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【木戸大聖×岡田将生】年齢の壁を超えて惹かれ合う才能。映画『ゆきてかへらぬ』で共演した2人は私生活でもライバル!?

  • 2025.2.7

徹底的なリサーチを積み重ね文学界の天才を熱演

──映画『ゆきてかへらぬ』にて、木戸さんは詩人の中原中也役、岡田さんは文芸評論家の小林秀雄役を務めました。撮影前にどんな準備をしましたか?

木戸 「教科書に載るくらい歴史的な作品を残した人なので、まずは知ることが大事だと思って、山口県の中原中也記念館に行かせてもらいました。医者の家系に生まれた中也は幼い頃から神童と呼ばれていたそうですが、8歳の頃に弟が風邪により亡くなってしまって、その悲しみと向き合うなかで文学に目覚めたそうです。中也は傍若無人だったと言われることも多いですが、撮影が始まる前にいろんな一面を知ることができたのがよかったです」

岡田 「僕も小林秀雄さんに関するたくさんの資料を読み込みつつ、鎌倉にあるお墓を訪ねてご挨拶をさせていただきました。小林さんはご本人の人柄が伝わる記述がたくさん残っているのですが、根岸吉太郎監督からは『前髪を触る癖がある人だったよ』というネタを提供していただいたこともあって(笑)。たくさんの情報を取り込みつつ、本番では余計なことを考えずに無防備な状態でカメラの前に立ちたいと思っていました」

──今作はお互いに才能を認め合う中原中也と小林秀雄、そして新進女優だった長谷川泰子を含む男女3人の愛と青春を描いています。広瀬すずさんが演じた泰子は2人を翻弄した“悪女”として語られることも多いですが、木戸さんと岡田さんはどんな印象を抱きましたか?

木戸 「僕は泰子さんを愛している中也を演じていたので、客観的に見れなくなっているかもしれませんが、悪女だとは思いません」

岡田 「そうだよね。俺もそう思う」

木戸 「泰子さんは自分の欲望に対して真っすぐな人だからこそ、すごく素敵だし、好きにならざるをえないというか……。悪女というネガティブな感覚を抱かなかったのは、すずちゃんの力量も大きいと思います」

岡田 「泰子が中也と小林に見せた振る舞いの真意は分からないし、もしかしたら深い意味はないのかもしれない。底が見えないからこそ、惹かれてしまうのかもしれません。劇中ですごく奇怪な三角関係が描かれているので、撮影現場ではいつも張りつめた緊張感が渦巻いていました。だから疲れました(笑)」

【木戸大聖×岡田将生】年齢の壁を超えて惹かれ合う才能。映画『ゆきてかへらぬ』で共演した2人は私生活でもライバル!?

撮影現場にも「奇怪な三角関係」があった!?

──中原中也と小林秀雄は伝説的な鬼才なので、そもそもプレッシャーが大きいオファーだったのでは?

木戸 「今よりもっと経験値が少ない僕に大役を任せていただいたので、やっぱり不安はありました。でも経験豊富な将生さんとすずちゃんが、僕が何をしても跳ね返してくれるという絶対的な信頼があったので、安心してぶつかっていくことができました。中也も大人が相手でも恐れずに向かっていく人だったので、僕自身の状況や心境とリンクする部分があったと思います」

【木戸大聖×岡田将生】年齢の壁を超えて惹かれ合う才能。映画『ゆきてかへらぬ』で共演した2人は私生活でもライバル!?

岡田 「当時の小林秀雄さんは、若さと成熟された大人の感覚の両方を持っていたと思うんですよね。台本を拝見して、僕は不思議と『今の自分なら演じることができるかもしれない』と思ったんです。お声がけいただいたタイミングがもっと遅かったら、また自分の心の持ちようが変わっていて、そんな確信を持つことはできなかったかもしれません。もちろんプレッシャーもありましたが、憧れの根岸監督とお仕事できるワクワク感のほうが大きかったです」

【木戸大聖×岡田将生】年齢の壁を超えて惹かれ合う才能。映画『ゆきてかへらぬ』で共演した2人は私生活でもライバル!?

木戸 「でも将生さんは、撮影現場でずっと『中也が羨ましい』って言ってましたよね」

岡田 「そうそう。やはり監督にとっても中原中也は大切な存在だったと思いますし、演出について大聖に熱弁する姿を見ていたら羨ましくなってしまって。カメラに映らない部分でも奇怪な三角関係がありました(笑)」

じつは似た者同士!? お互いの「愛され力」が羨ましい

──撮影中はどんな方法で息抜きをしていましたか?

