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「ホテルインディゴ長崎グラバ―ストリート」が誘う、異文化と時空の交差点

  • 2025.2.20

日本のプレミアムなホテル

インディゴ長崎

西九州新幹線が開業して2年を迎えて、長崎市は100年に一度と言われる再開発が行われている。駅周辺にはスタジアムや外資系ホテルが次々と建設され、多くの観光客を受け入れる体制が整えられ、長崎は進化を遂げている。そしてその一方、長崎らしい異国情緒あふれる街並みは確実に継承もされている。

その一つが、2024年12月に誕生した「ホテルインディゴ長崎グラバ―ストリート」である。1800年代に建てられた歴史ある「赤レンガの洋館」に新たなに手が加わり、風情と趣のあるホテルとして生まれ変わったのだ。まるでタイムトリップをしたかのような唯一無二の空間は、あなたを長崎のかつての記憶へと誘ってくれるはずだ。

長崎港の汽笛を聴きながら、長崎の歴史と文化に触れる旅に出かける

 

長崎の歴史を辿れば、遣唐使の派遣など、古くから諸外国の玄関口として栄えた街であった。
1571年、ポルトガル船が初めて入港したことで長崎港が開港され、聖フランシスコ・ザビエルによってキリスト教の布教活動を行ったことで、キリシタンの街へと歴史を刻む長崎。当時は東の小ローマとして、多くの教会や病院、福祉施設が建設され、現在もその面影が見られる。
鎖国時代にも海外の窓口として栄え、開国後には日本の近代化に大きく貢献した外国人居留地として発展した、日本において独自の文化と歴史を持つ街である。

ホテルの中庭

長崎市は平地が少なく、山間部に建物が密集していていることもあり、長崎港を中心とした丘陵地で輝くあかりは「世界新三大夜景」に認定されるなど、その美しい街並みとともにその夜景も見どころのひとつ。

さらに日本国内において唯一2つの世界遺産を持つ街でもある。
2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」は、造船業に栄え、110年が過ぎた今も現役で使用されている「ジャイアント・カンチレバークレーン」をベイエリアに見ることができ、炭鉱の島としての歴史を残す端島(軍艦島)も、長崎港から40分のクルーズで出かけることができる。

 

 

 

さらに、2018年に世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、国宝である「大浦天主堂」や幕末に拓かれた外国人居留地など、今でもその面影を見ることができる美しい街並みを見ることができる。
長崎港から鳴り響く汽笛の音、さらに教会の鐘を聴きながら、歴史に想いを馳せ、長崎の文化に触れる体験はきっと忘れられない時間になるはずだ。

本館プレミアムツインのテラス
かつて旧聖堂だったところがレストランになっている。

長崎の歴史が刻まれた建築物がホテルへと生まれ変わる

 

世界遺産の構成資産である重要文化財「旧グラバー住宅」や国宝「大浦天主堂」など、文化観光の集積地である南山手エリアに新たにオープンしたのが、今回ご紹介する「ホテルインディゴ長崎グラバ―ストリート」である。

この建物は、1898年、フランス人修道士の設計によって建築されたイエズス会修道院の拠点となった「マリア園」であった。
現在は国選定重要伝統的建物群保護地区の伝統的建造物に特定されている建築物であり、赤煉瓦造りの外観、アーチ型の窓や白い鎧戸、大きなステンドグラスを入れられるようリブ・ヴォールト天井という様式が採用された高さ約10mの旧聖堂などはその形を継承し、歴史的に貴重な建築として保存・復元・活用された唯一無二のホテルである。

ホテルのロビー

ホテルの門構えや外観、そのすべてが美しく、その瀟洒な佇まいは、まるでヨーロッパのプチホテルのようでもあり、その姿を見ただけで心が弾む。

ホテルは地上3階、地下1階建ての本館と、地上3階の北館があり、全10タイプ66部屋の客室が備えられている。加えて、本館地下にはフィットネスジム、1階にはロビーやラウンジ、さらに旧聖堂を活用したレストランがあり、その空間すべてが時空を超えた特別感に包まれている。まさに一見の価値あり!と言いたい。

本館アズールベイビュースイート
本館、和華蘭ベイビュースイート

客室は、日本(和)・中国(華)・オランダ(蘭)のデザインがセンス良く彩られており、自宅のインテリアの参考にしたいほどのセンスのよい空間である。
そしてぜひ出かけて欲しいのが、旧聖堂を活用しているステンドグラスが美しいレストランである。煌めくステンドグラスから差し込む日差しの下でいただく食事は、心にまで染み渡っていくような静謐なひとときである。

 

もちろん料理も絶品である。レストランのシグネチャーコースには長崎の旬の魚介、長崎和牛、長崎の柑橘など地元の食文化を感じさせる料理を提供していて、海に囲まれた長崎の豊かな食材をふんだんに味わうことができる。

前菜と魚料理
朝食のオムレツ 

まさにこれは、世界中どこにあっても、その街の個性と魅力を映し出すライフスタイルブティックホテル「ホテルインディゴ」のコンセプトを体現した空間である。

 

ホテルから少し歩けば、「大浦天主堂」や「グラバー園」などの名所があり、石畳の坂道を歩きながら、長崎のさまざまな歴史を思わずにはいられない。その気分のまま、美しいホテルでの滞在が楽しめる、まさに贅沢の極みであろう。

 

 

 

Text by Yuko Taniguchi

ホテルインディゴ長崎グラバ―ストリート

長崎県長崎市南山手町12番地17

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