最新技術は「老化細胞の除去」
一昨年、資生堂研究所の長谷川研究員は皮膚の免疫細胞が老化細胞を“除去する”メカニズムを世界で初めて発見し、発表。老化細胞が出す炎症因子への対策は存在したが、エイジングの根源である老化細胞を“直接”取り除くアプローチは前代未聞。若々しさを願う人にとっては夢のような話なのだ。
「今回、キーとなった免疫細胞の一種である“メモリーT細胞”は、あくまでも後方支援を担う存在。免疫システムの最前線で戦う細胞ではないと考えられていました。しかし、粘り強く研究を続けた結果、“メモリーT細胞”が老化細胞を選択的に直接除去することを実証。常識を覆す発見になりました」。世界を揺るがすこの発表は、美容界のみならず医療分野でも注目されている。そして、その最新知見から見出したアプローチが、早速、新しいアルティミューンに搭載されている。
まいこホリスティックスキンクリニック院長の山﨑先生は基本ケアの徹底をリコメンド。「免疫力やバリア機能が低下しやすい冬は、保湿ケアがやはり重要。基本ステップの見直しのほか、水分保持力を高めるセラミド入り、乾燥による微弱炎症を鎮静する抗炎症コスメもGOOD」。バリア機能に働きかけるSENSAIやディセンシアは、結果、肌免疫力をサポートすることになり、まさに正攻法。加えて、「肌の自己修復機能に着目したゲランも、近いアプローチ」。
長谷川研究員曰く、「多くの研究分野に免疫が関わっているので、肌状態を整えた結果免疫力が高まる、といったことは十分に考えられます」。つまり、直接的に免疫ケアを謳っていなくとも、細胞のエネルギーを賦活し、抵抗力を高めるスキンケアは免疫対策になるということ。ますます、丁寧なケアを心がけたい。
SENSAI 自ら水分を溜め込む角層を育てる
肌のゆらぎが連鎖することに着目した美容液。角層内のタンパク質の一種であるケラ
チンの凝集を解きほぐし、水分を抱え込める状態へ。バリア機能の働きを補い、乾燥知らず
のうるおい感が。洗顔の後すぐに使って。
SHISEIDO 世界の常識を変える新たな発見により進化
資生堂の30年以上にわたる肌免疫研究の成果を凝縮。5代目は、世界初の知見であるメモリーT細胞に関するテクノロジーを追加。老化細胞を除去して炎症因子の発生を抑える。さらに、血流を促進することで免疫をアップさせる効果も。年齢にとらわれない、内から湧き出るような健やかさへ。
ディセンシア 敏感肌を満たし、透明感をチャージ
多くの人が信頼を寄せるブランド独自の疑似角層形成技術をベースに、うるおいをため込む処方をプラス。慢性的な敏感肌をブライトニングケアしながら、たるみ&肌荒れのケアまで。みっちりと保護されているような感覚で、手放せなくなる予感。
ゲラン 水のようになじむオイルで万全の保湿を
軽やかなテクスチャーで愛される名美容液が刷新。3種の貴重なハチミツを使い、幹細胞の一種である「間葉系幹細胞」の働きを促し、ダメージの修復を手助け。水のようにするりと肌へフィットするオイルが魅力的。
※『VOGUE JAPAN』2025年3月号「強い肌、強い体。この冬鍛えたいのは免疫力」転載記事。
Photos(Cutout): Yasuhiro Ito Text: Kiriko Sano Editor: Misaki Kawatsu
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