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「小学生向けのメイク本」が大ヒット! わが子がメイクしたいと言ってきたら、どうする?

  • 2025.2.22

昔と違って、YouTubeやTikTokからメイクに興味を持つ小学生が急増中。とはいえ、まだ発展途上の肌を持つ小学生にとってメイクはよくないのでは? SNSの情報は合ってる? と不安になる親も多いはず。そこで、発売から2ヶ月で早くも2回目の重版が決まるなど、ヒット中の小学生向けメイク本『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』(人気メイクアップアーティスト・イガリシノブさん著)の中から、“おうちの方へ”のメッセージを一部抜粋してご紹介。せっかく芽生えた好奇心にNoを突きつけるのではなく、だからといって間違ったやり方や危険を見過ごさない。この本の皮膚科監修をつとめた大塚篤司先生(近畿大学医学部教授)の正しい知識を身に着けたうえで、子どもの“好き”を見守る方法をお伝えします。


子どもがメイクしたいと言ってきた。親はどうする?

子どものメイクはぶっちゃけ、あり? なし?

13歳未満の子どもがメイクする場合は
大人が懸念点を知ったうえで見守り、一緒に楽しむのであればいいと考えています—— 大塚篤司先生

大塚篤司先生「個人差はありますが、肌が成熟して大人と同じようになるのは、13歳ぐらいと言われています。13歳未満の子どもの肌は未成熟で、透過性が高い状態。大人の肌なら中へ浸透しないような成分も、浸透して体内に入ってしまうことがあり、肌荒れやアレルギーを起こすリスクが高い。一度その成分にアレルギー反応を起こしてしまうと、その反応が10〜20年続くため、本格的にメイクをする世代になったときに制限されることに。そういう理由で、メイクをするのは13歳以上が理想ではありますが、興味を持つのはいいことだし、興味を持ったことをさせたいという親心も理解できます。13歳未満の子どもがメイクする場合は、大人がこれらの懸念点を知ったうえで見守り、一緒に楽しむのであればいいと考えています」(『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』からの引用)
小学校低学年でもメイクをしたがる昨今、リスクや注意事項を親がきちんと把握したうえで、アート感覚で楽しませたいもの。また親にとっても、最新のメイク事情を知る絶好のチャンスかもしれません。

避けるべきメイクとは

基本はポイントメイクにとどめるのがオススメ。ただし、ポイントメイクの中でも避けたほうがいいのが、ティントリップなど肌や唇を染める仕組みのもの—— 大塚篤司先生

大塚篤司先生「肌全体に塗るファンデーションは、肌に触れる範囲が広く、そのぶん、影響を与える可能性が高いため避けたほうがいいでしょう。ポイントメイクに関しては、肌に触れる範囲が狭いためアレルギーや肌荒れが起こりにくいのではと想定されます。これらの理由から基本はポイントメイクにとどめるのがオススメです。ただし、ポイントメイクの中でも避けたほうがいいのが、ティントリップなど肌や唇を染める仕組みのもの。大人の肌や唇なら許容できたとしても、透過性の高い子どもの肌や唇にとっては負担が大きいと考えられるからです」(『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』からの引用)
子どもが最初に注目するのは、キラキラアイメイクやぷるぷるリップ。親が上手に誘導して、リスクの少ない方法で楽しみたいものです。

紫外線から肌を守る日焼け止めやうるおいを与える保湿はどう選べばいい?

子どもの未成熟な肌は、
大人の敏感な肌状態に近いともいえるので、敏感肌用コスメを選ぶのもいいでしょう—— 大塚篤司先生

大塚篤司先生「肌に塗るものは無香料、防腐剤無添加のものがオススメです。キッズ用のコスメは考慮されているものが多いのではないかと思います。また、子どもの未成熟な肌は、大人の敏感な肌状態に近いともいえるので、敏感肌用コスメを選ぶのもいいでしょう。成分で特に気をつけたいのが、大人の間で流行っているグリコール酸、アスコルビン酸(ビタミンC)といった名に“酸“とつくものや、レチノール、アロエやシカの成分など。肌によさそうなイメージがありますが、子どもへの安全性が認められていない場合があります」(『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』からの引用)
40代にもなると、親の肌もゆらぎがち。敏感肌用のスキンケアアイテムを親子で使用するのも手かもしれません。

メイクを通じて子どもの自己肯定感を上げる

たくさん褒めてあげてくださいね。
メイクした顔もですが、普段のメイクしていない顔、ありのままの姿も全部褒めてあげてほしい—— イガリシノブさん

イガリシノブさん「SNSで調べて覚えて実践するという、大人と同じレベルでメイクに興味を持つ子どもが、今の時代にはたくさんいます。もちろん“学校へメイクをしていってはいけない”というルールがあれば、当然守るべき。でもメイクを一生懸命することは、ダメなことでしょうか? メイクは本来心をのばしてあげる、成長させるもの。自分を認め、他人を認められるようになるもの。だから、もしお子さんがメイクに興味があるのなら、見守ってあげてください。そして、メイクは上手にできなくて当たり前。誰もが一生かかって身につけるものです。上手にできなくてもダメではない、ということを教えてあげてください。“できる”“できない”だけで判断するようになると、“あの子は上手にできているのに、なんで私はできないんだろう”となり、いわゆる自己肯定感が下がる。そうではなく、メイクで自己肯定感が上がるようにしていきたいというのが、私の野望です(笑)。
ぜひたくさん褒めてあげてくださいね。メイクした顔もですが、普段のメイクしていない顔、ありのままの姿も全部褒めてあげてほしいし、私も自分の娘たちにそうするように心がけています」(『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』からの引用)
めいっぱい楽しんでどんどん可愛くなって自分のことをもっともっと大好きになる。そして、お友だちも自分も認められるようになってほしい。子どものメイクはそのための絶好のツール。広い心と正しい知識をもって、見守っていきたいものです。

教えてくれたのは お肌の先生 大塚篤司先生

近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。医師。コラムニスト。信州大学卒業、京都大学大学院修了後、チューリッヒ大学病院での客員研究員京都大学医学部特定准教授を経て、2021年より現職に。アトピー皮膚炎を含む皮膚アレルギーの分野を専門とし、ニキビ治療や日焼け止めについてなど、私たちの日々に有益な情報の発信も積極的に行っている。

『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』

日本初! メイクアップアーティストのママが教える小学生のためのメイクきほんのき。今知りたい子どもメイクのすべてをまとめた「メイクに興味を持ったら最初に手に取る本」です。
本書は子どものメイクをはっきりとした理由もなくタブー視しません。してみたいという心を伸ばすための基本ルールを日本で初めて解説。「してはダメ」と好奇心に蓋をすることで逆に独学の間違った知識に手を染めるきっかけを作ってしまわないように。正しい知識とメイクアップというアートの楽しさを教えることで、自信や感性を磨くきっかけを作ります。
2090円<講談社>


【イガリシノブさんPROFILE】

ヘア&メイクアップアーティスト
BEAUTRIUM所属。独自の発想と理論でトレンドをキャッチしながら紡ぐメイクが、「イガリメイク」として話題に。雑誌などのほか、テレビなどでも精力的に活動。現在はコスメブランドWHOMEE, SS by WHOMEEのディレクターとしての一面も。プライベートでは2児の母。

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