Text by 石井彰(編集部)
近年国際化が急速に進んでいるイングランド・プレミアリーグ。かつてはほとんどいなかったアジア人選手も多くプレーするようになった。
今回は『FourFourTwo』から「プレミアリーグの歴史上最高のアジア人選手たち」をご紹介する。
中田英寿
プレミアリーグでプレーしたクラブ:ボルトン・ワンダラーズ
アジアの歴史上でも最高の選手の一人である中田英寿は、日本代表として77capを獲得した司令塔だ。イタリア・セリエAで活躍したあと、フィオレンティーナからボルトン・ワンダラーズへと期限付き移籍した。
怪我も抱えていたためレギュラーとは行かずとも、2005-06シーズンは21試合に出場し、サム・アラダイス監督の下でトップハーフでのフィニッシュに貢献。ウェストハム戦では2-0の勝利を導くゴールを決めた。
南野拓実
プレミアリーグでプレーしたクラブ:リヴァプール、サウサンプトン
レッドブル・ザルツブルクでのプレーによって、ヨーロッパでの地位を徐々に確立していった南野拓実。チャンピオンズリーグでの活躍が認められ、2020年1月にリヴァプールへと迎え入れられた。
アンフィールドでの最初のシーズンでプレミアリーグ優勝を経験し、その後サウサンプトンへと期限付き移籍。復帰後もカップ戦で大きく貢献するなど、貴重なバックアップとしての役割を十分に果たした。
ソル・ギヒョン
プレミアリーグでプレーしたクラブ:レディング、フラム
ウォルヴァーハンプトンでイングランドにデビューした韓国人ウインガーのソル・ギヒョン。2部でレギュラーとして2シーズンを過ごした後、プレミアリーグのレディングへと移籍した。
8位フィニッシュという印象的な結果に貢献した後、同じプレミアリーグのフラムへと移籍。ただここではなかなか活躍できずに終わり、後にサウジアラビアへと移籍している。
稲本潤一
プレミアリーグでプレーしたクラブ:アーセナル、フラム、WBA
ガンバ大阪から若くしてアーセナルへとステップアップした稲本潤一。そこではカップ戦のみの出場となったが、後に移籍したフラムとWBAでは多くのプレー機会を掴んだ。
ボランチのポジションから得点に絡むことができるこの日本人MFは、フラム時代のインタートトカップでハットトリックを決めたことでも大きな話題を集めた。2004-05シーズンには2部時代のカーディフでもプレーしている。
孫継海
プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・シティ
プレミアリーグで活躍した数少ない中国人選手の一人である孫継海。一度2部時代のクリスタル・パレスでプレーしたが成功できず、母国での活躍を経て再びイングランドへと挑戦した。
2002年1月に2部時代のマンチェスター・シティへと加入すると、半年後にはプレミアリーグ昇格を経験。大きな怪我を負うまではユーティリティ性あるサイドバックとして信頼できるパフォーマンスを見せ続けていた。なお、東アジア人選手としてのプレミアリーグ初ゴールを決めたのも彼である。
富安健洋
プレミアリーグでプレーしたクラブ:アーセナル
2021年夏、アーセナルはボローニャからおよそ1500万ポンドで冨安健洋を獲得した。代表ではセンターバックをこなしていたが、クラブレベルではサイドバックとして大ブレイクを果たし、その実績を持ってプレミアリーグへと迎え入れられた。
ユーティリティ性に優れた彼はすぐにアーセナルでもインパクトを残したものの、それ以降大きな怪我に悩まされているところが残念である。
遠藤航
プレミアリーグでプレーしたクラブ:リヴァプール
2023年夏にシュトゥットガルトからリヴァプールに迎え入れられた際には、30代のアジア人選手に高額な移籍金が支払われたことに大きな批判の声もあった。しかしながら、この補強は非常に有益だった。
中盤での優れたボール奪取力を持っている遠藤航は、アンフィールドでのデビューシーズンでプレミアリーグ29試合に出場。今季はプレー機会を減らしているが、数少ない出番でも必ず役割を果たしている。
