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【60代ライフスタイル】嫌いな家事は音楽で乗り切れ!ロックで、クラシックで、やる気を上げるアイデアは必見です!【植草桂子の気分だけでも大人修行】

  • 2025.3.16

これまでのシニア層とはセンスも価値観も大きく異なるいまの60代。“新しい大人世代”としてどうありたいか、日々修行中のイラストレーター植草桂子さんのエッセイ。今回は「家事」のお話です。

料理は好きだが、その他家事全般あまり好きではない。というより大嫌いなのをごまかしながら数十年どうにかやってきた。いちばん嫌いなのがアイロンがけ。週に1度、アイロンがけの日を決めているのだが、1週間分ため込んでするから余計に面倒くさい。
 
「仕方がない。やるとするか」と重い腰を上げるとき、YouTubeでパンクロックを聴く。
以前は韓流ドラマなどを観ながらアイロンがけをしていたが、どうしても字幕を追いながらなので、いいところでアッチー!と、火傷する。やむなくドラマを中断して薬箱をゴソゴソ。
 
これは音楽のほうがいい。そこでテレビ画面でYouTubeをつける。せっかく聴くならイヤホンで聴けばいいのにと思うかもしれないが、宅配便が来たり町内会の方が来たりを気づかないと困るからあえて画面で。この辺、すごく主婦っぽくて自分でも“家事しています感”がある。
 
パンクのリズムは疾走感があって、やる気が出る。つまらないことがふっ飛んでいく感じで、この大嫌いなアイロンがけも縦ノリ横ノリで軽快に終えることができる。でもノリ過ぎはやっぱり火傷に注意なのだけれど。
 
次に嫌いなのは掃除。床掃除は、まぁいい。掃除機が頑張ってくれるから。自分の視線の高さにある家具や電化製品、ブラインドといったところのホコリが曲者。この高さのホコリは自分の手を動かさないとどうにもならない。そこでハンディーモップを片手にクラシック音楽を流す。
 
クラシック音楽は音の伸びとともにモップを美しく滑らせたくなる。それも神々しいアリアなどを聴きながらだと、このホコリの積もった環境(自分で見て見ぬふりをしてきたんですけどね)に嫌気がさし、すみずみまできれいにしたい衝動に駆られる。ただ大がかりになるので結局は断念するのだけど。
 
もう何十年もやってきたのに、いまさら家事がどうのこうのと言っている自分もおかしい。そのくらい面倒というか、もう飽きちゃったのだ。でもあと数年の我慢。夫がリタイヤした後、家事はすべて任せようと密かに計画しているのだから。

イラスト・文/植草桂子
※素敵なあの人2025年3月号「植草桂子の気分だけでも大人修行 vol.17」より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 植草桂子さん

主に暮らしまわりのイラストエッセイを女性向けに展開。近茶流で日本料理を10年習った経験から、最近では茶懐石や食のイベントも手がけている。ライフワークとして介助犬育成のボランティアとしても活動。

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