、それでいて華やかでおすすめ。無難なフレームは老け見えしがちなので要注意」とか。
-SHOP DATA-
リュネット・ジュラ表参道ヒルズ店
☎ 03-3401-3858
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-12-10
表参道ヒルズ同潤館2階
営業時間/11:00〜20:00
インスタグラム/@lunettes_du_jura
撮影/馬場わかな スタイリスト/江島モモ ヘア&メイク/黒田啓蔵〔Iris〕 文/早川ちかこ ※素敵なあの人2024年12月号「芸能界で1・2を争うメガネ好き♥石川さゆりさんのメガネのおしゃれを拝見!」より
※本記事は過去の素敵なあの人Webに掲載された記事を再構成したものです。
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この記事を書いた人 素敵なあの人編集部
「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!