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【健康常識のウソ】「糖質制限よりも脂質制限の方が痩せるはず!」その思い込み、実は間違っているかも!?【南雲吉則先生の「その健康常識、実は間違っています!」】

  • 2025.2.28

 

「これって健康にいいはず」と思い込んでいることも、実は効果がなかったり、やり方によっては逆効果になってしまったりすることも。皆さんがいいと思っていた健康常識のウソを、南雲吉則先生がズバッと解説してくれます!
 
今回は、「糖質制限より脂質制限のほうが痩せる」についてのウソを教えていただきました。

  • A子さん
    油をとると太りそうなイメージ。糖質よりも脂質を制限したほうが痩せますよね?
  • 南雲吉則先生
    いいえ、それ実は間違っています!

脂質だけでは太らない!糖質と組み合わせるのがNG

―糖質と脂質、痩せたいならどちらを制限するのが正しいのでしょうか? カロリーで考えると、糖質は1gに4kcalなのに対し、脂質は1gに9kcal。一見、脂質を制限する方が痩せるには効果的なように思えます。 しかし、米、パン、めん、小麦粉、砂糖などの精製された糖質を食べると、血糖値が上昇します。それによりインスリンが分泌されて“糖輸送体”が稼働。体内の糖を脂肪細胞に押し込み、脂肪に変換してしまうのです。 しかし脂質は単独で摂っても太ることはありません。体内に分泌されたグルカゴンに反応して、脂肪細胞中の分解酵素が脂肪を分解。脂肪をエネルギーに変え、脂肪燃焼することができます。 肉やうなぎだけ食べる分には太りませんが、いっしょに米を食べてしまうことが肥満につながるのです。焼肉食べ放題に行っても、お米を食べなければ太りませんよ。つまり脂質よりも糖質を制限したほうが痩せるのです。 ―糖質だけを食べるのであれば、問題ないのでしょうか? 精製された糖質には、必須栄養素がほとんど含まれていません。そのためエネルギーにはなりますが、使わないとそのまま脂肪になってしまいます。果物も栄養が多いのは皮で、皮以外は糖質ですので、皮ごと食べてください。 一方、肉にはタンパク質、ビタミンB、鉄分などの必須栄養が含まれています。また、魚には必須脂肪酸EPAやDHAが豊富。糖質ばかりを摂り過ぎると、必須栄養素が不足して病気になりやすくなってしまいます。 ―例えばどのような病気のリスクが考えられますか? 肥満糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、認知症、がんなど、さまざまな病気のリスクが考えられます。

タンパク質主体で食べる人の炭水化物は雑穀玄米がおすすめ!

―多くの人は脂質が太ると思っています。なぜ、このように考えられているのでしょうか? 今から50年ほど前に、脂質と糖質のどちらが心筋梗塞の原因であるかという大論争が繰り広げられました。 イギリスの栄養学者のジョン・ユドキン氏は、精製された糖質が原因だと発表。しかし、アメリカの生理学者のアンセル・キーズ氏は糖質ではなく、動物性脂肪が原因と主張しました。 そして後者が認められ、脂肪を制限して糖質を摂るという考えが広まったのですが、糖尿病になる人が増え、アンセル・キーズ氏の死後に研究の改ざんが発覚。ジョン・ユドキン氏の研究が正しいことがわかったのです。 卵は1日2個まで、黄身は食べないなどの説も、これと同じで改ざんされた内容でした。この事実はだいぶ前に世間にも知れ渡ったのですが、いまだに脂質が肥満や病気の原因と思っている人は多いと思います。 ―体に負担をかけたり健康に気をつけながら糖質制限ダイエットをするには、どうしたらいいのでしょうか? おすすめは朝食、昼食はタンパク質主体にして、精製された糖質を摂らない食事。例えば朝は卵2個とチーズのスクランブルエッグ、昼はおかずだけにします。おやつはナッツやチーズ、夜は血糖値上昇を防ぐために野菜、魚、肉の順番に食べましょう。 そうなるとお米やパンを食べたい人はどうしたらいいかとよく聞かれるのですが、ぜひビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールが白米の5倍含まれる雑穀玄米を食べてください。それといっしょに野菜や青魚、お肉などを食べるようにしましょう。

食事制限だけなく、しっかり運動も!

―糖質制限以外にダイエットをするときに、気をつけることはありますか? 糖質を制限しているのに日常的に運動をしないと、体が筋肉を分解して糖に変えていきます。そのため、筋肉を維持するためにはタンパク質を摂りながら、毎日30分の有酸素運動をするようにしましょう。 おすすめはNHKで放送しているテレビ体操。たった10分ですがこれならば雨の日も暑い日も寒い日も、家の中で行うことができます。朝の回ならば早起き、夜更かししない習慣も身につきますよ。 また、スーパーまで20分以内であれば、買いだめせずに歩いて毎日行くようにしましょう。 ―お酒はダイエットの敵のように言われますが、お酒も制限したほうがいいでしょうか? お酒は週に2回まで楽しく飲むのであればOK!糖質の多いお酒をたくさん飲んだり、おつまみで糖質をとり過ぎないように気をつけましょう。

結論!脂質よりも糖質を減らした方が痩せる!

  • A子さん
    ダイエットをするときに、食べるといいものはありますか?
  • 南雲吉則先生
    筋肉量を維持するために、お茶代わりにたんぱく質が豊富な出汁を飲むのがおすすめです。 また先ほどもお話ししましたが、お米が食べたいときにぴったりなのが、雑穀玄米。まとめて炊いて冷凍しておくといいですね。

19種のアミノ酸を効率よく吸収できる! 筋肉を維持するのにぴったり

国内製造のカツオ、イワシ、無臭にんにく、昆布などの自然食材を丸ごと使った、無塩の出汁。筋肉の素になるアミノ酸や、アミノ酸が結合したペプチドを豊富に含み、ダイエットや筋肉量を維持したいときのサポートをしてくれます。カラダがよろこぶ出汁 300g ¥1,944/命の食事

全粒穀物と大麦をブレンドした 栄養豊富な雑穀玄米

玄米に全粒穀物と大麦をブレンド。白米に比べ、ポリフェノール、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。無洗米なので、手間をかけずにすぐ炊けるのも便利です。
 
「毎食炊くと必ずお米を食べなめればいけないと思い、食べ過ぎてしまいます。一度にまとめて炊き、小分けに冷凍しておけば、食事が足りなかったときだけ最後に食べればいいので、食べ過ぎ防止になります」(南雲先生)
 
雑穀玄米 900g ¥1,404/命の食事

撮影/山辺恵美子(人物) 文/酒井明子

教えてくれたのは 南雲吉則先生

医学博士、乳腺専門医でナグモクリニック総院長。4つの院で乳がん手術、乳房の美容、再建手術を行う。自ら立ち上げた「命の食事プロジェクト」ではがんから命を救う食事と生活指導を行い、講演にも力を注ぐ。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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