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今シーズン流行の兆し!?味わい深いレトロな「ピルボックスハット」とは?

  • 2025.2.15

ここ数シーズン、ランウェイには帽子が多数登場している。なかでも意外な人気復活を遂げたのが、このハットだ。

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先シーズンから華やかなハット旋風がランウェイに巻き起こった。2024年6月、ダイアン・クルーガーがかぶっているところを目撃されたのが発端だ。最近では昨年の10月末、ニューヨークでの「AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章」撮影現場でも見かけた。さらにTOTEME(トーテム)、アライア、ザ・ロウの2024年春夏コレクションに登場、その後もクロエの2025年春夏コレクション、アレッサンドロ・ミケーレがデザインしたヴァレンティノ2025年クルーズコレクションのヴァレンティノでも出現したのがピルボックスハットだ。

このハット、レトロでヴィンテージ感がたっぷり。見かけるのはだいぶ久しぶりのことだ。1890年代にイギリスのヴィクトリア朝の砲兵が着用した軍帽に1930年代以降、クリストバル・バレンシアガが着目し、1950年代末に大流行となり、1958年には「ニューヨーク・タイムズ」紙に初めて取り上げられた。「ピルボックスハットは夕方から夜にかけてのファッションの重要なアイテムとなった。かっちりした端正な帽子はベルベットやサテン、羽毛で作られており、シンプルなものもあればキラキラしたビーズ、三つ編み、花やチュールで飾られていることもある」と当時の記事にある。エレガントで構築的な帽子はフランスやイタリアで「小さなタンバリン」とも呼ばれた。ジャッキー・ケネディが愛用したことで知られる。

1961年1月、夫のアメリカ大統領就任演説に同席したジャッキーの帽子に、ファッション界の人々は目が釘付けになった。アイスブルーのハットは、クロテンの毛皮を袖と襟にあしらったオレッグ・カッシーニのコートと見事に調和していた。これは偶然なんかではなく、大統領夫人に注目を集めるために若きデザイナーのロイ・ホルストンが取った戦略的な選択だった。こうしてこのハットは60年代のジャッキースタイルを代表するアイテムとなった。

帽子は不意に復活して流行る。カウボーイハットさながらに大きくてロマンティックなカペリーヌ帽、ブランドロゴ入りキャップ、はたまたロゴなしのキャップ、そして今回は優雅なピルボックスハットだ。これをかぶれば確実にエレガントに見えるが、その一方でそれなりの身のこなしが必要とされる。それは軍帽を起源とするからだろうし、ジョゼフ・アルチュザラやプラダのランウェイに登場したものもやや厳格な雰囲気を漂わせていた。

新しい軽やかさを与えて2025年らしさを保持するためには、ザ・ガーメント、ザ・ロウ、オルセン姉妹のブランド、ヴァレンティノ、クロエに登場したような春タイプを選択しよう。つまり、黒もレザーも毛皮も避け、クリームやオフホワイトといった明るいトーンのハットを選ぶことだ。素材はターバン風プリーツ、グログラン、シルク。これをクレープのパンツスーツやジュエリーと合わせる。ラファエル前派のようなロングヘアならば理想的。こうすれば、おばさん風になる心配もなく、ベーシックなベースボールキャップのような感覚でこのハットを被れるだろう。

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