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【バリキャリだった私の後悔】結婚した息子から「昔は友達がうらやましかった」60代の今、思うこと

  • 2025.2.11

先日、趣味を通して知り合った年上の友人A子さんと久しぶりに会う機会がありました。以前と変わらず元気ハツラツなA子さんは、息子さんが結婚したことを教えてくれたのですが……。そのとき彼女から聞いた、息子さんの思わぬ本音から感じた子育ての後悔や、60代の今思うことをご紹介したいと思います。

画像: 【バリキャリだった私の後悔】結婚した息子から「昔は友達がうらやましかった」60代の今、思うこと

仕事に夢中だった私

私は大学を卒業後、シングルマザーだった母たっての希望で地元の市役所に就職しました。公務員として働く中、仕事を通して知り合った男性と20代半ばで結婚し、1児の母に。

結婚後は専業主婦になる女性が多い時代で、既婚者の友人たちも専業主婦として家庭を支える人がほとんどでした。しかし結婚・出産を経ても、真面目で責任感が強く負けず嫌いなところがある私は仕事に夢中。仕事を辞めるという選択肢は、私の中にはありませんでした。

家でも資格取得に励む日々

数か月の産休を終えた後も、同居していた私の母に幼い息子を預け、男性並みにバリバリ働く毎日。土日に急な仕事が入ることも多々ありました。息子の世話は定時帰りが多かった夫や母に任せきりで、キャリアアップのために資格取得にも力を入れていたため、息子が寝かしつけたあとも自主的に勉強していました。その熱心さは夫にも呆れられるほど……。

私の帰りが遅いため、平日に家族揃って晩御飯を食べられることはほとんどありませんでした。母は料理が苦手だったため、朝出勤前に私が晩御飯を作ってから出社。そのため、揚げたてや焼きたてのものが食卓にあがることはほぼゼロでしたが、わが家では当たり前のことでした。

大人になった一人息子の本音

そうして息子も30代になり、めでたく結婚することに。お嫁さんが挨拶をかねて初めて家まで遊びにきてくれたとき、息子の子どものころの話になりました。すると息子が当時のエピソードや本音を話し始めたのです。

息子が近所の友だちの家に遊びに行くと、「今日晩御飯何が食べたい?」と専業主婦のママが友だちにいつも聞いていたそうで、その友だちのリクエスト通りの献立になるのがとてもうらやましかったとのこと。私は当時、出社前に栄養面を考えて晩御飯を作るなど自分なりによくやっていたと思っていたのですが、初めて聞いた息子の本音に何とも言えない気持ちになりました。

「お嫁さんには専業主婦になってほしい」

子どもの頃寂しかった経験から、息子はお嫁さんにはバリバリ働くのではなく「子どもや家庭を第一優先にしてほしい」「自分が稼ぐから(お嫁さんさえよければ)専業主婦になってほしい」とも言っていました。共働きが当たり前の時代に息子がこのような考えを持つようになったのは、紛れもなく私が原因です。

お嫁さんもほんわかした雰囲気の子で、家庭的なタイプ。私とは真逆に見えました。もちろん息子のことは何よりも大切で大好きでしたし、自分なりに家庭を大切にしてきたつもりでしたが……。
息子からしてみたら、「いつも家にいない母親」だったのでしょう。

キャリア優先は正解だったのか

田舎の市役所では珍しく、私は最終的に部長にまで昇進。「仕事をやり切った感」は自分の中で確かにありましたが、息子の本音を聞いて、本当に自分がやってきたことが正しかったのかどうか分からなくなってしまいました。息子が生まれてからも「自分本位で生きてきた」と言われれば、その通りかもしれません。

息子が息子にとっての理想の女性と出会えたことが今の私にとっては大きな喜びであり、息子には幸せな家庭を築いてほしいと心から願っています。

A子さんの順風満帆なキャリアの裏には、幼い息子さんの寂しさがあったようです。「自分のこれからの人生を見つめ直すいいきっかけを息子がくれた」とA子さんはおっしゃっていました。

【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:ichika.K
2児の育児を機に、ママの悲喜こもごもを描くライターとしての活動をスタート。子育てメディアなどの執筆を経て、独立し現在はltnでコラムを連載中。大手企業の総合職でのOL経験、そこから夫の単身赴任によりワンオペでの育児を行った経験から、育児と仕事を両立するママの参考になる情報を発信すべく、日々情報をリサーチ中。

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