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ちょっと信じられない…簡単にカボチャが切れる“専用包丁”が実在!ダイソーの100均包丁と切れ味を比較してみた

  • 2025.2.15

カボチャを楽に切れる、という包丁を発見!

カボチャは切るのが大変……
カボチャは切るのが大変……

カボチャをそのまま切ることはかなりの力仕事ですよね。切れ味の悪い包丁なら男性でも切るのは難しいでしょう。電子レンジで加熱してから切るなど、工夫している人も多いのではないでしょうか。そこで、筆者が見つけたのがカボチャを切る専用の包丁。ののじが販売する「かぼーちょう」は、やや特殊なグリップがちょっと高めの位置についているだけで、カボチャなどの硬い食材が小さな力で簡単に切れるといいます。はっきりいうならまゆつばものだと思うのですが、気になって仕方ない。どれほどの切れ味なのか、ダイソーの100円包丁と比べてみました。

ののじの「かぼーちょう」とは

ののじの「かぼーちょう」。刃物でありながら、曲線を多用したデザインのため、コロッとしたユーモラスな印象を受けるデザインです。
ののじの「かぼーちょう」。刃物でありながら、曲線を多用したデザインのため、コロッとしたユーモラスな印象を受けるデザインです。

キッチングッズ好きなら、おそらくご存じの「ののじ」。このののじが販売する「かぼーちょう」が気になっている方も意外と多いのではないでしょうか。ぽこっと頭の膨らんでユーモラスな曲線デザインの刃に、グラマラスで立体的な極太グリップがちょっと高めの位置に取り付けられたかなりユニークなデザインの包丁です。

おそらく「かぼちゃ(がよく切れる)包丁」の略で「かぼーちょう」なのでしょう。独自の極太グリップを高めの位置に取り付けることで、テコの理論を応用して力の前進効果が得られ、力の弱い人でもカボチャなどの硬い野菜や根菜類がスパッと気持ちよく切れるといいます。

パッケージに入った状態のののじの「かぼーちょう」とダイソーの「ニューギャラクシー万能包丁」。切れ味を比べてみました。
パッケージに入った状態のののじの「かぼーちょう」とダイソーの「ニューギャラクシー万能包丁」。切れ味を比べてみました。

はっきりいうなら「そんなことってある?」といった感じです。もっというなら、きっとまゆつばものだと筆者は思っていました。それでも気になって仕方ないのです。好奇心が抑えられません。

実勢価格5280円前後と、そこそこよいお値段。しかし、「かぼーちょう」は、テコの原理と極太グリップがさほどのものではなくても、硬度の高いモリブデンバナジューム鋼にオノの構造にも使われているグリハマ刃(両刃)を採用したとのこと。普通の包丁程度の働きはしてくれるだろうと導入を決定。せっかくなのでダイソーの100円包丁「ニューギャラクシー万能包丁」と切れ味を比較してみました。

まずは小手調べにホウレンソウのおひたしを切ってみた

いきなりカボチャをきってしまうと、そこでお話が終わってしまいますし、なんとなく昼ご飯の用意をしていたので、ちょうどゆであがったホウレンソウをおひたしサイズに切ってみました。

まずは「かぼーちょう」からです。確かに、人間工学に基づいたスーパーグリップと自社のWEBサイトに明記しているように「かぼーちょう」のグリップはとてもにぎりやすいのです。とはいえ、切る相手はとても硬いとはいえないホウレンソウのおひたし。

束ねた状態のゆでたホウレンソウを切っていくと、とても普通。もしかすると、いつもよりも弱い力で切れているかもくらいの感想です。称賛するほどでもなく、かといって問題を感じることもないレベルでよく切れます。

これを同じように100円の「ニューギャラクシー万能包丁」で切ってみると、ホウレンソウのおひたしは繊維が多いので、思った以上の切れ味が必要なようで、ちょっと切りにくい。「かぼーちょう」の切れ味のよさを体感するというよりも、「ニューギャラクシー万能包丁」がやはり切れ味はいまひとつということを確認する結果となりました。

硬めのニンジンを輪切りにして切れ味を比べてみた

次に普段使う野菜のなかではかなり硬めのニンジンを輪切りにしてみました。冷蔵庫のなかから取り出したニンジンにはやや太さに差があったので、当然硬い野菜を切るのが得意だという「かぼーちょう」のテストに太いほうを割り当てました。

筆者はニンジンは皮をむいてから切り分けることが多いせいか、皮付き1本ままのニンジンは予想以上に硬くてびっくり。しかも、もっとも太いヘタのほうから輪切りしてみたのですが「う、うん?」と思うほど「かぼーちょう」で切るときに力がいりません。

どういったらよいのでしょうか。包丁のグリップが高い位置にあると、切ろうと思って力を入れた際の分散して逃げる力が小さく感じるのです。かけた力のうち前後に逃げる力が小さく、上下にかかる力が大きいというのでしょうか。

理屈はともかく、包丁の刃の切れ味というよりは、一般的な包丁とは力のかかり方が違うので小さな力で切れるというのが実感できます。かなり気持ちよいですし、うれしい。理屈が立証された満足感というのでしょうか。

