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【ニキビダニ・まつ毛ダニ】本当にいる?対策法は?皮膚科医が徹底解説!

  • 2025.2.16
教えてくれたのは……
慶田朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。最新の美容医療機器や治療法を自らの肌で試し、その経験と高い知識で皮膚の悩みに何でも答えてくれる美肌の救世主。わかりやすい説明でメディア出演も多く、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館刊)をはじめ切れ味鋭い著書も人気!

SNSでよく見る「顔ダニ・まつ毛ダニ」これって都市伝説? 本当にいるの?

慶田朋子先生

顔ダニ・まつ毛ダニと呼ばれているのは『デモデックス』というダニ。誰の顔にでもいるものですが肉眼で見ることはできず、人を刺すマダニのように存在するだけで悪さをするということはありません。ただし、皮脂や角層をエサにするため、皮脂分泌が過剰な肌タイプだったり、メイクや汚れが落ちきっていなかったりすると、ダニが増えすぎて炎症などを引き起こしてしまうことも。とはいえ、さまざまな条件が揃わないと肌トラブルにまで発展することは少ないので、過度に心配する必要はありません。


まつ毛にもいるというのは本当?

慶田朋子先生

まつ毛にデモデックスがいる人もいますが、すべての人にいるわけではありません。私自身の感覚としては、非常にレア。ただ、まつ毛にエクステがついている場合は、使えるクレンジング剤に制限があったり、アイメイクが落としにくかったりして、目まわりを清潔な状態に保つのが難しくなる。エクステのノリや眼脂、目やになどが付いていると、ダニが増えるリスクは多少上がるかもしれません。ですが、専用のクレンジング剤などできちんと洗えていれば大丈夫ですよ。


ダニが増えすぎて炎症が起こると、肌にはどんな症状が?

慶田朋子先生

デモデックスは、ニキビダニとも呼ばれています。増えすぎて肌に炎症が起こると、ブツブツを伴った、重度の酒さや赤ら顔のような症状に。ニキビと似ていますが、いつものニキビとちょっと違う、ニキビケアをしてもずっと改善しないと感じるなら、ダニによる肌トラブルである可能性もあります。実際に、難治性のニキビを調べてみると、ダニが存在しているケースも。顔にいるダニが過剰に増えてしまうかどうかは、肌との相性という部分も大きい。すべてのニキビにいるわけではないので、“ニキビ=ダニがいる”と思い込まないで。


ニキビや赤みで「これってニキビダニ?」と気になるなら、皮膚科へ!

慶田朋子先生

ニキビにダニがいたとして、なにか特別な自覚症状があるわけではありません。ニキビの薬を塗っているのに全然よくならない、肌のブツブツや赤みがずっと続いているようであれば、皮膚科で診てもらいましょう。一部の角層を採取して、顕微鏡で見てみるとダニがいるかどうかわかります。ニキビダニの場合、皮膚科では外用の治療薬を使うのが一般的。『アゼライン酸』や『イベルメクチン』など、肌質や状態によって用いる薬はさまざまですが、外用薬との相性がよければ2週間ほどで効いてくると思います。内服薬もありますが、女性の場合は妊娠や授乳との兼ね合いもあるので、必ず医師と相談を。


「顔ダニをゼロにしたい!」は可能? 正しいセルフケアは?

慶田朋子先生

皮膚科で外用薬を使って治療したとしても、それは“ダニをゼロにする”というものではありません。同じ働きをするわけではありませんが、皮膚のバリア成分を作ってくれている美肌菌のように、デモデックスも皮脂を分解してくれています。増えすぎると肌トラブルを引き起こすこともありますが、顔にいて当たり前。“根こそぎ排除するべき”というものではありません。たいていの場合は、毎日正しく丁寧に洗顔ができていれば問題なし。この洗顔も、洗ってダニを落とすというより、エサとなる皮脂をやさしく洗い流すという意味です。通常は、洗顔時の水温は低い“ぬるま水”ぐらいを推奨していますが、人肌より少し高いぐらいのぬるま湯で落としたほうが、顔の皮脂や眼脂、目やになどは落としやすくなります。あとは、ビタミンB2、B6を摂ることも有効なので、食事やサプリメントで積極的に。


写真協力/ShutterStock 取材・文/橋場鈴里

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