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【木戸大聖】「すずちゃんと将生さんに全身でぶつかっていった」2/21公開『ゆきてかへらぬ』インタビュー

  • 2025.2.23

Netflixの「First Love 初恋」で注目を浴びて以来、話題作への出演が続いている俳優の木戸大聖さん。実在の詩人、中原中也を演じる最新作での役作りや映画に賭けた思いを伺いました。

profile 木戸大聖
きど・たいせい 1996年12月10日生まれ、福岡県出身。’17年芸能活動スタート。近年は、ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」「9ボーダー」「海のはじまり」など話題作出演が続いている。

共演の二人と同じ目線になり全身でぶつかっていった

最新作『ゆきてかへらぬ』は、大正〜昭和初期を舞台に、実在した女優・長谷川泰子と詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄ら男女3人の壮絶な愛と青春を描いた人間ドラマ。木戸さんは、屈託のない笑顔と苛烈さが同居した天才、中原中也を鮮烈に演じている。

「僕自身、実在した人を演じるのは初めてで、しかも今も支持されている中原中也を演じるプレッシャーはありました。中也は天才だけど、破天荒なイメージがあります。でも、役作りで調べていく中で、彼がただ暴れて、人と衝突しまくっていたわけではなく、本当に詩を書くことに命を懸けていて真っすぐな人だったとわかりました。僕はその中也を表現する身として、共演の二人と同じ目線になることが、当時の中也と重なると思いました」

中也と恋仲になる泰子を広瀬すずさん、泰子をめぐり三角関係に陥る小林役に岡田将生さん。

「すずちゃんと将生さんと比べて経験値がないなか、自分のパワーが弱かったら、確実に三人の関係性が崩れてしまいます。二人のことは、映画やドラマで見てきたので、最初は緊張しましたが、最終的には中也としてぶつかっていくことができたのかなと。二人が受け止めてくれるのはわかっていたので、全身で挑みました。毎日が刺激的で楽しかったです」

シンプルに正直に生きている姿が眩しく見えた

泰子と中也、小林ら三人が織りなす複雑で歪な三角関係、そして大正〜昭和という時代に生きる人間の生き様から目が離せない。

「完成作を見て、今、僕らが失っているものがあると思いました。彼らは本能でぶつかり合って、飛び散った感情がどこに行くかわからないけど、パーツを一つ拾って詩を書く人もいれば、批評する人もいて、それを拾っているけど気づかない泰子みたいな人もいる。ただみんなに共通しているのは、SNSが身近にあり、どこか散漫に感じる現代と違って、シンプルに正直に生きていること。その姿が眩しく見えました」


information
『ゆきてかへらぬ』
『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』の名匠・根岸吉太郎監督が、広瀬すずを主演に迎えて、16年ぶりに長編映画のメガホンをとった意欲作。主人公、泰子のファッションをはじめ、和と洋が同居する大正モダンの世界観も大きな見どころ。

2月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
©2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
配給:キノフィルムズ

Photograph=Takuya Maeda〈TRON〉 Styling= Yusuke Sasaki
Hair&Make-up=Mayu Ishimura Text=Miku Sugishima

コート¥396,000、Tシャツ¥44,000、パンツ¥143,000、シューズ¥170,500
(すべてエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

※InRed2025年3月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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