キ・ソンヨン
プレミアリーグでプレーしたクラブ:スウォンジー、サンダーランド、ニューカッスル
韓国代表として100試合以上に出場したセンターハーフのキ・ソンヨン。選手としての全盛期をプレミアリーグで過ごし、3つのクラブでレギュラーを務めた。
セルティックから2021年にスウォンジー・シティへと移籍し、2014-15シーズンにはクラブの年間最優秀選手にも選ばれた。その後サンダーランド、ニューカッスルでもプレーしている。
ファン・ヒチャン
プレミアリーグでプレーしたクラブ:ウォルヴァーハンプトン
攻撃的なアプローチによって「ザ・ブル」というあだ名もつけられている韓国人アタッカー。2021年夏にRBライプツィヒからウォルヴァーハンプトンへと移籍してきた。
プレミアリーグ初シーズンで5ゴールを決めた彼は、特に2023-24シーズンに記憶に残る活躍を見せ、イングランドで初めての2桁得点を奪っている。
岡崎慎司
プレミアリーグでプレーしたクラブ:レスター・シティ
日本代表の歴史上でも有数のストライカーであった岡崎慎司。マインツからレスター・シティへと移籍してからの初年度であった2015-16シーズン、予想外のプレミアリーグ優勝という栄光を手にした。
ジェイミー・ヴァーディとの黄金コンビを形成し、岡崎は運動量を活かしてパートナーを生かす役割を徹底。その中で自身も5ゴールを決めており、ニューカッスル戦では伝説的なオーバーヘッドを叩き込んでいる。
吉田麻也
プレミアリーグでプレーしたクラブ:サウサンプトン
2012年夏の移籍期間が終わる頃、ロンドン五輪で活躍を見せた吉田麻也がサウサンプトンへとやってきた。ジョゼ・フォンテらとともに最終ラインを形成し、プレミアリーグでも評価された。
センターバックだけでなくサイドバックもこなすなどイングランドでは貴重な役割を果たし、プレミアリーグで154試合に出場した。
香川真司
プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
日本代表の偉大なレジェンドである香川真司。マンチェスター・ユナイテッドへと加入した2012-13シーズンにプレミアリーグのタイトルを獲得し、日本人として初めての優勝を経験した。
ノリッジ・シティ戦ではアジア人として初めてプレミアリーグでのハットトリックを決めており、イングランドでもいくつかのインパクトを残した。
三笘薫
プレミアリーグでプレーしたクラブ:ブライトン
電撃的なドリブラーであり、オールラウンドなアタッカーでもある三笘薫。川崎フロンターレからブライトンへと移籍し、ベルギーでの武者修行を経てイングランドでブレイクした。
ワールドカップでの大活躍から期待された以上のパフォーマンスを見せ、イングランドでも屈指のウイングとして評価されるようになった。
パク・チソン
プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド、QPR
歴史上最も多くのタイトルを獲得したアジア人選手の一人であるパク・チソン。2007年から2011年にかけて、アレックス・ファーガソン監督が率いたマンチェスター・ユナイテッドの要であった。
驚異的なエネルギーとスタミナを生かした献身的な仕事で、スタメンとサブの両面において信頼できるスペシャリストであった。プレミアリーグでは計154試合に出場している。
ソン・フンミン
プレミアリーグでプレーしたクラブ:トッテナム・ホットスパー
プレミアリーグの歴史上最も偉大なアジア人選手といえばソン・フンミンを選ばざるを得ない。2015年にレヴァークーゼンからトッテナムへと加入し、それから長くチームの中心人物となった。
2021-22シーズンにはアジア人として初の得点王にも輝き、翌年にはプレミアリーグ通算100ゴールというマイルストーンにも到達。ハリー・ケイン退団後はキャプテンも任されている。