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【枕ダニ対策】肌荒れの原因は枕!? 肌への影響や枕の正しい洗い方を解説!

  • 2025.2.15
教えてくれたのは……
慶田朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。最新の美容医療機器や治療法を自らの肌で試し、その経験と高い知識で皮膚の悩みに何でも答えてくれる美肌の救世主。わかりやすい説明でメディア出演も多く、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館刊)をはじめ切れ味鋭い著書も人気!

どんな枕にもダニは生息している!? 肌にはどんな影響がある?

慶田朋子先生

枕や布団には、チリダニ科のコナヒョウダニやヤケヒョウダニといった、非常に小さなダニが生息しています。これらは、人の角層などをエサにする刺さないダニ。生きていてもそれほど害はありませんが、死骸やフンがアレルゲンとなり肌荒れを引き起こしてしまうことも。もしダニにアレルギー反応が出るのであれば、注意が必要です。皮膚のバリア機能がそれなりにきちんと整っている普通肌の方であれば、ほとんど影響はないといえるでしょう。


枕にダニがいてもあまり問題はなさそう。とはいえ、気持ち的にはいないに越したことはないような……。

慶田朋子先生

枕に存在するダニをゼロにするのは、難しいのが正直なところ。“ダニ”と呼ばれるから嫌悪感があるかもしれませんが、生きていてもとくに悪さはしないですし、死骸やフンもホコリのようなものだと考えていいかと思います。無菌室のような空間で寝られるわけではないので、そこまで神経質にならず、気にしないのが一番。ただ、枕が古くなったり汚れていたりするとダニが増える可能性が高まるので、肌が弱いのであれば、枕本体をたまに買い換えるというのは一つの手かもしれませんね


慶田先生がやっているダニ対策は?

慶田朋子先生

私自身はダニにアレルギー反応は出ませんが、もともと肌が弱いということもあり、一時期ダニアレルギー対策の枕カバーを使っていました。枕に潜んでいるダニや死骸が表に出てこられないほど繊維が密で、表面がつるっとしているタイプ。ほかにもファスナーが二重になっているなど、素材や機能を含めて“防ダニ”を謳っている枕カバーはいろいろと発売されています。そういった新素材のカバーをつけると、枕本体にダニや死骸がいたとしても、肌にはかなり付きにくくなる。とくに、ダニアレルギーで肌が荒れやすい方には効果があると思います。


たとえばこんな枕カバー

防ダニ薬剤などを一切使用せず、繊維構造のみでダニ通過防止率100%。 ダニの死骸や花粉なども99.9%通過防止。繊維クズなどのホコリも一般的な綿カバーと比較して約0.05%と、寝室の空気も汚しにくい点もうれしい。ミクロガードⓇ RENEWAL プレミアム 枕カバー ¥3300/テクセット(https://www.micro-guard-online.biz/)

とはいえ、美肌のために枕カバーのお手入れは必須!

慶田朋子先生

ダニアレルギーがなくとも、枕カバーは洗い替えを用意して、きちんと洗うことが大前提。枕カバーには、ダニに限らず、よだれや皮脂、夜に塗ったスキンケアなど、いろいろなものが付着します。クリームはだいぶ枕カバーに吸われていると思いますし、時間が経つと油分や皮脂は酸化していきます。肌荒れを防ぐ、美肌をキープするという意味でも、枕カバーは清潔を保つことを心がけましょう。洗濯は週1回が目安ですが、夏であれば週2回が理想的。


枕のダニ対策は、“水洗い”が正解!

教えてくれたのは……
大貫和泉さん

ライオン株式会社 お洗濯マイスター。消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約 20 年携わり、母としての経験と研究活動を融合しながら、日々の洗濯に役立つ情報をわかりやすく発信。

大貫和泉さん

枕に多くいるとされるチリダニは、ダニ自体ではなく、死骸や排泄物に含まれる特定のたんぱく質がアレルギーの原因になるといわれています。このダニアレルゲンは水に溶けやすい性質があるため、除去するには水洗いが効果的。天日干しをしたり叩いたりするだけでは、効果的に落とすことはできません。


洗濯によるダニアレルゲンの除去率

※東京環境アレルギー研究所にて測定
大貫和泉さん

このグラフは枕ではなく布で行った実験結果ですが、洗濯したことで死骸やフンといったダニアレルゲンが99.9%落ちています。枕には厚みがあるため、枕の中心部分にいるダニまで落とせるかどうかは検証が必要なものの、水洗いが非常に効果的であることは実証済み。枕カバーであれば、ダニアレルゲンは洗濯により落とすことが期待できます。


