発達障害であることを息子に伝えたときのエピソードを描いた漫画「発達障害を本人に告知した話」が、Instagramで2300以上のいいねを集めて話題となっています。
「俺は発達障害じゃないよね?」と、突然息子から聞かれた母。どう答えるべきか、とても戸惑いましたが、思い切って事実を伝えたところ、息子から想定外の反応が…。読者からは、「これだけポジティブに受け取れるなら、何も問題なし!」「たくさんの苦労があるだろうけれど、その分絶対に幸せになってほしい」「WISC検査、頑張ってね!」などの声が上がっています。
5歳のときに自閉症の診断を受けた息子
この漫画を描いたのは、Instagram「Eのゆかいなかぞく」というプロフィール名で漫画を発表している、イラストレーターの「E夫人」さんです。E夫人さんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.今回、漫画「発達障害を本人に告知した話」を描いたきっかけを教えてください。
E夫人さん「発達障害を本人に告知する際、『こういうパターンもあるよ』ということを読者の皆さんに伝えたかったからです。本当はもっと真剣に、用意周到に伝えるものだと思っていましたが、良いきっかけになりました」
Q.E夫人の作品を初めて読む人たちに向けて、息子さんの紹介をお願いします。
E夫人さん「小学5年生の息子『タロウ』は、5歳のときに自閉症の診断を受け、アスペルガーの傾向があります。現在は通常学級に在籍しながら、週に1回支援級でお世話になっています。学校の授業や活動には何とかついていけていますが、周囲の子とうまくコミュニケーションが取れなかったり、耳で聞いたことを覚えられなかったりすることが課題です。しかし、基本的に前向きな性格で、嫌なことがあっても割とすぐに忘れられることが長所です」
Q.発達障害であることを伝えてから、息子さんに何か変化はありましたか。
E夫人さん「何かにつまずくと、『俺は発達障害だから周りの子よりできないんだ…』と口にするようになりました。でも、『科学系YouTuberやギフテッドのような天才になりたい』とポジティブに考え、IQ向上のために日々、独自の秘策を練っています。実際は、それほど自分のことをダメだとは思っていないようです」
Q.息子さんに発達障害だと伝えたときのことを、振り返ってどのように感じていますか。
E夫人さん「本人も明るく受け止められるタイミングだったので、きちんと伝えられて良かったなと思っています。うすうすは気付いていると思っていたのですが、まったく気付いていなかったみたいですね」
Q.その後、WISC検査(5歳0カ月から16歳11カ月の児童を対象とした知能検査の一種)は受けましたか。
E夫人さん「この話の数週間後に、勢いで受けました。現在、そのときの様子を描いた漫画を制作中です。Instagramに投稿しようと思っているので、よかったらぜひ見てください」
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
E夫人さん「なんとなくの気分で、2021年から描き始めました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
E夫人さん「同じような境遇の方々に少しでも役立つ話や、私たち家族の話などを引き続き漫画にして投稿していけたらなと思っています」
Q.漫画「発達障害を本人に告知した話」について、どのような意見が寄せられていますか。
E夫人さん「たくさんの方々から息子に対して、『自分が発達障害という事実を、明るく前向きに受け止められていることがすてき』と言っていただきました」
オトナンサー編集部