木戸 「序盤は京都で撮影していたのですが、ローラースケートに乗るシーンの撮影があった日に、リハーサルを含めてがっつり動いたので全身に疲れが溜まってしまって。そうしたら、すずちゃんが京都で有名な麹風呂のお店を教えてくれたんですよ。そこに一人で行ってきました」

岡田 「へえ〜……。麹風呂なんて初めて聞いたよ。俺は京都撮影には参加していないから知らなかった」

木戸 「あれ、麹だっけ!? いやいや、酵素風呂だ! 間違えちゃいました(笑)」

岡田 「だよね! 変だと思ったよ! 京都は漬物が有名だけど、さすがに人間は漬けないでしょ(笑)。で、酵素風呂で疲れは取れたの?」

木戸 「ばっちりリフレッシュできました! 砂のようにサラサラした米ぬか酵素で体を包み込んでくれるのですが、ぽかぽかして気持ちいいし、終わった後も体にほのかに甘い香りが残るので、身も心も癒やされてしまいました」

岡田 「今回の撮影中、大聖は役作りで食事節制を頑張っていたので、僕から食事に誘うのを控えていたんですよ。だからクランクアップした後にご褒美感覚で一緒に焼き肉を食べました。ゴルフに行ったこともあります」

──ちなみにゴルフの腕前に差はあるのでしょうか?

木戸 「ちょうど同じぐらいですよね?」

岡田 「そうそう。僕のスコアが上回る日もあれば、逆の日もあって。同じぐらいのレベルだからライバルのような感覚で楽しみながら競い合えるんですよ」

──劇中では才能を認め合う仲間であり、恋敵でもある関係を演じましたが、お互いに俳優として羨ましい部分はありますか?

岡田 「大聖は愛されるんですよ。それに、僕よりしっかりしています。そこは本当に羨ましいですね」

木戸 「いやいや、さっき恥ずかしい言い間違いをしたばかりです(笑)。全然しっかりしていないですよ」

岡田 「言葉のミスなんて、俺は数えきれないほどやらかしてきたよ(笑)」

木戸 「『愛される』というお言葉に関しても僕なんてまだまだです。小栗旬さん世代の先輩とご飯に行かせてもらうことがあるのですが、そこに将生さんがいると、羨ましいくらいいじられているんですよ。僕のような年下ともフラットに接してくださるし、本当に器が大きい人だと思っています」

岡田 「先輩として威厳を示すために、明日から大聖への対応を変えようと思います……(笑)」

木戸 「なんで!? 称賛しているのに(笑)。またゴルフ行きましょうね!」

【木戸大聖×岡田将生】年齢の壁を超えて惹かれ合う才能。映画『ゆきてかへらぬ』で共演した2人は私生活でもライバル!?

PROFILE

木戸大聖

1996年12月10日生まれ。福岡県出身。2017年、ドラマ『僕たちがやりました』で俳優デビュー。2022年、Netflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』で一躍注目を集め、昨年はドラマ『9ボーダー』、『海のはじまり』などの注目作に出演。1月期のドラマ『バニラな毎日』では秋山静役を演じている。

PROFILE

岡田将生

1989年8月15日生まれ。東京都出身。2006年にデビュー以降、数々の映画やドラマで活躍。近年は映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』、『ゴールド・ボーイ』、『ラストマイル』などに出演。1月期のドラマ『御上先生』では槙野恭介役を演じている。

◆作品インフォメーション映画『ゆきてかへらぬ』

映画『ゆきてかへらぬ』

大正から昭和初期の京都と東京を舞台に、実在した女優・長谷川泰子(広瀬すず)と詩人・中原中也(木戸大聖)、文芸評論家・小林秀雄(岡田将生)という男女3人の愛と青春を描いたドラマ。『探偵物語』や『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』の名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりに長編映画のメガホンをとり、『ツィゴイネルワイゼン』の田中陽造が脚本を担当。2025年2月21日公開。

撮影/岡田健 スタイリスト/富田彩人(WhiteCo)(木戸さん分)、大石裕介(岡田さん分) ヘアメイク/石邑麻由(木戸さん分)、小林麗子(岡田さん分) 取材・文/浅原聡

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