昭和世代なら耳にしたことがある人も多い、“ある言葉”。ビジネスシーンで聞いたり使ったりしたことがある人も多いであろう言葉ですが、最近の若者からは「意味が分からない」「気持ち悪っ…」と散々な言われようです。
「こんなふざけた言葉を仕事のやりとりで…」
その“ある言葉”とは「鉛筆なめなめ」。「鉛筆なめなめ」とは本来、「書類などの数字をごまかして帳尻を合わせること」を意味する言葉です。かつて、質の悪い鉛筆を使用する際、芯をなめて湿らせ、濃く書けるようにしていました。そのため、“数字を操作してよく見せる”比喩として使われるように。「この予算だと、鉛筆なめなめしないとまずいな」「この書類だと承認されないから、鉛筆なめなめしておいて」といった使い方をします。
しかし、おじさん世代の中でも、昭和の後半世代は「鉛筆なめなめ」を正しく理解していないことも多いようです。例えば、「何度も推敲したり、見直しをしたりして、より良いものに仕上げる」「鉛筆をなめるかのように集中して頑張る」といったような“前向きな意味”だと誤解している人もいる模様。
もちろん若者世代には通じるはずもなく、それどころか表現自体に抵抗を感じるという声が。実際に、SNS上では「なんだか表現が生々しくて想像するだけでもキツい」「鉛筆なめなめっていう言葉が仕事上で出てくるのがイヤなんだけど…」「なめなめとか、こんなふざけた言葉を実際に仕事のやりとりで使ってたの?」といった声が多く聞かれます。
そもそも「鉛筆をなめる」という行為自体、現在の鉛筆には必要がなくなりました。以前と比べて筆記具の品質が向上し、鉛筆も乾燥や濃度の問題を気にせずに使うことができるようになったためです。「鉛筆なめなめ」という行為自体が若者にとってなじみがないのも、嫌悪感を招いてしまう要因なのでしょう。
昔は普通に使っていた言葉が、今では嫌悪感を抱かれる言葉に変わっている事実は興味深いもの。現在当たり前に使用している言葉の中から、次の世代に気持ち悪がられてしまいそうな言葉を探してみるのも面白いかもしれません。
オトナンサー編集部