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【戸畑区】珈琲屋 sou. -暮らしの中の非日常に寄り添うー

  • 2025.2.24

暦の上ではまだ冬のはずですが、随分と日が長くなってきました。春のような暖かさを感じられる日もあり、天気予報とクローゼットの前で悩んでいる毎日です。もう一度くらい雪が見たいかも、と思う地域特派員・ゆかりおにぎり、本日は新しくオープンしたコーヒーショップへお邪魔してきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

雨が似合う街並み

場所は北九州市戸畑区。駅からほんの少しあるいた小さな川沿いの路地、そこに"sou."があります。

まるで古くからその場所にあったかのように馴染む店構え。それもそのはず、もともとあった古民家を改装して作られた店舗でした。リノベーションにあたり、数多くを手掛けた業者さんからいただいたご提案は、全てを新しいものだけで揃えないほうが良いということ。40年前に団地で使用されていたガラスや、商店で残されていた棚をそのまま移動し、「しっくりきている」という表現が相応しい、古いものがもつ艶やかさや趣が最大限に活かされた店内となっています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

"sou."までの道のり

出典:リビングふくおか・北九州Web

店主の彰太さんは長崎県出身の32歳。コーヒーとの最初の出会いは大学生の頃、コーヒーチェーンでアルバイトをした時に遡ります。ただ、当時は教育者を志す傍らの短時間のお仕事。コーヒーに目覚めたというよりは「接客に目覚めた」時間だったと振り返ります。当時から人と接することに魅力を感じ、その視点から将来を考えていたそうです。

その想いから、大学卒業後は静岡県内の百貨店へ就職。婦人雑貨などを担当し、改めて販売の基礎や小売り業の流通などに関わります。そんなある日、「美味しい麺麭と珈琲」という催事が開催され、興味を持っていることを知っていた先輩の取り計らいで、担当外ながらも応援に行かせてもらうことが叶いました。一旦置いたままにしていたコーヒーへの想いが再燃し、その後しばらくして百貨店を退職。次のステージへと踏み出します。

同じ静岡県内の喫茶店で働いた後、珈琲屋さんに転職。そちらで日本のスペシャルティコーヒーのパイオニアとも呼べる師に仕え、珈琲の歴史と品質について徹底的に学びました。県内のコーヒーロースターでは、6年ほど店長を務め、バリスタの競技会に出場したり、専門学校の講師として壇上に立つこともあったそうです。少しづつ、自分らしさの詰まったお店作りへの形が定まってきます。

折しもその頃、コロナ渦となり店舗営業の休業が相次ぎ、「自宅で珈琲を楽しむ文化」が加速度的に流行しました。【スペシャルティコーヒー】という、素晴らしい風味特性のある高品質なコーヒーを少しでも身近に感じて欲しいという店舗の取り組みとして、 彰太さんはコーヒーにまつわるLINE相談窓口を開設。それぞれのコーヒーの価値の見出し方などアドバイスを送り、その気持ちに寄り添い続ける日々でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

北九州でゼロからのスタート

「コーヒーよりも、お客さまに接することのほうが好き」とハッキリ語る彰太さん。その後、ご自身のお店を持つに当たって大切にしたのは何より「日々の暮らしの中に、ちょっとした非日常をもたらしてくれるコーヒー、そんなコーヒーのある暮らしを提案する」ということでした。選んだ場所は北九州・戸畑。ご家族の出身地であったこと、子供達がより多くの人々と関われる温かい場所であり、周囲の方々がすんなりと受け入れてくれ、この街で街の人々が動く姿がイメージできたこと、この街の人になりたい、と心から思ったことが最大の決め手となったと教えてくれました。

1年間ほどの準備期間の間に、近くのスペースで間借り営業を開始。月に1度のコーヒー講座で"sou."の世界観を伝え、その確かな手応えを基についに2025年2月1日に常設店舗がオープンしました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

お店は、軒先でコーヒーも飲める珈琲豆屋さん。 ドリンクは常時4~5種類のコーヒーが選べ、それぞれオリジナルのネーミングと、大好きな方々に向けた産地や農園などの詳しいラベルも表示されています。ドリップだけでなくカフェラテやエスプレッソも楽しめます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

左より ドリップコーヒー・交点/カフェラテ 各600円(税込)

ドリップコーヒーでは、それぞれの豆の特徴によって淹れ方を変化させるのではなく、敢えて同じ淹れ方をすることでお客さま自身に豆ごとの特徴や違いに気づいてもらえたら、とも。

豆のこと、淹れ方のことも話を聞きながら気に入った珈琲豆を購入することもできます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ご自宅での楽しみ方もご相談ください

繋がる人々の想い

出典:リビングふくおか・北九州Web

流れるような美しい曲線で描かれたロゴは、古くからのご友人でカナダで活躍するクリエイターのHoshi Ikegami氏のデザイン。線の太さや目の位置、細部に至るまでじっくり相談しながら完成しました。男性とも女性ともとれる人物像は、店主の似顔絵ではなく、「誰でも楽しめるお客さまのひとり」をイメージして描かれています。

お隣には、創業100年を超える老舗駄菓子屋"いぬまる商店”があり、小さな子供達が毎日のように賑やかに集まっています。大人も子供も立ち寄れる一角にあるコーヒースペースとして、街に溶け込んでいけたら、という想いも教えてくださいました。

そして、これからもコーヒーに対して「当たり前のことを怠らないこと」を大切に。自信を持ってお渡しできるコーヒーをずっと作り続けたい、穏やかな笑顔でそう話す 彰太さんでした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

穏やかな日差しが差し込む、晴れた日も清々しいです

最後に、"sou."というお店の名前についてですが、「寄り添う」が由来となっています。髪を切りたくなったら美容室へ行くように、コーヒーのことを相談しに気軽に足を運んでいただき、親身になってお答えできる空間、長くお付き合いできる場所でありたいと願う、戸畑の路地に誕生した小さな素敵なコーヒー屋さんのご紹介でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

時折車も通る道ですので、安全には気をつけてご訪問を

sou.

北九州市戸畑区新川町6-8 (近隣に有料駐車場有)

営業時間11:00~18:00

定休日 日曜日

公式Instagram

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