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グルマン温故知新:高円寺〈極彩 椿〉フリースタイルで異彩を放つ、若き有望株

  • 2025.2.24
高円寺 極彩 椿

極彩 椿(高円寺)

フリースタイルで異彩を放つ、若き有望株

都内のミシュラン1ツ星店や京都の予約困難な名店を経て、31歳で独立した臼井雅道さん。一流店の技術や姿勢を受け継ぐハイブリッドタイプかと思いきや、若いながらも独自の理論を確立した個性派。「店の味にはそれぞれ物語があるので真似はしません。

理(ことわり)を料(はか)ると言うように、旬の食材を使った合点のいく料理を」と、あれこれ手をかけながらも、味とビジュアルはすっきり仕上げるのが身上だ。

例えばエビチリなら甲殻類のビスクをイメージし、殻で取っただしをソースに。身は硬くならないよう衣をつけて風味よく揚げ、エビの持ち味を一皿に還元する。生命線という麻婆豆腐は黒毛和牛の塊肉を手切りし、ラードは炒め油に使用。肉の旨味を凝縮させ、リッチで中毒性のある味わいを生み出す。

極彩 椿 和牛の麻婆豆腐
A5ランクの黒毛和牛を仕入れ。調理する直前にスライスし、しゃぶしゃぶ風にギリギリの火通しで仕上げる。「和牛香がすごくいい」と臼井さん。自家製のラー油を合わせ、パンチはありながらすっきり抜けるような味わい。土鍋で炊いた山形県産ひとめぼれの白米付き。料理はすべて15,000円のコースから。
極彩 椿 ナスの唐辛子炒め
半割りにして実をくりぬき、餡を詰めて揚げる。この日は桜エビ。「中国料理の衣は表面が薄くカチッと固まるので、中がトロトロになるまで長時間揚げられます」。油控えめで煎るように、ローリエと唐辛子は香りづけ。
極彩 椿 エビのチリソース
京都の魚市場で働いた経験のある臼井さんらしく天然の有頭エビを使用。「せっかくいい素材を使うので、旨味を生かしたい。ソースにはお客様が召し上がるエビの殻を使います」。エキスが凝縮したまろやかな味わい。

6席の店内は満席続き。それでも「わざわざ足を運んでもらう場所なのでおいしいものを出さないと二度と来てもらえない」とストイック。信頼していい。

高円寺にある極彩椿 東京の〈御田町 桃の木〉や京都〈齋華〉を経て独立した店主の臼井さん
東京の〈御田町 桃の木〉や京都〈齋華〉を経て独立した店主の臼井さん。
高円寺にある極彩椿 元小料理屋だった店内
元小料理屋だった店内は昭和の風情が漂う。

Information

極彩 椿

〈ごくさい つばき〉
住所:東京都中野区大和町1-65-2
TEL:070-9043-2778
営:11時30分~14時(土・日のみ)、18時~22時
休:不定休

JR高円寺駅北口から徒歩8分。2024年5月3日オープン。夜は1日2組の完全予約制。前日までに電話またはInstagram(@gokusai_tsubaki)のDMにて予約を。25年1月末までは上海蟹コース15,000円を提供。土日のみ和牛麻婆豆腐ランチ(白米お代わり自由、香の物付き)を用意。中盛り1,500円、小盛り1,200円。1人客は予約が比較的取りやすい。瓶ビール(小)500円、ハイボール800円。おまかせコース10,000円~。和牛麻婆豆腐ランチ1,200円~。カウンター6席。

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