A子が心を込めて作った渋皮煮。しかし、それが先輩に思わぬ形で利用されていたと知りショックを受けたそう。筆者の知人A子から話を聞きました。
料理好きのA子が作る絶品の栗の渋皮煮
A子は料理が大好きで、特に旬の食材を活かした料理が得意。
秋になると、毎年欠かさず栗の渋皮煮を作るのが恒例で、その出来栄えは周囲からも評判でした。
手間のかかる料理ですが、A子にとっては季節を楽しむ大切な時間。
そんなA子が、ある日職場の同僚たちとの会話の中で、意外な展開に巻き込まれることになったのです。
突然のリクエスト、そして喜びの瞬間
職場で料理の話をしていたA子に、普段あまり話したことのないB先輩が興味津々で話しかけてきました。
「栗の渋皮煮なんてすごい! 私も食べてみたい。今度作ってきて」とお願いされたのです。
突然の申し出に驚きながらも、「そんなに喜んでくれるなら」と快く引き受けたA子。
数日後、丁寧に仕上げた渋皮煮をB先輩に渡すと、彼女は大喜び。
しかし、このやり取りが後々A子にとってショックな出来事につながるとは、そのときは想像もしませんでした。
まさかの要求と裏の事情
ある日、B先輩が「また渋皮煮を作ってほしい」と頼んできました。
しかし、栗の旬はすでに終わり、材料を手に入れるのは難しい状態。
A子が「もう栗がないので作れません」と伝えると、B先輩は突然声を荒げました。
「どうして作れないの!? ◯◯さんに渡すって、もう言っちゃったのに!」
「え!?」A子は驚きましたが、B先輩の「しまった」という顔を見て、すべてを悟ります。
彼女はA子の渋皮煮を、自分が作ったように見せかけ、上司に贈っていたのです。
B先輩は不機嫌そうにその場を立ち去りました。
自分の料理を利用されたショックと決意
それ以来、彼女が渋皮煮を頼むことはなくなりました。
もちろん、翌年もA子は変わらず渋皮煮を作りましたが、A子からB先輩にお裾分けすることはありませんでした。
一度渡したものにこだわるつもりはありませんが、自分の心を込めた料理が上司へのご機嫌取りに使われたことは、やはり納得いきません。
それでもA子は、自分の楽しみのために、そして本当に喜んでくれる人のために、これからも変わらず渋皮煮を作り続けるのでした。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。