【天神】福岡市民ホール中ホールの初回公演は福岡発の豪華コラボ演劇！

2025.2.26

60年にわたり市民に親しまれてきた福岡市民会館を継承する施設として、2025年3月28日にオープン予定の「福岡市民ホール」。約2000席の大ホール、約800席の中ホール、多様な用途に対応する小ホールを備えるなど、福岡の新たな文化振興の拠点となりそうです。

福岡が誇る演劇集団「ガラパ」×松居大悟率いる「ゴジゲン」×福岡在住ミュージシャン・小山田壮平

中ホールの初回公演は、4月4日（金）～6日（日）の「見上げんな！」。その関係者による記者会見が、1月に開催されました。

この作品は、福岡を拠点に活動する「万能グローブガラパゴスダイナモス」（通称ガラパ）の川口大樹さんが脚本を、映画監督としても活躍する松居大悟さんが演出を、福岡市在住のミュージシャン・小山田壮平さんが音楽を手掛けます。

冒頭に、市民ホール開業準備室運営責任者の福島さんが「最初はやはり福岡で一番頑張っていらっしゃる劇団に飾っていただきたい、と招へいしました。何十年にもわたって語られるすばらしい作品となることを期待します」とあいさつしました。

福岡のホールで福岡発の作品を上演することに意味がある

続いて会見には、ガラパの主宰・椎木樹人さん、川口さん、松居さんが登場。

椎木さんは「中ホールは、より演劇にフィットする会場で、初回公演をさせていただけるのはとても光栄。ガラパが福岡にこだわって20年やってきた結果かなと思っています。福岡で生まれた作品を、福岡のみなさんのために届けたい」と笑顔。椎木さんは川口さん、小山田さんと同じ高校出身で、松居さんとはヨーロッパ企画の公演を手伝った時に楽屋で知り合ったそう。

「いつか4人で作品を作るのが個人的な夢でした。このメンバーは、キャストもスタッフも、福岡ゆかりの福岡大好きな人で、僕自身が絶対的に信頼できるメンバーを集めました。福岡で寝食を共にし、福岡でしか作れない作品を作りたい」と熱く語りました。

川口さんは、脚本について説明。「ストーリーを簡単に言うと、『元アイドルが卒業して映像作家を目指すが鳴かず飛ばず。MVを撮ってほしいと言われ、期待して行ったら、やる気のないおじさんバンド。でも福岡の街を知りながらMVを撮っていくことで、おじさんたちも再生して一歩を踏み出す。それにまつわるいろいろな人の群像コメディ』です。僕はいつも福岡をイメージした架空の街の脚本を書くんですけど、今回の設定は実際の福岡の街です」と話しました。

ちなみに福岡公演の後は東京・大阪にも行われますが、博多弁や街の設定はそのままとのこと。

「東京、大阪の人にも福岡の街を感じてもらえる作品になったらいいな」と語る川口さん（左）。中央は松居さん、右は椎木さん

「見上げんな！」というタイトルの意味は、「福岡に住んで20年活動していると、“プチ東京”のようなところがあるが、福岡ならではの素晴らしいものも多いと思う。卑下する必要はない。この作品も未練を抱えた登場人物がたくさん出てくるが、届けないものを見上げるのではなく、前を向いて新しい人生にいこうということを込めて」と川口さん。

松居さんは、「ぎょうぎの良い作品にはしたくない。観客を“刺し”に行こうと思います。母（コラムニストや画家・風水実践家等で活躍中のトコさん）に観せてもらった衝撃的な演劇体験があったから、演劇の道に進んだ。人生に迷っている人たちにとって、この作品が何かをやろうと思えるきっかけになればうれしい」と話しました。

3人のコメントの後は、出演者6人が合流し、あいうえお作文」で自己紹介するなど、初対面とは思えない和やかな雰囲気でした。