毎日やらなければいけないことに追われ、あっという間に一日、一年が過ぎていくように感じてる? 「こんな生活を送りたい」「仕事で成功したい」自分の理想やイメージはあるのに、家事・育児や仕事を、毎日こなすだけで終わってしまう……。ホリスティックコーチのAYUMIさんによると、毎日の習慣に簡単に取り入れられて、目標を達成したり、なりたかった自分になれる手助けをしてくれる、そんなメンタル習慣があるという。今回は、その実践方法をご紹介(下記「」内、AYUMIさん)。
To Doリストを書くだけでは望む生活にはなれない
「仕事で成功しよう、毎日を完璧に過ごそうと思った時に、みなさんがよくやりがちなのは、To Doリストなど『やるべきリスト』を箇条書きにスケジュールして毎日それをこなそうとする方法です。箇条書きで書かれたリストは、そのタスクにかかる時間、必要な手順などが具体化されていないので、1日で終わらなかったり、先延ばしになったりして “何も達成できていない”という心理になりやすくなります。
リストにやるべきことをどんどん追加するのは気分がいいですが、気づけばそのリストは長くなり、それを行うと考えると無意識のうちに精神的な負担がかかっているのです。
負担とプレッシャーがかかることをこなすことではなく、本当に人生で望んでいることに集中しはじめましょう」
まずは最高の1日を “妄想”しよう!
「あなたの今日1日、どんな日だったら最高でしょうか? 朝気持ちよく起き、仕事を時間通りに完璧にこなし、自分と家族のためにご飯を作って笑顔で接する自分、でしょうか。それを妄想するだけでニヤニヤすることを考えてみましょう。最高の1日を事前に妄想することを、私は『妄想リハーサル』と呼んでいます。前向きな感情、考え方、モチベーションを生み出し実際にイメージ通りにいかせるための精神的なトレーニングです。詳しく説明していきましょう」
トップアスリートも実践している
「オリンピック選手などのトップアスリートが行う、『メンタルリハーサル』と呼ばれるトレーニングがあります。それはイメージを使う精神的なトレーニングですが、妄想リハーサルと同じこと。これは体を使わずに、ジャンプ、シュート、パス、試合の流れを想像し、感じる精神的なリハーサルのことを指します。サッカー選手であれば、試合が行われる前に精神の中で完璧なパスを出し、ゴールを決め、プレッシャーの中でも落ち着いて“すべての動きを可視化する”という方法。
スポーツ心理学や認知行動療法まで、様々な分野の研究から、定期的に目標を頭の中でイメージする人は、そうでない人に比べて目標を達成する可能性が高いことが分かっています」。
毎日が劇的に変わる
「これを聞くと、『自分はトップアスリートでもないしそんなことする必要ない』と思うかもしれません。しかしこのメンタルリハーサルを習慣にすると、やることリストに追われていた日々から、もっと楽に簡単に生きることができるようになります。『楽しい』『楽な』1日をイメージしてから1日を始めるだけで、物事がスムーズに動いていくのです」。
実は、アインシュタインも実践していた
「想像力の重要性を証明するエピソードがあります。アルベルト・アインシュタインも、『成功』を頭に思い描いてから仕事に取りかかる習慣があったと言われているのです。
まさにこれは天才物理学者も、仕事をする前に“成功すること”をリハーサルしていたということ! 彼は『あなたの想像力は、これからの人生で起こる出来事の予告編です』という言葉も残しています。自分が考えたことが未来に人生で実現されていくことを示している言葉です。
ただやることリストに追われて終わっていく日々から、事前に妄想リハーサルする習慣を身につけてより幸せな毎日を送ることを始めましょう」。
妄想リハーサルを習慣にする6つの方法
1 寝る前、もしくは起床すぐ
「最も効果が高いのは寝る前に行うことです。ベッドに横たわり深呼吸を繰り返しながら体をリラックスさせて、翌日のリハーサルをはじめてから完全な眠りにつきます。疲れて眠ってしまった日は、起床後すぐに行っても効果は高いですよ」。
2 目を閉じ5分間行う
「時間をかけ過ぎればいい、というわけではないのでタイマーを5分にセットして目を閉じて行いましょう」。
3 楽しい1日を妄想する
「朝気持ちよく起きたいなら、スッキリと目覚める自分の表情、感覚から始めましょう。そのためには、1日のやることを簡単に、楽しく快適に終わらせて気分がいい1日を想像しましょう。スーパーの買い物中にお気に入りのものを見つけて嬉しそうな自分の表情や、子供たちと余裕を持って接している自分、仕事で穏やかに対応できている風景など可能な限り想像してください。ここで重要なことは“前向な姿勢”を保ち続けることです。アスリートが常に勝利のリハーサルをするのと同様、あなたは楽しく、幸せに1日を過ごすリハーサルを行ってください」。
4 感覚を働かせる
「ただ頭の中だけで妄想するだけでなく、可能な限り、鮮明に感じてください。どんな色や光を感じますか? 空気中の匂いはどうですか? 周囲にいる人はどんな表情ですか? どんな音が聞こえていますか? あなたはどう感じていますか? 自分自身だけではなく周りの様子まで想像してみましょう」。
5 感情を感じる
「仕事がうまくできた自分、家事を完璧にできた自分、最高の1日を過ごす自分はどんな感情を持っているでしょうか。ワクワクした良い気分かもしれません。自然と笑顔になったりリラックスしているでしょう。自分の良い気分の感情を、ただ感じましょう」。
6 ゆっくりと目を開ける
「タイマーが鳴ったり、十分に良い気分になったら、最後に深呼吸をして現在に戻ります。最初は1週間に数回から始めて、毎日行うと驚くほどに仕事や家事など、やることが簡単になっているはずです」。
妄想リハーサルを実践するときのポイント
「難しく考えるより、楽しむことを忘れないでください。毎日の生活をリハーサルする時は、家を購入したり旅行に行くというような大きなことよりも、日常の些細なことに目を向けてください。
例えば『カフェで気持ちよく対応してもらって気分がよかった』『会議で自信を持って発表できた』『友達と最高の1日を過ごせた』などシンプルなことです。毎日たった5分、考えるだけでニヤついてくるようなワクワクすることを選ぶことがポイントです。
妄想リハーサルを人生に取り入れることで、人生で選択する明晰さと集中力を高めることができます。毎日でも毎週でも構いません。とにかく一貫してやり続けることによって習慣となり、気が付くと目標を達成したり、なりたかった自分になっていることに驚くでしょう。今日から取り組んで習慣術をマスターしてくださいね」