今回は友人Aに聞いた新入社員との世代間の違いを実感したエピソードをご紹介します。
歓迎会の計画
新入社員が入社し、彼らが仕事にも慣れてきた頃、歓迎会をしようという話が持ち上がりました。
幹事を務めたAは、新入社員一人ひとりに
「来週金曜日の仕事終わりに歓迎会をしようと思うけれど、嫌いなものとか食べられないものとかないかな？」
と尋ねて回りました。
概ね、なんでも大丈夫という答えだったのですが、そのうちの一人から予想外の一言が返ってきました。
「それって、強制ですか？」
思いがけない質問に戸惑いながらも、日程調整が必要になるかもと思い
「いや、強制というか……何か用事でもあるのかな？」
と聞きました。
衝撃の返答
すると、彼女はこう続けました。
「特に用事はないです。それって残業手当は出るんですか？ 出ないなら行かなくてもいいですよね？」
もちろん飲み会は業務ではないので、残業手当が出ることはありません。
目の前でこんな発言をされたAは驚きを隠せず
「行きたくないなら無理に来なくてもいいよ」
と返しながらも、内心では（テレビで見たような話が本当に起きるんだ……） と感心すら覚えました。
歓迎会に来なかった理由
結局、歓迎会は彼女抜きで予定通り開催されました。
彼女が参加しないことを不思議に思った同期が彼女に欠席した理由を尋ねると
「お金にならないのに行きたくない。それなら家に帰ってゲームがしたい！」
と臆することなく言ったのだそう。
あまりにも率直な理由に後から聞いたAたちも唖然としたのでした。
それでも、半年ほど経った頃には、彼女も時々は飲み会に顔を出すようになりました。
みんなともっとフランクに付き合いたくなったのか、ゲームを制覇したのか。
真相はわからないままです。
価値観の違い
私たちの世代は、飲み会を仕事の延長として「大切なコミュニケーションの場」 と考えることが多いですし、そのように指導を受けました。
けれども、今どきの若者にとっては仕事時間外の行事も「仕事の一環」 と映るのかもしれません。
彼女は仕事も真面目に取り組んでおり、結果を出してくれるので、今ではその価値観の違いを受け入れ、うまく付き合うことができています。
価値観の違いに驚かされたものの、新しい世代の考え方を知った出来事でした。
【体験者：50代・筆者、回答時期：2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター：Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。