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タイのスイス “Khao Kho” に潜む幻想郷 あなただけの原風景をここで。

  • 2025.2.26

どうも、移動時間が大好きなTABIPPO CARAVANメンバーの熊谷優季です!

3本目にしてようやく、僕が滞在しているタイのことを紹介することにしました。いま、あなたに訪れてほしい幻想郷です。

そもそも、熱帯モンスーン気候であるタイの季節は大きく分けると乾季と雨季の2つ。

11月から3月中旬ごろまでが「乾季」となり(*厳密には一番暑い「暑季」という時期も3月下旬から5月中旬頃にあります)、この時期が旅人にとってはうってつけのハイシーズンを迎えます。

晴れ渡る青空に清く澄んだおいしい空気。

朝晩は肌寒くなり羽織りものがちょうどいい季節。

そんな絶好な季節に、人生に一度は訪れてほしい場所がタイにあります。

その名も、"Khao Kho(カオコー)" 。タイのスイスと呼ばれる東北部中山間地域に佇む地域です。

かの有名なトラベル雑誌『TRANSIT』のコロナ復活タイ特集号の表紙となり(TRANSIT57号 やっぱりやっぱりやっぱりタイが好き!)、一躍注目を浴びるも、なかなか情報がなく、カオコーへ辿り着けた方はそう多くはないのでしょうか。

完全オフシーズンである雨季ど真ん中の9月上旬に、不思議で異様な雰囲気漂うカオコーを目指して。

チェンマイから列車に飛び乗り、旅に出ました。

そう、あえて、このローシーズンである雨降り止まぬ季節に。

それでもみたい景色があったから。

まずは、中継都市ピッサヌロークへ

目的地であるカオコーへ行くには、まずその中継地点であるピッサヌロークという中部、東北部、北部を交差的につなぐ都市へ向かいます。

このピッサヌロークには、タイでもっとも美しいと言われている仏像が有名なお寺があります。このお寺にもぜひ足を運び、この後の旅の良好をぜひ願ってきてください。

Wat Phra Si Rattana Mahathat Woramahawihan

行き方①:チェンマイから電車で向かう

時刻表は国鉄HPからチェックすることができます。

また国鉄の予約は公式アプリD-ticket(Google Play, App Store)からも簡単にオンラインで予約を取ることができるため、事前に席を押さえておいてもらうことを強くおすすめします。

僕は、チェンマイから夕方17:00発、深夜23:53着の便でピッサヌロークへ向かいました。 (料金:340バーツ、2等リクライニングシート/エアコンなし )

Phitsanulok駅 駅舎

行き方②:バンコクから電車で向かう

バンコクからも深夜発、早朝ピッサヌローク着の便が走行しています。

①でご紹介した国鉄HP及び公式アプリからぜひチェックしてみてください。

行き方③:チェンマイからバスで向かう

ピッサヌロークへはバスでも向かうことができます。

バスの予約はこの12GOというバス予約サイト(アプリもあり!)がおすすめ。

バスは電車とあまり変わらない値段で乗流ことができ、さらに走行本数も多いのが魅力。電車と比較しながらちょうど良い時間を見つけてスケジュールを考えてみてください。

バスターミナルで直接チケットを購入するよりも、オンラインでの予約購入は手数料が70バーツ程プラスで含まれますが、おおよその価格は、400~600バーツ前後なので、手数料が含まれたとしても大変良心価格です。

行き方④:バンコクからバスで向かう

バンコクからもバスでピッサヌロークへ行くことができます。北部行きのバスがたくさん出ているモーチットバスターミナルからの出発がおすすめです。

バンコクからもおよそ片道400バーツ程度。

ピッサヌロークの駅近イチ推しゲストハウス「Karma Home Hostel」

中継都市・ピッサヌロークに到着したのは23:53。

深夜着の場合はピッサヌロークで一泊し、一休みしてから、カオコーへ向かうのがおすすめです。そんなピッサヌロークでの滞在にぜひ宿泊してみてほしい宿があります。

ゲストハウス「Karma Home Hostel」です。

Arrive late leave early! by Mark @Karma home hostel.

オーナーさんは、タイ在住歴20年以上の大ベテラン。

周辺の観光地や交通手段などを地図や掲示板、時刻表を見せながら最新の現地情報をたくさん共有してくださいました。行きたいところにもGoogleマップに直接ピンを立ててくれるという……なんとも優しすぎる対応。

チェックイン時も電車の到着時間の都合で深夜24時を過ぎてしまうにもかかわらず、事前にBooking.comを通してWhatsAppを教えてくれ、遅れてしまうことを伝えるとゲストハウスに到着するまで待っていてくれていました。そのほかにもチェックイン時のパスポート提出をした時に、オーナーさんと誕生日が同じと言う縁を感じる出来事まで起こりました。

そんなご縁から、帰り際、旅のお供である『Motto book』にも一筆いただきました。

Motto bookについての記事はこちら

Karma Home Hostel

なんとも至れり尽くせりなサービスに大満足でしたが、さらに宿泊料金も旅人には嬉しい価格。4人部屋のドミトリー(エアコン付き)で一泊なんと、350バーツ(日本円で約1500円ほど)……!

