私たちにとってスニーカーは、絶対に外すことも譲ることもできないアイテム。通勤中はスニーカーで楽をして、会社に着いたら“しっかり感”を出すためにハイヒールに履き替える時代は、とうの昔に過ぎ去った。いまは、良質(で願わくば清潔)なスニーカーを職場で見かけることも少なくない。
でも、他のアイテムと同様、スニーカーのトレンドはコロコロ変わるし、自分のスタイルにマッチして、履き回しの効くタイムレスな一足を見つけるのはなかなか大変。そこで今回は、イギリス版ウィメンズヘルスのファッション編集長が助け舟を出すことに。
2025年は個性を出すべき年なので、思い切って大胆な一足を履くならいま(ただ白いだけのスニーカーはもうやめよう)。アディダスのサンバっぽいスニーカーからも卒業を。どんなに人気のあるスニーカーも、政治家が履いてしまったら、ちょっと終わりな感がある(現に英国のスナク首相は、公務でサンバを履いてしまい、世界中のサンバファンから大バッシングを受けた)。
このようにスニーカー事情は複雑なので、この記事では2025年注目のトレンドと、そのスニーカーを上手に普段使いするための方法をご紹介。今年こそ間違いない一足を買いたいと思っているなら、ぜひ最後まで読んでほしい。
それにしても、おしゃれのために足を苦しめる時代が終わってよかった、よかった!
2025年に注目したいスニーカートレンド、トップ6
1.スポーティーなシルエット
★ステラ・マッカートニーのボクシングシューズは、インフルエンサーやスタイリストの間で大人気となっている。
★常に賛否両論のアディダスのテコンドーは、道場を出た瞬間に一大旋風を巻き起こした。
2024年ほど、ファッション界がスポーツに夢中になったことはない。トレンドセッターはランニング用のサングラスを愛用し、ランウェイにはボクシングシューズが登場。このファッションxスポーツのトレンドは廃れる気配が全くないので、ジムの外でスポーティーなスニーカーを見かける日々はこれからも続くはず。
ナイキはエアスーパーフライの復刻版を25年ぶりにリリース。ランニングシューズの雰囲気を普段使いのスニーカーに取り入れた。ボクシングシューズの人気も、ステラ・マッカートニーやロエベのおかげで続くことが予想される。アディダスの室内トレーニングシューズ、サンバも相変わらず定番であることは間違いない。でも、今年は楽しい色使いや大胆なデザインで目立ってなんぼ。
2.レトロなスタイル
★80年代のF1ドライバーが愛用していたプーマのスピードキャットは、デュア・リパやベラ・ハディッドが履いたことで華々しい復活を果たした。
★かかとの部分が高いウェッジソールのスニーカーは、フランスの有名ブランド、イザベル・マランが取り入れたことで2000年代に大流行。今年に入ってからは、ボヘミアンシックなスタイルと共にカムバックを果たしている。
ファッショントレンドには周期があって、2025年はレトロなスニーカーがカムバック。多くのブランドが復刻版をリリースしており、アディダスのSL72、ゴラの伝統的なシリーズ、サッカニーのトレイナー80は、現代でもかっこいい。
2000年代にカルト的な人気を誇ったイザベル・マランのスニーカーは、TikTokでZ世代を虜にしていて、世界中のファッションウィークにこっそり登場したりしている。ロエベのバレエランナー2.0は70年代のシルエットを今風にアレンジ。もちろん、コンバースのオールスターやヴァンズのオールドスクールは、ファッション辞典から消えることのない名作。
3.おしゃれx高性能の両立
★おしゃれのために快適さを犠牲にする時代は終わり、ジムの外でも高性能のスニーカーを堂々と履ける時代がやってきた。
★鮮やかで大胆なカラーのスニーカーは、クラシックなパンツとボタンダウンシャツに合わせて。
高性能のスニーカーがジムの外でも受け入れられるようになったのは、近年で最高のニュースの1つ。これは一部に、最先端の技術で高いフィット感を維持しながら、スニーカーの見た目を本気で良くしようとしているブランドが増えているから。
例えば、アシックスの人気モデルGEL-NIMBUS10.1は、おしゃれであると同時に、軽いジョギングやウォーキングにも耐えられる設計になっている。アシックスに加えて、オンやラコステ、サッカニーも、ファッション性を重視しているスポーツブランド。
4.デザイナーズスニーカー
★パリファッションウィークのゲストの1人は、ロエベのフローランナーを履いていた。
★ミュウミュウxニューバランスのコラボスニーカーは、可愛らしい見た目と履き心地で世界を席巻している。
デザイナーバッグはさすがに無理でも、スニーカーなら買えるよね? 最近は名だたる高級ファッションブランドもスニーカートレンドに便乗中で、ロエベはオンと、ステラ・マッカートニーはアディダスと、ミュウミュウはニューバランスとコラボしている。大衆向けにオリジナルのスニーカーを発売しているところもあるので、デザイナーズブランドに興味がある人にとっては、比較的お手頃なスタートポイント。もちろん、普通のスニーカーよりは高いけれど、デザイナースニーカーには何とも言えない魅力がある。
5.街で履くアウトドア
★キャットウォークもハイキングも一足で済むのなら、2025年はサステナブルな1年になること間違いなし。あらゆるシーンで使えるスニーカーは実際に存在するのだ。
★アウトドア感が強いスニーカーにレースやレザー、チュール素材の服を組み合わせ、フェミニンなコントラストを楽しもう。
アウトドアでのパフォーマンスを重視して作られたスニーカーも、ファッション業界を席巻している最新トレンド。サロモンの店舗には行列ができ、アークテリクスのスニーカーは一大旋風を巻き起こしている。幅広いラインアップにゴアテックスを採用しているブランドには特に注目。
ストレートのジーンズときっちりめのボタンアップシャツに合わせると、スニーカーのゴツゴツ感が一層際立つ。メンズ感を抑えたいときは、ふんわりしたスカートやドレスに合わせて。
6.デコラティブなデザイン
★高級感を目立たせない“静かな贅沢”は過去のもの。今年は自己主張強めのスニーカーで日常に変化を持たせて。
★クリエイティブな飾りに人目を引くシルエット。2025年のスニーカーは控えめに言っても面白い。
2025年は自己主張の年なので、ミニマリストのトレンドに走るより派手なファッションを楽しみたいという人はいまがチャンス! 鮮やかな色や大胆なデザインのスニーカーを選んでみよう。既成概念にとらわれないブランドもおすすめ。例えば、セシリー・バンセンやシモーネ・ロシャは、ミュールやメアリージェーンに花やビーズをあしらうなどして豊かな遊び心を表現している。
あなたも早速、いま履いているスニーカーに小さな飾りやレースを付けたり、ユニークな質感・色使い・デザインの一足を探したりして、足元に変化を持たせよう。
さあ、思い切って大胆に!
※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
Text: Isabelle Knevett Translation: Ai Igamoto