コース料理のレストランでは、ワインを楽しむのが一般的。
でも、ワイングラスの持ち方に迷ったことはありませんか? スマートな持ち方を確認しましょう。
ワイングラスの持ち方に正式なマナーはない
実はワイングラスには、「こう持たなければならない」という厳密なマナーはありません。
脚の部分である「ステム」を持ってもいいし、ワインが注がれる「ボウル」の部分を持っても問題ありません。
ワイングラスの多くは、ステムが付いた独特の形をしています。
これは、手の温度がワインに伝わるのを防ぐためです。
ただし、ワインは繊細な飲み物とはいえ、短時間手で持ったくらいで味や香りが大きく変わることはありません。
ただし、ワインのエキスパートであるソムリエは、色や香りをチェックしやすくするためにステムを持つことが一般的です。
そう考えると、ワイングラスはステムを持つのが基本と考えてよいでしょう。
ステムのスマートな持ち方
ワイングラスのステムを持つときは、親指・人差し指・中指の3本で軽く支えます。
細いステムを指先でつまむのではなく、指の腹でそっと挟むようにしましょう。
薬指と小指には力を入れず、台座(プレート)部分に自然にかかる程度の位置で持つと、スマートに見えます。
ステムを持つメリットは、手の温度がワインに伝わらないこと。
レストランでは適温で提供されるため、できるだけ温度を変えずに楽しむのが理想的です。
- 赤ワイン → ステムの中ほどを持つ(少し温まっても風味が引き立つため)
- 白ワイン・スパークリング → ステムの下の方を持つ(冷えた温度を保つため)
また、ワインは味や香りだけでなく、ぶどうの品種や熟成度合いによって異なる色合いも楽しむもの。
そのため、ステムを持ったほうがグラスの透明度を損なわず、美しいワインの色も堪能できます。
ボウルのスマートな持ち方
立食パーティーなど、グラスを持ち歩く機会が多い場面では、ステムを支える持ち方では不安定に感じることもあります。
そのようなシーンでは、ワイングラスのボウル部分を持つのがおすすめです。
ボウルを持つ際は、コップのように横から握るのではなく、指と指の間にステムを挟み、ボウル部分を下から指先で支えるようにするとエレガントに見えます。
ただし、手のひら全体でボウルを包むように持つのは避けましょう。
ワインが温まり、本来の風味が損なわれるだけでなく、飲み終えたグラスに指紋がべったりと付き、見た目が悪くなってしまいます。
TPOに合わせてワイングラスの持ち方を選ぶ
ワイングラスの持ち方には絶対的なルールはありません。
たとえば、立食パーティーではボウルを支えて安定感を持たせるのもよいでしょう。
また、装飾が施されたステムで持ちにくい場合も、ボウルを持つ選択肢があっても問題ありません。
大切なのは、ワインを最大限に美味しく楽しむこと。
場の雰囲気やシーンに合わせて、持ち方をスマートに使い分けられるのが「大人のエレガントな振る舞い」といえるでしょう。
監修者:栗栖 佳子(株式会社 宙 代表取締役・ビジネスコーチ)
大学卒業後、人材サービス会社パソナで法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。2009年ビジネスコーチとして、株式会社 宙(sora)を設立。
【コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!】をモットーに、コーチング、アンガーマネジメント、「1on1」マネジメント等、レゴブロックやインプロなど多彩なワークショップを取り入れながら社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動を年間120回以上行っている。また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、リカレント研修、女性活躍推進アドバイザーとしてお互いの価値観にとらわれず、同感しなくても共感し合える組織作りを目指して活動中。
著書:才能を伸ばす人が使っているコミュニケーション 増補改訂版 ペンコム出版社