ゆっくり休むことができ、立地の良さも申し分なく(駅から徒歩10分、先述した有名なお寺にも徒歩10分)、とってもありがたいゲストハウスでした。

ピッサヌロークへ中継地点としてお寄りの際は、ぜひこちらのゲストハウス利用してみてください!

ピッサヌロークからいざ、カオコーへ

ゲストハウスで教えていただいたカオコーまでの現地情報

いよいよ、ピッサヌロークを後にして、向かうは目的地であるカオコーです。

カオコーへはピッサヌロークからGrabタクシーで直接向かうことにしました。 (タイでの街移動は圧倒的にGrabやBoltといった配車アプリの活用が便利。ほぼタイ全国どこへでもこういった配車アプリを使って移動ができます)

ピッサヌロークからカオコーまでは片道およそ2時間半で1000バーツほど。

僕は今回友人と3人で旅をしていたため、Grabを利用しました。

日本に比べるとタクシーの価格が格段に安いため、長距離移動の場合でも複数人での移動であればタクシーがお財布にも優しくおすすめです。

幻想郷の地 "Khao Kho"へ

ただひたすらにまっすぐ伸びた道のりを走ること約2時間。

ついに最後の坂を登っていき、現れる丘の主。

ついに、あの幻想郷へ、たどり着きます。

タイのスイス"Khao Kho"。雨季でこそみられる原風景

なぜ、このオフシーズンと言われるこの時期にここへ来たかったのか。

それは、一瞬の晴れ間をいつよりも誰よりも幻想へ惑わせる風景がそこには現れるのだから。

天空のようでいて先の見えぬモヤのようで、しかしそこには希望が必ず待っていると。

幻想的な「Wat Phra That Pha Sorn Kaew」

どうしてもカオコーで一夜を過ごしたかった理由。

それは、ここでしか見ることのできない「Wat Phra That Pha Sorn Kaew(ワットプラタート パーソーンケーオ)」をこの目に焼き付けたかったからでした。

雨季の間に佇む仏像。ふとした瞬間、突如霧が晴れ渡り。姿を現す。

あまりにも幻想的な仏像。それを見ていると現実と幻想の境界が曖昧になっていきます。

なぜ、ここにいるのか。

どうして、存在しているのか。

何のために、歩みを止めているのか。

禅問答が全身を掠めてゆく。

そこに答えはなく、ここに在ることがすべてである。

僕は、そんな瞬間を、「幻想」と「生」を肌で感じとりました。

ありのままを受け入れること、この刹那を大切に過ごすこと。

この景色を思い出すことで、この先何かあった時にも、ふと我にかえることができるのではないか。

不思議な空間で、そんな不思議な気持ちになりました。

主人の内部にはピンクの衣が装飾された貴重な寝釈迦

新たな巨大建造物を建築する計画も進められている

改装仏塔も幻想と現実の境界で見るものを惑わせる

仏塔の中に佇む空間 ステンドグラスに宇宙が煌めく

そして、どこかで背中を押してくれているような、心強い視線が僕を見守ってくれているかのような気持ちにもなりました。

自然とみなぎる「何か」が、確かにワットプラタート パーソーンケーオには潜んでいました。

宿泊先:Moonlight Chateau (มูนไลท์ ชาโต้)

メルヘンにたたずみ、幻想的な風景の一部と化していた宿「Moonlight Chateau」。

今回の宿泊先は、事前に SNSを通して予約・先払いをしてからの宿泊でした。

乾季になると周辺の人気宿はかなり予約が取りづらくなるので、早いうちからの予約をおすすめします。

また、リゾートホテルが多いこともあり、価格もそこそこお値段の良いものが多いため、安く済ませたい旅人の方には、ぜひ、今回ご紹介する宿に泊まってみてください。

このホテルの予約方法はFacebookからの問い合わせ。有名予約サイトを通さない分、手数料がかからないためほか宿泊施設と比較しても抑えることができます。また、この宿は比較的空きがあるそうなので、なかなか宿が見つからない場合も、一度問い合わせてみてみると良いかもしれません。

