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「疲労回復」「睡眠」に効果的な入浴法バスタイムを明日の活力に!

  • 2025.2.27

一日の終わりのバスタイムは癒やしのひととき。入浴は疲れをやわらげるだけでなく、入眠を促すためにも有効です。疲れを取り、よい睡眠につなげるための入浴方法をご紹介します。

「疲労回復と入浴」の関係

あたたかい湯船につかるとリラックスでき、疲れがやわらぐように感じるのはなぜでしょうか。

3つの作用で疲れがやわらぐ

湯船につかると「温熱」「水圧」「浮力」という3つの作用で血流促進効果やリラックス効果が得られます。

● 温熱作用
あたたかいお湯につかると血管が開いて血流がよくなります。血流がよくなると体のすみずみまで酸素や栄養分が届くとともに、老廃物が回収されることで疲れが取れます。

● 水圧作用
体に水圧がかかることでも血液の循環がよくなります。

● 浮力作用
浮力で体重が軽くなり、筋肉や関節への負担が軽減されることで、体の緊張がほぐれてリラックスできます。

自律神経の切り替えができる

入浴は自律神経の切り替えにも役立ちます。自律神経とは私たちの意思と関係なくはたらく神経のことで、血圧などからだのさまざまな機能を調整しています。自律神経には、活動モードのときに優位になる「交感神経」と、リラックスモードのときに優位になる「副交感神経」があります。
 
交感神経と副交感神経は交互にバランスよく働くのが理想。夜に優位にしたいのは副交感神経であり、そのために役立つのが入浴です。40~41度のぬるめのお湯につかるとリラックスできて副交感神経が優位になります。ただし、42度以上の熱いお湯だと交感神経が優位になるので注意しましょう。
 
50代女性の多くは忙しさやストレスなどから交感神経が優位な状態に傾きがちです。50代女性に多い更年期障害も、自律神経の乱れが関わるといわれています。夜はバスタイムをうまく活用してリラックスモードに切り替えましょう。

「睡眠と入浴」の関係

睡眠の問題が慢性化するとさまざまな病気のリスクが高まることも明らかになっています。ここでは睡眠と入浴の関係を見てみましょう。

深部体温が下がると眠りが訪れる

まずは睡眠のメカニズムについて。睡眠と体温には深い関係があり、わたしたちは深部体温(脳や臓器など体の奥深くの体温)が下がるときに眠りが訪れます。
 
深部体温は手足など皮膚の表面から熱を放散することで下がります。深部体温が下がるときは相対的に皮膚や手足の体温(皮膚温)が上がります。このとき、皮膚温の上昇が早いほどスムーズに眠りにつくことができます。

入浴後は熱が放散されて眠りがスムーズに

よりよい睡眠のためには就寝前の入浴が有効です。湯船につかると血行がよくなり、一時的に深部体温が上昇します。しかし、入浴後は血管が開いて熱が放散されやすい状態になっています。
 
つまり、入浴で深部体温を上げるとともに熱が放散されやすい状態をつくることで、就寝時の深部体温が下がりやすくなり、スムーズな睡眠につなげることができるのです。

疲労回復&睡眠に効果的な入浴方法

疲れを取り、よい睡眠を促す効果的な入浴方法をまとめました。

「冬は就寝の30分~1時間前」「夏は就寝の1~2時間前」に入浴

季節問わず、疲労回復、睡眠の質を上げるためには、入浴は就寝90分前までと習慣化するのが理想です。
理由は
・体内リズムと生活リズムを狂わせない
・季節が違えばパジャマの厚みが違うため湯冷めや深部体温低下時間に問題がない
から。
 
また、湯冷めや冷えが気になる人は、お風呂から上がったあとすぐに保温効果のある靴下を履き、ベッドに入る直前に靴下を脱ぐ事をおすすめします。

40~41度のお湯に15分つかる

お湯の温度は40~41度に設定し、15分ほどつかりましょう。ぬるめのお湯は体への負担が少ないほか、ゆっくりつかることで深部体温をしっかり上げることができます。

半身浴より全身浴がおすすめ

お湯につかるときは、おへその上までつかる半身浴よりも、肩までつかる全身浴がおすすめです。全身浴は半身浴よりも体があたたまり、血流もよくなり、より高い疲労回復効果が期待できます。
 
半身浴は体への負担が少ない分、入浴で得られる効果も少なくなります。心臓が弱いなど、半身浴をすすめられている人は医師の指示に従いましょう。

入浴剤を活用しよう

バスタイムの効果を高めるには入浴剤を活用するのもおすすめです。血管を広げて血流をよくする「炭酸ガス系」や、保温効果や血流促進効果のある「生薬系」の入浴剤はからだをあたためる効果があります。また、香りのついた入浴剤は好きな香りを嗅ぐことでリラックス効果が期待できます。

「熱中症」と「ヒートショック」を防ごう

入浴中に気をつけたいのが「熱中症」と「ヒートショック」。ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が乱高下して心筋梗塞などを引き起こすことです。
 
入浴前の水分補給は熱中症とヒートショックの予防に役立ちます。また、ヒートショックは家の中の温度差を小さくすることも重要なため、入浴前に脱衣所と浴室をあたためておくことも有効です。

「湯冷め」に注意しよう

入浴後は油断して「湯冷め」をしないよう注意を。湯冷めを防ぐには次のことを心がけましょう。
● 寒い季節はバスルームでからだを拭く
● すぐに髪を乾かす
● 冷たい飲み物やアイスクリームなどを避け、あたたかい飲み物を飲む
● 汗などで衣類が濡れたら寝る前に着替える

(まとめ)
入浴は疲労回復やよい睡眠のほか、更年期に乱れやすい自律神経を整えるうえでも役立ちます。バスタイムをうまく活用して明日の元気につなげましょう。

この記事の監修者

睡眠健康指導士/入浴指導士

大久保早絵

大久保早絵

大阪を中心に展開する睡眠の改善を目的としたサロン「快眠ほぐしサロンすいみん」の統括マネージャー。サロン運営のみならず、アロマや入浴剤のプロデュースや、快眠をテーマにした温泉旅館「御宿コトブキ」のサービス監修にも携わっている。

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