これに対して「ニューギャラクシー万能包丁」は切れ味がいまひとつというのもあるのですが、プラスチック製のグリップが細く取り付けが頼りない。このため包丁がきしみ、力をかけるのがやや怖く、明らかに「かぼーちょう」のような小さな力でニンジンを切ることはできませんでした。

「ニューギャラクシー万能包丁」のテストに使用したニンジンのほうが細いものを選択したのですが、切れ味というよりも小さな力での切りやすさは、明らかに「かぼーちょう」に軍配が上がる結果となりました。

用意したカボチャが予想以上に硬くておどろく

「かぼーちょう」がもっともその力を発揮するであろうカボチャでも当然比べてみました。1/4サイズのカボチャを買ってきて切ってみたのですが、なぜか普段食べているカボチャよりも明らかに硬いのです。

筆者が普段使っている結構お高めの包丁で切っても「えっ」と思うほど硬い。そんな硬めのカボチャを「かぼーちょう」で切ってみた結果は、びっくりするくらい簡単に切れました、だとよいのですが、さすがに硬いものは硬い。

テコの原理が働いているはずの「かぼーちょう」でも片手の力だけで切るのには一部苦戦し、「かぼーちょう」の刃の頭の部分にあるぽこっと部分に手を添えて、硬いカボチャを切り分けるシーンもありました。意外と苦戦したわけです。

しかし「ニューギャラクシー万能包丁」で同じカボチャを切ってみるとびっくり。元々ペラペラの「ニューギャラクシー万能包丁」の刃ともちづらい柄がしなるを通り越して、折れるのではと思うほど力を入れないと切れないのです。

そして100円の包丁である「ニューギャラクシー万能包丁」は、一般的な包丁と比べてもグリップなどが安定しません。かなり気を付けて作業をしても、かなり怖いのです。硬いな、力が入っているなと思っていても「かぼーちょう」は安定していますし、安心して力も入れやすく感じます。

嫌がらせにリンゴの皮もむいてみた!

硬い野菜や根菜類を切るのが得意だといっている「かぼーちょう」と安さが取り柄の「ニューギャラクシー万能包丁」を硬い食材を切り比べて、単純に「かぼーちょう」はすごいというだけではつまらないでしょう。そこで「かぼーちょうが」が苦手そうなリンゴの皮むきもしてみました。

グルグルと丸く、皮をつなげてむいていくのではなく、普通に向いたのですが、グリップが高い位置についているので「かぼーちょう」は刃とグリップ部分に大きな段差ができてしまいます。このためどうしても筆者にはリンゴの皮むきがしにくいのです。

これに対して一般的な万能包丁スタイルの「ニューギャラクシー万能包丁」は、当たり前のように普通に使えるので皮がむきやすく感じます。切れ味自体はやはりすばらしいとはいえませんが、ストレスになるほどは切れないわけではありません。100円にしてはすばらしい。

なお、ののじの包丁のラインナップをみていると「かぼーちょう」系以外はフルーツナイフやペティナイフといった皮むきを得意とする包丁が多いのは、この弱点を認識しているようにも思えて、おもしろく感じました。

力の弱い高齢の母などにもプレゼントしたい、優れたアイテム

ややユーモラスで可愛い印象を受ける「かぼーちょう」ですが、実際にその形状に機能的な意味があることがわかりました。
ややユーモラスで可愛い印象を受ける「かぼーちょう」ですが、実際にその形状に機能的な意味があることがわかりました。

グリップ(柄)がちょっと上についているだけで、テコの原理で硬い食材が簡単に切れるという「かぼーちょう」。理にはかなっているように感じるのですが、どうも信じ切れないのが本音です。でも、気になる。そんな疑問を解消するためにダイソーの100円包丁「ニューギャラクシー万能包丁」と比べみた、今回の記事。

結果は包丁ってグリップが上にあるだけで、力点と支点の位置が変わって本当に小さな力でも、硬い野菜やカボチャなどを切ることができるのだと、驚いた次第です。「ニューギャラクシー万能包丁」と比べると、切れ味の違いもあるとは思いますが、包丁に余計な力を入れる必要がありません。

カボチャなどの硬いものを切るときには、我が家では「かぼーちょう」を使うのが普通になってきています。
カボチャなどの硬いものを切るときには、我が家では「かぼーちょう」を使うのが普通になってきています。

筆者の場合、カボチャやサツマイモといった根菜類、力を入れないと切れない硬い野菜などを切る際に「かぼーちょう」を使うと調理がラクになります。また、力を入れないと切れない材料は、刃が傷むので、お気に入りのお高い包丁では切りたくないのです。そのため、現在では硬い素材には「かぼーちょう」を使っています。

小さな力で材料が切れるので、最近力が弱っているという高齢の母へのプレゼントとしてもよいのでは?とも思ったわけです。なお「かぼーちょう」と同じ理屈で作られたひとまわり小さく、実勢価格が約半額(2420円前後)の、ののじ「ラビィNEO」という製品もあるので、硬いものを切るときだけ使うなら、こちらもありかもしれません。

硬い野菜や根菜、カボチャなどが切りにくく感じたり、余計な力が入っていて危ないと思ったら「かぼーちょう」シリーズを試してみるのはありな選択だと感じました。ぜひお試しください。

(千秋)

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