「節分の日」恵方巻を食べるようになった理由は?
2025年の「節分の日」は、2月3日ではなく2月2日です。暦がズレる影響で「立春」が1日早まり、立春の前日である節分も例年より1日早くやってきます。節分と言えば鬼退治のために行われる「豆まき」や、国民的行事食として根付いた「恵方巻」のイメージがあるのではないでしょうか? 本記事では、食べることで福を招くとされる、恵方巻の具材やルールについてご紹介します。
節分の日に恵方巻を食べる習慣は、江戸時代から明治時代に根付いたとされています。江戸時代では、節分の時期に香の物を具材にした海苔巻きを、切らずに恵方を向いて食べることで縁起を担ぐとされていました。幕末から明治にかけては、商人の商売繁盛や無病息災、家内安全祈願を願って巻物を食べたり、船場の女性が太巻きを丸かじりして願いごとをしたり、ゲン担ぎの行いとされています。
恵方巻の習慣が根付く江戸時代から明治時代にかけては、恵方巻きという名称ではなく「太巻き寿司」や「丸かぶり寿司」と呼ばれていました。1998年に大手コンビニによる宣伝戦略として「恵方巻」と名付けたことをきっかけに、全国的な行事食として広まったとされています。
恵方巻で福を招く7つの具材
恵方巻に使われる基本の具材は「七福神」にかけて「7つ」とされています。しかし、昔から言い伝えられているような決まりはなく、今ではオリジナリティのある恵方巻が数多く販売されるようになりました。
恵方巻を食べることで縁起を担ぎたい人は、七福神にあやかる7つの具材に注目してみましょう。具材をひとつずつ見ていくと、細くて長い形から長寿祈願・縁結びを意味する「かんぴょう」、かさの形が陣笠に似ているので身を守るとされる「しいたけ煮」、黄金色による金運上昇を意味する「たまご」、うなぎのぼりに通じる上昇・出世を期待できる「うなぎ」、鯛などの白身魚をほぐして作られ春を象徴する“めでたい”桜色をした「桜でんぶ」、きゅうりの名から“九の利を得る”「きゅうり」、腰が曲がるまで長生きする「えび」が、7つの具材として知られています。
恵方巻を食べるときの3つのルール
恵方巻で福を招くには、3つのルールを守る必要があります。知らずしらずのうちに破ってしまわないよう、チェックしておきましょう。
(1)「恵方」を向いて食べる 2025年の恵方は「西南西」。恵方とは歳神(年神)様がいる方角です。恵方を向いて恵方巻を食べることで、福を招くとされています。
(2)恵方巻を切らずに1本丸ごと食べきる さまざまな具材を巻き込んだ恵方巻は、たとえ七福神にちなんだ具材でなくても、福を象徴する食べ物です。恵方巻を切ることは縁起が悪いとされているので、切らずに丸ごと食べ切りましょう。ちなみに恵方巻の長さや太さは、縁起・福の良さと関係がありません。食品ロスになってしまわないよう、食べきりやすいサイズのものを選んでくださいね。
(3)しゃべらず目を閉じて食べる 恵方巻は黙食が基本です。恵方巻を食べ終わる前にしゃべってしまうと、せっかく取り入れた福が口から逃げてしまうとされています。無言で目を閉じ、願いごとを思い浮かべながら食べるようにしましょう。
【まとめ】恵方巻の具材は決まりがなく、ルールに従って巻物を食べるという行いで福を招きます。初めに豆まきで邪気や鬼を追い払ったあとに、恵方巻を食べて福を招くという流れで節分の日を過ごすのがおすすめです。
(夏木紬衣)