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「健康にいい」どころかヨボヨボ老人まっしぐら…和田秀樹が説く「絶対に聞いてはいけない」医師のアドバイス

  • 2025.2.20

健康寿命を延ばすにはどうすればいいのか。医師の和田秀樹さんは「痩せようとしないことだ。『ちょっと太め』の体形が元気に長生きできることは医学的にも証明されている」という――。

※本稿は、和田秀樹『女80歳の壁』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

細い腰に巻尺を持っている人
※写真はイメージです
「ちょっと太っている」くらいが長生きする

ダイエット 脳とやる気も やせていく

おそらくこの本の読者も、「年をとったら、お肉よりお魚よね」と思っているのではありませんか?

なぜ、そう思うのでしょう。

それは“痩せ信仰”なるものが、日本人のなかに根付いているからだと思います。ですがそれは「とんでもない間違い」と言わざるを得ません。

なぜなら、ちょっと太っている人のほうが、元気で長生きだからです。

「痩せている人はバカだ」と言うつもりはありませんが、太めのほうが頭は働くと言えます。ブドウ糖が「枯渇した脳」よりも「豊富な脳」の働きがいいことは明らかです。朝ごはんを食べていないと子どもの成績が下がることは、よく知られた話です。実際、体型的にもちょい太めの人のほうが、知的に活躍していると言えます。名指しはしませんが、各国や各界の女性リーダーを見れば「ああ確かに」と納得できると思います。

“痩せ信仰”は現代の纏足

「痩せているほど美しい」というのは、幻想であり「現代の纏足てんそく」とさえ思うほどです。纏足とは、かつて中国で行われていた風習です。「足が小さいほど美しい」という価値観を植えつけ、民衆は従いました。小さな女児の足に布を巻き、足が大きくならないようにしたわけです。足は歪いびつな形になります。走れなくなります。ですが、これこそが偉い人たちの狙いで、ウソを教えることによって、女性が逃げるのを防いだのです。

日本の“痩せ信仰”も、これと似ていると思うのです。痩せさせることで活力を奪い、女性が社会で活躍できないようにした、と。

もちろん、それは私の穿うがった見方ではあるのですが、事実として、日本の少子化には歯止めがかかりません。同じく痩せ願望の韓国も同じ状況です。

私の知人に「日本一の不妊の名医」と言われる人がいます。彼を訪ねて全国から多くの女性が不妊治療にやってくるのですが、その9割は「若い頃にダイエットをしていた人」だと言います。

栄養が不十分だったため、子宮が育っていないのです。本来、成長期は健康に生きるための体を作る時期です。満足な食事をしなければ、健康な体にも、活力に満ちた心にもならないことは言うまでもありません。

美の価値観を軌道修正すべき

アンパンマン みんな幸せ 丸い顔

これは若い女性に限った話ではありません。日本人の活力が全体的に低下している背景には“痩せ信仰”が深く根を下ろしていると思うのです。

「痩せてるほうが美しい」という価値観は1960年代に現れたものです。たかだか60年の歴史しかなく、いまならまだ軌道修正できます。かつてのように、あるいは欧米を始めとする諸外国のように、「ちょい太めの健康体が美しい」という価値観に戻すべきだと思います。国民の健康を担う医師のひとりとしても、強くそれを願っています。

そもそも男性は、本当に痩せている女性が好きなのでしょうか?

少なくとも私はそうは思いません。ある程度以上、成熟した人間としての経験では、痩せている女性は、栄養状態が足りないからか、イライラしているイメージがあります。反対に、ふくよかな“おっかさんタイプ”の人といると安心できます。ふくよかは「福・良か」なのです。

例えば食事に行ったとき、体型を気にして食べない人より、楽しくおいしく食べる人のほうが、私は楽しいし、また一緒に行きたいと思います。まあこれは、個人的な好みなのかもしれませんが。

ただ、子供が「アンパンマン」に思わず見入ってしまうのは、丸い顔が安心感を与えるから、という説があります。大いに納得できるところです。

だから、と言うわけではありませんが、せめて幸齢女性は“痩せ信仰”の呪縛から解き放たれるべきだと思います。

そして“福・良か”で、健康に長生きし続けてほしい。その生き方自体が、若い世代への手本にもなると思うのです。

「若々しさ」の秘訣

ふくよかは 幸齢女子には ほめ言葉

“ふくよか”というのも、幸齢期を幸せに過ごすうえでの大事なキーワードになると思っています。

実際に「美人」より「若く見える人」のほうが、幸齢男性にはモテます。

ふっくらしている人や、朗ほがらかで愛嬌がある人のほうがモテる。幸齢者ウオッチャーとして、それは強く感じるところです。しわくちゃで腰が曲がっている女性が好き、という男性はあまりいないでしょうから。

その意味では、美容整形して鼻を高くするよりも、しわを伸ばしたほうがいい。

ほうれい線を消すなんてことは、簡単にできるわけですから。

「いつまでも若々しくいたい」と思うのは、自然なことです。「美容医療なんて」と自分を抑えるのではなく、「話のネタにやってみるか!」と、トライしてみればいいと思います。

別に美容医療でなくてもいいのです。大事なのは、お化粧をしたり、ファッションを気にかけたりして、自分を磨き続ける気持ちを持つことです。

これまで何かに対して深く遠慮してきた女性はとくに“意識革命”と呼べるくらいの強い気持ちが必要です。そうでもしないと、老け込むだけです。極端なことを言えば、今日にでも意識を変えることです。「自分を磨いて生きる」と決めてしまえばいいのです。たったそれだけで、今後の人生は大きく変わっていくはずです。

「コレステロール=毒」は本当なのか

ちょい太め コレステロールは 下げちゃダメ

「ふくよか」という話で、もうひとつ強調しておきたいポイントがあります。

それは「ちょい太め」の人のほうが、元気で長生きということです。

高齢者医療の専門家として、多くの人を診てきた経験からだけでなく、実際の調査データでも、はっきり証明されています。

多くの人は「コレステロールは体に毒」とか「早死にの原因になる」と思い込んでいます。でもそれは“常識のウソ”です。なぜなら現実には、痩せている人のほうが、がんになりやすかったり、早死にしたりしているわけですから。

「コレステロール値が高いと、心筋梗塞や脳梗塞になりやすい」という、医学の定説も、いまでは見直す医師が増えてきました。実際に「コレステロール値を下げたら心筋梗塞の人が増えた」という実態調査があるのです。

医師と患者
※写真はイメージです
肌のカサカサの一因になる

コレステロールは、体を構成する大事な要素です。筋肉や血管、内臓などの原材料になるからです。免疫力や体を維持する代謝力にも重大な関わりをもっています。要するに、コレステロールが不足すると、体が弱くなってしまうのです。

和田秀樹『女80歳の壁』(幻冬舎)
和田秀樹『女80歳の壁』(幻冬舎)

しかも幸齢になると、体のなかの「コレステロールをつくる能力」が低下してきます。つまり、不足状態になってしまうのです。幸齢者の肌がカサカサしたり、筋力が低下するのも、こうしたコレステロール不足が一因です。

不足したコレステロールを補うには、食事で摂るしかないのです。

コレステロールを減らせば、痩せて衰える。増やせば、元気で長生きする――。

さて、あなたはどちらがいいでしょう? 私はみなさんに、ちょい太めでも、元気で長生きしてほしい、と願っています。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。

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