お洗濯マイスターが解説! 「枕カバーの正しい洗い方」

1洗濯表示をチェック

大貫和泉さん

洗濯桶のマークは、「家で洗うことができる」という意味。もし洗濯桶に×がついている場合は、家庭で洗うことはできません。洗濯桶の下についているバーは、数が増えるほど「弱い機械力で洗ってください」ということ。バーが1本のものは「洗濯機の標準コースで洗ってOK」ですが、2本のものは「洗濯機のおしゃれ着コースで洗ってください」。また、洗濯桶に手が入っているものは、手洗いを推奨するマーク。手洗い+バーのマークは温度が規定されていて、「30℃以下の水で手洗いして」という表示。とくにやさしく洗いましょう。最近の洗濯機は非常に進化しているので、手洗いマークでも洗える洗濯機が増えています。その場合は、洗濯機の取扱説明書で必ず洗い方の確認を。


2表示に合わせた洗濯用洗剤を選ぶ

大貫和泉さん

洗濯桶のみと、洗濯桶にバーが1本の表示のものは、液体洗剤や粉洗剤など、普段使っている洗剤で洗ってかまいません。バーが2本、手洗いマークの場合は、おしゃれ着用洗剤を使いましょう。おしゃれ着用洗剤には、色あせや型崩れ、毛玉防止効果があり、デリケートな衣料をやさしく洗うことができます。また、標準コースで使える洗剤には酵素が入っていることもあり、シルクのような素材にはダメージを与えてしまうことも。適した洗剤を選ぶことが大切です。


手洗いにおすすめ!

デリケート衣類にも安心な中性洗剤。シワやヨレ、縮みや色あせといったダメージを防ぎ、洗っても洗っても“新品感”が続く。弱水流のコースでも汚れやニオイまですっきりオフ。(左から)アクロン フローラルブーケの香り、同 ナチュラルソープの香り(微香タイプ) 各本体 450ml、つめかえ用 380ml、つめかえ用大 850ml オープン価格/ライオン

枕本体は“手で押し洗い”がおすすめ!

大貫和泉さん

枕本体を洗うときも、枕カバーと同様に、洗っても大丈夫なものなのかまず洗濯表示の確認を。ポリエステル綿や羽毛素材は洗えるものがありますが、そばがらやウレタンパフの場合は水洗いすることができません。また、洗濯機で洗えるマークがあったとしても型崩れしてしまう可能性があるので、枕は基本的に手洗いが◎。水洗い&押し洗いがおすすめです。


1おしゃれ着用洗剤を使い、押し洗いをする

洗面台や洗濯桶に水をはり、おしゃれ着用洗剤を入れる。洗剤の量は製品によって微差はあるものの、だいたい水4リットルに対して洗剤10ミリリットルが目安。そこに枕を入れて20~30回ほどやさしく手で押し洗いをし、その後、軽く絞ってからすすぎを2回行う。すすぎは、洗濯桶に水をためて、洗うときと同じ要領で、20~30回押し洗いをしてから軽く絞ります。

2バスタオルを使って脱水

洗い終えたら、できる範囲で水気を軽く絞りタオルドライ。バスタオルで枕全体を包み込んで、上から手で押して脱水をする。

3陰干しをする

水をよくきってから、風通しのよい場所で陰干しする。大きめの洗濯ネットに入れて角ハンガーに吊すと、干しやすく早く乾かすことができるのでおすすめ。乾かしている途中で枕を軽く叩き、中のワタや羽毛をほぐしてあげて。

枕本体を洗うのが面倒! そんなときはどうすればいい?

大貫和泉さん

枕本体が洗えないものだったり、洗うのが大変だったりするかと思いますが、そんなときは枕カバーをつけておきましょう。枕本体にダニのエサとなる垢やフケが付着しにくくなり、枕カバーをこまめに洗えば、清潔に保つことにもつながります。寝ている間にズレないのであれば、枕にタオルを巻いてもOK。カバーを洗う頻度は、1週間に1回程度が目安です。洗えない枕の場合、そばがらは天日干し、ウレタンパフは陰干しなど、素材によって適したお手入れ方法が異なるので気をつけましょう。


写真協力/ShutterStock 取材・文/橋場鈴里

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