『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』(2024)を巡るセクハラと中傷キャンペーンでブレイク・ライブリーに提訴され、彼女と夫のライアン・レイノルズを名誉棄損と恐喝で反訴したジャスティン・バルドーニ。以前から予告していた関係者間のやり取りを公開するウェブサイトを立ち上げ、プロモーション失敗の責任は自分にあると公式に認めるよう、ライブリーとレイノルズから求められていたことを明らかにした。
同作は、2024年8月にアメリカ公開される前から、主演のライブリーや原作者のコリーン・フーヴァーらが、バルドーニと一緒にプロモーション活動を行わないことが注目を集めた。ライブリーは昨年末に起こした訴訟で、撮影中に監督と製作、出演を兼務するバルドーニからセクハラ行為を受けたと主張。レイノルズら立ち合いの元で話し合いを行った結果、インティマシー・コディネーターを起用するなど要求は認められた。だが、バルドーニはこの事実が明るみにならないよう、彼女の信用を貶めるべく専門のPRチームが起用し、公開時に中傷キャンペーンを行ったと訴え、関係者間でやり取りされたチャットメッセージなどを証拠として提出した。
対するバルドーニは、ライブリーの訴えを否認し、彼女が映画の主導権を握るために策を講じたとして恐喝と名誉棄損、プライバシーの侵害などで損害賠償4億ドル(約621.8億円)を求めて反訴。ライブリー側が提出したチャットメッセージは、都合の良いところを切り取ったものであるとし、全文とされるものを公開していたが、新たにウェブサイトを開設し、広く自身の主張を知らしめる情報を掲載。メールやチャットのやり取りを交えて、事の成り行きを時系列に沿って説明している。
このウェブサイトでは、映画のプロモーション中に不当な立場に立たされて激怒したライブリーが、夫のレイノルズとともにバルドーニと彼の映画制作会社のために書いたとされる声明文を公開。声明には、「『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は撮影中に問題があり、その責任の所在はすべて我々にあります。公私にわたり不快な思いをさせてしまった皆さんにお詫びいたします」と書かれ、次のように説明されている。
「ブレイク・ライブリーとコリーン・フーヴァー、キャストとスタッフ全員が、プロ意識を持って制作にあたってくれました。彼らに対する否定的な反応は、すべて我々の責任です」「キャストが個別にプロモーション活動を行うことは合意の上であり、その理由も理解しています」「責任は我々にあります。これが我々の仕事であり、他の誰の仕事でもありません。言葉に責任を持ちます。この経験から学び、成長しています。関係者の皆さんの忍耐に感謝いたします」
ウェブサイトで公開された法的文書によると、ライブリーとレイノルズは、バルドーニと彼の制作会社の声明としてこれを発表するよう要求し、拒否すれば争いを意味すると示唆。しかし、バルドーニとチームは発表を拒否したそうだ。ライブリーの訴訟を受け、ライブリーとバルドーニ双方を担当していた大手エージェントWMEは、バルドーニとの契約を解除したが、この時点では、この声明文は「曖昧で、実態を伴わずして法的責任を暗示しており、目の前の問題に対処するものではない」という彼らの意見を支持していたそうだ。
Text: Tae Terai
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