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【三山凌輝】強迫性障害を抱える主人公を熱演!映画『誰よりもつよく抱きしめて』の見どころ【インタビュー】

  • 2025.2.4

俳優として、BE:FIRSTのメンバー、RYOKIとして大活躍の三山凌輝さん。最新出演作は、新堂冬樹の同名純愛小説を、乃木坂46の久保史緒里さんとのW主演で映画化した『誰よりもつよく抱きしめて』。作品への想いや見どころなどを聞きました。

Profile:三山凌輝
みやま・りょうき 1999年4月26日生まれ、愛知県出身。俳優として、ドラマ、映画、舞台など多くの作品に出演。近年の主な出演作に、映画『HIGH&LOW THE WORST X』(22)、ドラマ「往生際の意味を知れ!」(23/MBS)、「生理のおじさんとその娘」(23/NHK)、「虎に翼」(24/NHK)などがある。一方で、2021年からダンス&ボーカルグループ、BE:FIRST のメンバーRYOKIとしても活躍。

苦悩する良城を演じていて不思議と気持ちが軽くなった

2024年は連続テレビ小説『虎に翼』の主人公の弟役での演技が話題を集め、BE:FIRSTでの活躍はもちろん、俳優としても大きな飛躍を遂げた三山さん。最新作『誰よりもつよく抱きしめて』では、強迫性障害による潔癖症で、大切な恋人と手すら握れず、苦しむ絵本作家の主人公、良城を演じる。

「役に向き合えること自体が、役者冥利につきると思います。この作品については、僕の普段のイメージとはかけ離れている役だったと言ってくださる方が多いんですけど、確かにそういう意味でいうと、普段表に出ているエネルギッシュな自分とは真逆な部分があると思います。実際に良城という役と向き合って、共感することはたくさんありました。楽しいとか悲しいとか、台本を読んで、良城の目線で思うと理解できることもありました。僕だったらこうはしないのにな、という部分もあるんですけど、役者としてただただ共感して、共存して、距離を近づける術として、彼の気持ちに寄り添っていきました。もともと僕はキレイ好きなんですけど、撮影中、潔癖症のような感じになったのは、すごく役に近づいたんだな、と感じましたね。ドアを萌え袖で開けたり、壁に触れなくなったり、ちょっとした変化がありました」

この作品の撮影中、三山さん自身、いろんなことを深く考える時期だったと振り返る。良城という役を演じる上では寄り添いやすく、三山さん自身も救われる部分があったという。

「この役を演じていた時、いろんなことを考えるようなタイミングでした。より良城との感情をマッチさせやすい時期で、役者としては良かったなと思いました。超元気溌剌!!という役でなくて、逆に良かったです。明るい役だったら、目の奥だけ笑ってなかったかもしれない(笑)。良城を演じていて、不思議と僕の気持ちが軽くなったんですよね。難しい役でしたが、良城という役を通して、自分の奥にもあるような部分にベクトルを向けることで、ナチュラルにお芝居に注ぎ込めて、エネルギーをいい方向に循環させられたと思います。良城の人生に入れてる間、とてもありがたかったです」

日常のなかで生まれる感情を大事にしたヒューマンストーリー

もう一人の主人公、絵本専門店の書店員で良城の恋人、月菜を演じるのは、乃木坂46の久保史緒里さん。そして、月菜に惹かれる青年役に、韓国のアイドルグループ「2PM」のファン・チャンソンさん。3人ともアーティスト活動をしているという共通点があるが、現場はどんな空気感だったのだろう。

「僕は基本的に久保ちゃんとのシーンが多かったんですけど、チャンソンとも共演シーンが少しあって、それぞれと仲良くなりました。ある日、久保ちゃんとチャンソンの2人が現場に先に入って、後から僕が追いかけて現場入りした時、見たことない2人がいたんです(笑)。2人とも静まりかえっていて。「えーどうしたの?」っていつも通り話しかけたら、お互いに人見知りを発動していたっていう(笑)。なんか「くすぐったいな」と思って(笑)、そこから3人で話を広げて、久保ちゃんが「チャンソンさんってそんな人だったんですか?」って言い出したり、チャンソンも「久保ちゃんそんな喋るんだ?」って驚いて。僕が2人を楽しくできればないいなと思ったんですよね。2人とも面白いし、僕自身が2人ともそんなんじゃないじゃん!って嫌なんですよね」

取材時も、周囲を気遣い、明るいムードで場を盛り上げてくれた三山さん。この作品では、そんな彼の素は封印。強迫性障害による潔癖症に苦しんで悩み、生きることに不器用な青年を見事に体現して、俳優としての存在感を見せつける。

「この作品は恋愛がテーマですが、人間関係のもどかしさや葛藤を描いたヒューマンストーリーだと思います。人を理解したいけど、手が届かなかったり、理解度がお互いにズレていたり、自分のことを逆に棚に上げてしまうとか、そういうことはよくあると思うんですよね。そこで生まれてくるズレとか、理解し合えないもどかしさ、苛立ちなどの感情の変化だったり、摂理みたいなものがすごく詰め込まれていて、人の本質を捉えていますし、流れに沿った感情というものを大事にした作品になっていると思います。キラキラなラブストーリーというわけではないですが、きっと心に残る作品だと思うので、ぜひ観てほしいです」

Information

映画『誰よりもつよく抱きしめて』

『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が、新堂冬樹の同名恋愛小説を映画化。鎌倉の海沿いの街で同棲する絵本作家の水島良城と書店員の桐本月菜。学生時代からの恋人同士である2人は互いのことを大事に思っているが、良城は強迫性障害による潔癖症のため常にビニール手袋を着用して生活しており、月菜にも触れることができずにいた。ようやく治療を決意した良城は、合同カウンセリングで同じ症状を抱える女性・村山千春と出会い、初めて悩みを共有できる相手に会えたうれしさから距離を縮めていく。2人の交流を目の当たりにして思い悩む月菜の前に、恋人と触れあっても心が動かないという青年イ・ジェホンが現れて……。主題歌は、BE:FIRSTの「誰よりも」。作詞はRYOKIとプロデューサーのSKY-HIがタッグを組んで手がけた。2025年2月7日より全国公開。

©2025「誰よりもつよく抱きしめて」HIAN /アークエンタテインメント

Photograph=Dai Yamamoto Styling=Yutaka Asakura Hair&Make-up=Yuji Nishimura Text=Miku Sugishima

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