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「アルツハイマーのリスクを53%下げ体重も減る」つらくないと話題のダイエット法を米管理栄養士が解説

  • 2025.2.23

インターネットを席巻している最新のダイエットは、2週間で体重が5kg減ることやデトックスが終わることを約束するものじゃない。でも、代わりにアルツハイマー病のリスクを大幅に下げ、ついでに体重を減らしてくれると言われたら? しかも、そこには科学的な裏付けがある。

米ラッシュ大学メディカルセンターの研究論文によると、地中海式ダイエットとDASHダイエット(高血圧を抑えるための食事法)のハイブリットであるMINDダイエットでは、アルツハイマー病のリスクが平均53%低下する。これは決して悪くない数字。

そのうえ、このMINDダイエットは『USニューズ&ワールド・レポート』誌の“米国で最も続けやすいダイエット”に選ばれた。ダイエットは長く続けるほどメリットが大きくなるものなので、これは朗報と言えるけれど、一体全体どんな仕組みで前述のような効果が出るのだろう? 専門家に話を聞いた。

MINDダイエットの概要

MINDダイエットは“Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay”の略で、地中海式ダイエットとDASHダイエットを組み合わせて神経変性を遅らせる食事法。そのためMINDダイエットでは、地中海式ダイエットとDASHダイエットの両方に含まれる、脳に良い10種類の食べ物(葉物野菜、その他の野菜、ナッツ、ベリー、豆、全粒穀物、魚、鶏肉、オリーブオイル、ワイン)を重点的に摂取する。逆に控えるべきなのは、赤身の肉、バターやマーガリン、チーズ、ペストリー、スイーツ、揚げ物やファストフード。

米クリーブランドクリニックに所属する公認管理栄養士のケイト・パットン氏によると、MINDダイエットはバランスがとても良い。「低脂肪のタンパク質、心臓と脳に良いオメガ3脂肪酸、抗酸化物質、食物繊維が豊富なだけではありません。砂糖、飽和脂肪、トランス脂肪が少ないため、体内の炎症が減り、認知症の予防にも役立ちます」。科学情報誌『Nature』に掲載された2015年のレビュー論文によると、体内の炎症はアルツハイマー病の発症を誘発し、進行を早める可能性がある

MINDダイエットのガイドライン

MINDダイエットのガイドラインは非常に緩く、適度であれば、ほぼ何でも食べられる。それに、ときどきルールを破ったからといって世界が終わるわけじゃない。ラッシュ大学の研究では、MINDダイエットのガイドラインを厳密に守らなかった人でも、アルツハイマー病のリスクが35%低下した

MINDダイエットで控えるべき食べ物

赤身の肉:1週間に3回まで。

ペストリーとスイーツ:1週間に4回まで。

バター、マーガリン、チーズ、揚げ物、ファストフード:1週間に1回まで。

MINDダイエットで推奨される食べ物

毎日:全粒穀物を1日3食、葉物野菜のサラダとその他の野菜、ワイン1杯を摂取する。調理油には、できるだけオリーブオイルを。

ほぼ毎日:ナッツを間食にする。

2日に1回:半カップの豆を食べる。

少なくとも週に2回:鶏肉と半カップのベリーを食べる。

少なくとも週に1回:魚を食べる。

他のダイエットとの違い

MINDダイエットは、他のクレイジーなダイエットに比べてかなりシンプル。1日の摂取カロリーや食事の時間帯が決まっているわけでも、間食についてのルールや排除するべき食品群があるわけでもない。パットン氏によると、これはMINDダイエットで重視されるのが、脳に良い食品の摂取量を増やして、脳に悪い食品の摂取量を減らすことだけだから。“ダイエット”というより“ライフスタイル”に近いことも、続けやすさと人気に貢献している。

MINDダイエットの追加特典

このダイエットで重視されている食品は、体重を減らすのに役立つことも分かっている。そもそも、スイーツ(砂糖)と揚げ物(トランス脂肪)の量を減らして、野菜と全粒穀物の量を増やせば、ほとんどの人は自然と体重が減るはずなのだ。実際、2015年の研究によって、食品添加物は体内の炎症と体重の増加につながることが明らかになっており、栄養学専門誌『Journal of Nutrition』掲載の研究結果は、精製穀物から全粒穀物に切り替えると、体重と体脂肪が減ることを示している

でも、MINDダイエットで体重を減らしてリバウンドを防ぐには、いくつかルールを追加する必要があるとパットン氏は言う。まずは分量に注意すること。例として、健康な食材の代表格であるオリーブオイルは大さじ1杯で119kcalと高カロリー。「ヘルシーな物も食べすぎれば体重の増加につながります」。わざわざカロリーを計算する必要はないけれど、ヘルシーな食品が全て低カロリーとは限らないことを覚えておいて。結局のところ、摂取カロリーを消費カロリーより少なくしないと体重は減ってくれない。

次のルールは、食事でも間食でも糖質をタンパク質と組み合わせること。パットン氏によると、MINDダイエットで重視される全粒穀物やフルーツには、満腹感を与えて血圧を調節する食物繊維が豊富に含まれているけれど、タンパク質には食物繊維の働きを倍増させる力があるそう。タンパク質は消化に時間がかかるだけでなく、パワフルな満腹ホルモンを分泌させてくれるので、シュガークラッシュと食べ物に対する強い欲求が減り、健康的な体重を手に入れて維持するのがラクになる。

※この記事はアメリカ版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: K Aleisha Fetters Translation: Ai Igamoto

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