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学力だけじゃ合格できない?! 中学受験の“真の勝者”になるには?非認知能力育成コーチのボーク重子さんが伝授!

  • 2025.2.17

しかし、良かれと思ってはじめた中学受験で、もしも子どもが壊れてしまったら?

非認知能力育成のパイオニアとして知られるボーク重子さんの著書『子どもを壊さない中学受験 我が子を上手に導けるようになる3週間チャレンジ(KADOKAWA刊)』では、中学受験で子どもを壊すことなく“真の勝者”となるために、子どもの非認知能力を育み、親の意識を改革するための3週間でできるワークをします。早速、ご紹介していきます。

■「合格をゴールにしない」!?

遊びたい盛りの小学生が自分を律して、ライバルと競い合いながら教科書の範囲を超えたハードな勉強を続けていくのは、並大抵のことではありません。本来であれば、伴走する親は子どもを尊重して見守らなくてはならないところ、過度に介入してしまったり、つい小言を言ってしまったり…というのは“受験生の親あるある”ではないでしょうか。

著書によると、ある調査では「親子喧嘩が増えた」「受験が子どものためになっているのか分からなくなった」など、多くの悩みがあるという結果が出ているのだそう。

▼このままでは子どもを壊してしまう?!

そんな中、周囲にアドバイスを求めると、「親の笑顔が一番」「お子さんをありのまま受け止めて共感してあげて」など分かり切った答えばかり…さらに追い討ちをかけるのが、巷にあふれる中学受験情報。ただでさえ敏感になっている中で危機感を煽るようなものも多いため、本来の目的を見失ってしまうとボークさんは危惧します。

こうして、自分の不甲斐なさに落ち込み、子どもの成績も思うように伸びず、イライラが募り、悪循環。このままでは子どもを壊してしまうのでは? という状況に陥るのです。

▼中学受験の「真の勝者」とは?

だからこそボークさんはこう言っています。

本書では「親だからこそできることにフォーカスする」ことで親子揃って真の勝者になることを提案します。出典:『子どもを壊さない中学受験 我が子を上手に導けるようになる3週間チャレンジ(KADOKAWA刊)』P10より引用

つまり、塾が受験のプロとして「学力」にコミットする立場なら、親がコミットするのは「子育て」。中学受験の“真の勝者”についてボークさんはこう記しています。

「真の勝者」とは、「中学受験の後も続く長い人生を自分らしい幸せと成功に導くプロセス」を身につけた子どもと親、そして家族なのではないかと思ったのです。出典:『子どもを壊さない中学受験 我が子を上手に導けるようになる3週間チャレンジ(KADOKAWA刊)』P16より引用

そのために開発したのが、非認知能力を親子で身につけられる本書の「3週間チャレンジ」。親にとって中学受験を支える立場は未知の領域。子どもの学力を伸ばすための学習塾があるように、子どもが安心して挑める環境を作るための「親のための受験塾」が必要ではないかとボークさんは考えたのです。

中学受験における親の仕事はなんでしょう。それは塾での学びを最大化するために、また精神面・健康面で最大のケアができるように子どもが安心安全を感じる環境を家庭内に作り出すこと。

そのためにはどんな状況にも対応できる基礎力が重要であり、その基礎力こそが「非認知能力」なのです。

■非認知能力を高めると社会的に成功する?

では、非認知能力とはどんな能力なのでしょうか? 著書によると、

点数や偏差値のように数値化されない能力で、自信・自己肯定感・自制心・主体性・柔軟性・回復力・やり抜く力・好奇心・コミュニケーション力・共感力・共働力・社会性などが含まれます。これに対してテストの点数や偏差値など数値化できて目に見える能力を「認知」と言います。出典:『子どもを壊さない中学受験 我が子を上手に導けるようになる3週間チャレンジ(KADOKAWA刊)』P27-28より引用

とあります。非認知能力がここ数年重要視されているのはご存知の方も多いかもしれません。その理由として挙げられるのが、2000年にノーベル経済学賞を受賞した「ペリー就学児童プロジェクト」。子どもたちを40年に渡って追跡調査した研究で、非認知能力を高めることで、高所得を得たり、社会的に成功することに貢献していると結論づけています。

■なぜ非認知能力が中学受験に必要なの?

その非認知能力がどうして中学受験に必要なのか、ボーク重子さんは著書の中で5つの理由で示しています。

1つ目の理由としては、そもそも中学受験を乗り切るためには、

・わからない問題にぶち当たっても粘り強く、諦めない

などが大切だということ。学力以外の非認知能力が欠かせないというのは、納得できる理由です。

▼支える側の親にどんなことが起きる?

一方、支える親側も非認知能力を鍛えることで、以下のような力が身につき、

・他者の評価に振り回されずに、我が子をあるがままに受け止められる

さまざまなメリットがあることが分かります。

▼学力オンリーではもはや合格できない?

