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「遠くの人は文句だけ…」親の介護で壊れたきょうだいの絆。父の車の処分が引き金となった想定外の展開

  • 2025.2.22

2つ離れた弟とは、小さなころはそれなりに喧嘩もありました。しかし、お互いに大学生になったころから一緒に買い物に行ったり食事をしたりしており、周りからも「仲良しだね」と言われるきょうだいでした。そんな弟との仲が崩れたのは親の介護の真っただ中。ささいな出来事であっさり関係は崩れてしまったのです。そんな私の体験談を紹介します。

親の介護が始まったきっかけ

私と弟に最初に親の介護問題が降りかかったのは、私が35歳のとき。私は結婚して地元を離れていました。母が脳梗塞(のうこうそく/何らかの原因で脳の血管が詰まり、血液がいかなくなって脳が壊死してしまう病気)で倒れ、その後、うつ病を発症したのです。

両親は2人暮らしだったので、最初は父が主に母の面倒を見ていました。幸運にも体にまひは残っていなかったものの、まれに自傷行為をする母からは目が離せず、父だけでは面倒を見切れない状況に。思うように動けない私の代わりに、地元を離れていた弟が実家近くに引っ越しをして、仕事をしながら面倒を見てくれていました。

そんな矢先に今度は父にがんが見つかります。手術をして家で療養生活を送っていたのですが、残っていたがんが転移し、家では生活できなくなりました。入院せざるを得なくなり、母はひとりで生活することに。うつ病の症状を服薬で抑えながら、さまざまな介護サービスを使って、母はなんとか家で生活できる状況です。

弟は時間を割いて、父と母のそれぞれの様子を見に行ってくれました。弟の家は子どもが生まれたばかり。仕事と育児に追われて、ただでさえ忙しいなかよくやってくれていました。

弟との関係にヒビが入り始めた

一方、私は子どもが4人に増え、ますます忙しい毎日を過ごしていました。義両親も遠方のため、夫と2人で仕事と家事、育児をこなしていました。弟が仕事を休めないときには父の手術説明を聞きに行ったり、転院に付き添ったりしていましたが、私が住むのは地元から車で2時間半~3時間の場所。自分の親のことだから頑張らなくてはという気持ちはありましたが、4人の育児に追われている状況、両親の介護が加わるのは、正直かなり大変です。

そんなとき弟から「お父さんが乗っていた車を妻の両親が欲しいって言っている。いろいろお世話になっているからあげることにした」と電話があったのです。父はとても運転できない状況ですが、私には何か引っかかるところが。でも、そのときは気持ちをうまく言葉にできない気がしたので、「そうなんだ」と聞き入れました。

しかし、その後もモヤモヤが治まりません。「お父さんが買ったものを、なぜ義理の親とはいえ他人にあげるのか」「走行距離も多くないし、まずは査定に出してからでは?」「お父さんの了承は得ているのか」「なぜ私になんの相談もなく決めてしまったのか」と頭の中をいろいろな考えがグルグルしました。

意見がかみ合わなくなった弟とのその後

電話で話すとお互いに気持ちが見えず、余計な喧嘩になってしまいそうだと思い、会ったときに直接自分の気持ちを伝えてみることに。すると弟は、「お父さんには伝えたが、どうせ忘れている」「お義兄さん(私の夫)も親から車をもらっているから、一緒じゃないか」と言うのです。私は、なぜ自分が責められているのか納得できません。

「査定に出して、値段を出してからのほうが、後々トラブルになりにくいんじゃないか」「夫がもらったのは実の親からで、今回の話とはまったく状況が違う」と伝えても、最終的に「それならお前が処分しろよ」と突き放すような言い方をしてきました……。

弟に対して親の面倒を見てくれているという引け目もあり、「いいよ、でも近くにいないからすぐにはできない」と言って引き受けました。しかし、それもまた弟には気に障った様子で、「そうやって、近くにいないからできないって言うじゃん」とのこと。「結局、近くにいる人が介護しないといけなくて、遠くにいる人は見えないから文句だけ言って。よくある介護の問題だよ」と言うのです。

介護してくれているのは主に弟だから、口出しはしないようにしようと心がけていたつもりでした。しかし、きっとかなり負担をかけていたのでしょう。車に関しては納得できない部分もありますが、介護全般でいえば、遠くにいる私には見えていない部分が多かったと思います。

まとめ

今回の問題は、車はきっかけに過ぎず、根本的には親の介護について私たちきょうだいで共有できていなかった点です。介護問題で、きょうだい仲が崩れることになるとは思いもしませんでしたが、今後も介護は続いていきます。これ以上弟との仲を悪くしないため、私としては、遠くてもできるサポートをしていかなければいけないと思いました。ケアマネとのやりとりや書類手続きなどは、遠く離れていてもできることで、弟もその提案に納得。

また、「自分の両親のことは家族だけで解決しなくては」と思っていましたが、弟と直接話さなければならない場面では喧嘩にならないように夫に同席をお願いしています。弟と適度な距離感を保ちつつ、周りの協力を得ながら介護をしようと思い直した出来事です。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者:島野 雪乃/40代女性・主婦。アクティブな夫と4人の子どもと6人家族。最近はキャンプやプール、スキーなど家族で楽しむのが大好き。

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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