今回宿泊したのは、ヴィラタイプ(ダブルベッド1台、シングルベッド2台)で3人宿泊可能なお部屋。料金は、一泊2800バーツでした。

部屋からは直接お寺が眺望でき、立地もお寺エリアまで徒歩10分というとても快適かつ思う存分幻想郷を満喫できるベストスポットです。

雨季のユートピアへ。誘い浸る旅

翌日は、ホテルの方にお願いして1日クルマをチャーターできないか交渉しました。結果的に丸一日カオコーを自由に回ってくれたのちに、そのまま、ピッサヌロークまで送り届けてくれるように車を手配していただくことができました。 (カオコー1日チャーター1200バーツ、カオコーからピッサヌローク:1000バーツ+ガソリン代600バーツ=総計2800バーツ,参考までに現在のガソリン価格はおより35バーツ/L程)

一日カオコーを回ったので、見つけたおすすめスポットを紹介しようと思います。

カオコー1番の眺望カフェ「Pino Cafe」

どうしても食べたかった BUTTER CROISSANT

カオコーイチオシの眺望カフェ「Pino Cafe」。

雨季に佇む雲霧に黄昏ながら、雨季特有の空気を堪能しながら少し華やかなブランチを。

入店時のテラス席からの眺望の様子

「Pino Cafe」はハンバーガーやその他アメリカンブランチやドリンクメニューも豊富。開店時間いつきても満喫できるカフェです。

一瞬のこのひとときに固唾をのむ

アルプスの少女ごっこは、"モンケー (ม่อนแกะ)"で。

タイのスイスと言われる「カオコー」。ここにはアルプスの少女気分を満喫できる場所があります。

羊農場"モンケーカオコー(タイ語でモン:北部の方言で山、ケー:羊)"。

僕たちが訪問した時は雨季の洗礼を受け、羊たちは古屋へ避難させられてしまっていました。ただ羊が避難していなかったため、入場料フリーで農場に入ることができました。

20~30分羊なきアルプスごっこをしていると日差しが差し込み出し……

なんと、突如の羊解放。

無事にタイのアルプスで少女のように羊と戯れることができました。

これをこの雨季の絶妙な季節に味わえる幸福感といったら……!なんとも言えないラッキー感……!この地を好きになってしまう瞬間になりました。

傘も投げ飛ばしちゃう微笑みの雨季

大迫力に大豪雨 ゆれる風力発電村「Rai GB Wind Turbine Farm, Khao Kho」

道中は豪雨に打たれながらも、奇跡的な晴れ間の間にたどり着いたのが「Rai GB Wind Turbine Farm, Khao Khom(カオコーのライGB風力発電所)」。

風力発電ツアーに1人60バーツで参加することができます。ツアーは観光用カートに乗って。

途中に写真スポットがいくつかあり、そこで乗り降りできるようになっています。観光用カートがいくつか巡回しているため、タイミング良く回ってきた観光用カートにで乗り込んで移動をすれば大丈夫。自分のペースでゆっくりと写真を撮りながら各スポットでくつろぐことができます。

「カオコーのライGB風力発電所」で風を切る音色をぜひ感じてみてください。

雨雲の影に潜んでいる風力発電所の機体とこの自然と雨に馴染む空気感が、またここで物質と自然の境界線を曖昧にさせるような気がします。

乾季におすすめ!カオコービューポイント「Khao Kho Viewpoint」

乾季には池の上に早朝雲海が現れるという、現地で有名なビューポイントがあります。

ここは乾季がおすすめです。乾季の気温がぐっと下がる時期にならなければみられない景色なのです。

僕が訪れたのは雨季なので、もし2度目の訪問で「Khao Kho Viewpoint」に訪れたその際は、記事に追記して幻想へのお裾分けをさせていただきますね。

とはいえ、雨季でも一瞬雨が止む時に、幻想的な風景を見ることができます。

季節噛み締める醍醐味を。

帰路の夕焼けに耽る幻想現実の終焉に想う旅へ

タイの雨季はローシーズンと呼ばれます。

しかし、「ローシーズンかどうか」それを決めるのは誰でもない、旅する本人です。

季節は日々呼吸をし、二度と同じ日が訪れることはないのだから。

毎日が特別です。

同じ場所に再び訪れたとき、新しい醍醐味を見つけてみてください。

かつて、あの時、あの季節に出会ったあの瞬間。

この幻想の地、タイで感じてみてください。

旅の帰路には、きっと、また来たいなと思えるはず。

旅を重ねていけることも人生の醍醐味です。

そうして、旅は再び続いていくのだから。

***

ぜひ、この乾季の時期に、そして次の雨季の季節にも。

タイのスイスは"Khao Kho(カオコー)"へ訪れてみてはいかがでしょうか。

きっと、そこにはあなたにしか出会えない幻想郷が待っているはず。

All photos by Yuki Kumagai

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