注目すべきは2つ目以降。

激変する社会の影響を受けて、子どもたちに求められる能力が変化し、中学受験の問題自体も、非認知能力が育まれていないと回答できないような問題が増えているというのです。

ボークさんが取材した大手中学受験塾「SAPIX」の広野雅明先生が出題される問題に関して、こんな例を話しています。

「2022年度の慶應義塾湘南藤沢中等部の入試で、2021年オリンピックのソフトボールの試合をテーマにした記述問題が出題されました。(中略)この時あなたが第5戦の監督だったらどう臨むのか、という設問だったのです。この問いには正解はないんですよね。(中略)

そして、じつは学力オンリーはすでに少数派。2023年度の大学入学者の半数以上が総合型選抜入試で入学しています。

総合型選抜入試では、いわゆる尖った部分を持っている子、自己主張がきちんとできる子が求められます。それに伴い、学習塾をはじめとした教育の世界でも、認知オンリーではなく「認知+非認知能力」にシフトしているといいます。

■非認知能力はいつからでも伸ばせるの?

だからこそ、ボークさんは“中学受験は、人生の幸せと成功に大きく寄与する非認知能力を育むための、絶好の機会だ”と捉えています。

しかし、中学受験における非認知能力の重要性を理解すればするほど、 “今からでも育むことってできるの?” “もう遅いんじゃない?” という疑問が生まれます。ボークさんによると、いつからでも伸ばすことができるものだそう。

もちろん生まれつきの特性に影響される部分もあるでしょうが、これらの能力を育む環境を整えることで、後から伸ばしていくことができるのが非認知能力です。0歳から10歳が最も育まれやすいということではありますが、それを過ぎたって十分伸ばせます。私自身、35歳になって初めて非認知能力に出会い、育成を始めたくらいですから。出典:『子どもを壊さない中学受験 我が子を上手に導けるようになる3週間チャレンジ(KADOKAWA刊)』P59-60より引用

■3週間で一生役立つ能力が身につく

3週間チャレンジでは1日1つのワークブックに書き込んで、話し合いながら進んでいくようになっています。ワークを行う人は1週間ごとに、「自分」「自分とパートナー」「親と子ども」と順番に変わっていきます。

<3週間かけて行うワークブック>

Week1 「親である自分」

Week2 「自分とパートナー」

Week3 「親と子ども=家族」

最初に親から行うのは、非認知能力を育成する学校教育でもっとも大切な理念である「モデリング」に基づいているため。お手本(モデリング)を見せて興味を引き出し、見様見真似で楽しみながらやることで、学びが身につきやすくなるのだそう。たとえば、野球をやっている子がメジャーリーガーの大谷選手をモデリングして、バッティングフォームを真似する、というと分かりやすいかもしれません。

▼自己肯定感が湧いて来る!

実際に、親である自分自身からチャレンジしてみると、自分が囚われていたものや考え方のクセに気づくことができます。そして、とてもポジティブな気分で終わることができます。

たとえば1日目は、今日のあなたがダメだと思ったことを書き出すワーク。次に「そんな自分がいていいんだよ」と書いて肯定し、最後は「そんな自分は唯一無二の大切な存在なんだよ」と書き出して終わります。

そして、1日のワークの最後にあるボークさんの「今日のひとこと」で、自分を抱きしめたくなるような自己肯定感がウワーッと湧き上がるのを感じられます。

パートナーや子どもも一緒にワークをするので、家族皆の意識が変わっていくのも楽しいのではないでしょうか。

中学受験は、親子ともに合格を目指します。でも受験が終わって親子関係が悪化していたり、子どもが疲弊しきってその先の人生を見つめられなくなってしまうのは本末転倒。だからこそ「合格をゴール」にするのではなく、どんな状況にも対応できる基礎力すなわち「非認知能力」が重要なのです。

筆者は中学受験はまだ検討中ですが、長い人生において自分らしく幸せであるために、非認知能力を鍛える本書は役に立つ内容が多いと感じました。中学受験を視野に入れている方もそうでない方も、気になる方はぜひお手にとってみてはいかがでしょうか。

\ ご紹介した書籍 /

定価: 1,870円 (税込)/336ページ

「合格することだけをゴールにしない」に目を向け、非認知能力の育み方を学びながら、親の意識を改革するワークが3週間でできる画期的な内容となっています。

子どもに受験塾があるなら、親にも受験塾が必要。最愛の我が子と中学受験を乗り切るために必携の一冊です。

著者:ボーク重子 プロフィール

英国で現代美術史の修士号を取得後、1998年渡米、結婚、出産。2004年にアジア現代アート専門ギャラリー「Shigeko Bork mu project」をワシントンD.C.にて起業。15年の社長業の後、非認知能力育成専門コーチングで再度起業。現在、非認知能力を育むことが証明されているSEL(社会情緒的教育)ベースの革新的BYBSメソッドを採用したコーチング会社2社(日米)の代表を務める。

非認知能力を育む学校教育、家庭環境で育った娘・スカイは、2017年「全米最優秀女子高生」大学奨学金コンクールで優勝。その後、初の非認知能力育児本を出版、2018年に発売された『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)はベストセラーとなり、以来非認知能力育成のパイオニアとして知られる。

(佐々木彩子)

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