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「うちの子は起こしたほうがいいの?」寝ている赤ちゃんの夜間授乳「する」「しない」のラインは?

  • 2025.2.1

助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、夜間授乳を「する」「しない」のラインについてお話ししています。夜間授乳することのメリットやデメリット、夜間授乳をしたほうがいい場合などを詳しく解説します!

夜間ぐっすり眠っている赤ちゃんを起こして授乳するべきか悩んでいるママは多いかと思います。赤ちゃんやママのおっぱいの状況によっては、必ずしも夜間に赤ちゃんを起こさなくてもいい場合があります。

うちの子は起こしたほうがいいの?

夜間起こして授乳しなくてもいいケースとは?

赤ちゃんの授乳間隔は3〜4時間ごとと言われますが、赤ちゃんが成長と共に、母乳を1回に飲める量が増えてきたり、離乳食が進んでくると夜間の授乳間隔が空いてくることがあります。

夜間に、赤ちゃんが長く眠ってしまった場合に、無理に起こして授乳しなくてもいい場合は、以下になります。

・正期産で2,500g以上で生まれた、病気などがない元気な生後1カ月以降の赤ちゃん。

・発熱などがなく、元気な状態。

・体重増加が良好(1日18〜30gの体重増加が認められる)。体重が成長曲線内にあり、上昇がみられる。

・日中の排尿が1日6〜8回みられる(1回量は50g以上、紙おむつのチェックラインの色が変化する程度)。

・生後10カ月以降で、離乳食も3回食に進んでいる。

・赤ちゃんを起こして授乳してもあまり飲まない、起こしたあとに機嫌が悪くなり、再度の寝かしつけが大変。

夜間授乳することのメリット・デメリットは?

【赤ちゃん側のメリット】

・授乳回数が増えることで、母乳を飲む量が増えて、多くの栄養を得られる。

・夜間覚醒して授乳することで、再度深い眠りにつく。安心する。

【赤ちゃん側のデメリット】

・眠りが中断される。授乳後に再度寝入ることに時間がかかる場合もある。

【ママ側のメリット】

・授乳回数が増えることで、母乳を作るのに必要なホルモンが分泌されて、母乳分泌が増えやすい。

・定期的におっぱいから母乳が飲み取られるので、張り過ぎによる痛みや苦痛が軽減されたり、乳腺炎の予防になる。

【ママ側のデメリット】

・眠りを中断することにより、睡眠不足になることがある。

・起こしても赤ちゃんがあまり飲まないことがあり、授乳により刺激されたことによって余計に乳房が張りやすくなることがある。

こんな場合は起こして授乳がオススメ

新生児のうちは、1回の哺乳量が少ないため、授乳回数が少ないと1日の飲むトータル量が減ってしまうことがあります。そのために、生後1カ月までは4時間以上眠ってしまうようでしたら起こして授乳することが必要です。また、生後6カ月未満であれば、6時間以上授乳間隔が空く場合には、起こして授乳するようにしましょう。

そのほかに起こして授乳したほうがいい場合としては、

・体重増加が1日18g未満。成長曲線を下回っている。

・出生時の体重が2,500g未満で、早産または心疾患や内分泌疾患などの何か病気がある。

・離乳食を1回食で始めたばかり、またはあまり食べない。

・ママが母乳量を増やしたい、今の量を維持したい。

・ママが乳腺炎などの乳房トラブルを繰り返している。

・授乳間隔が空くと張ってつらい。授乳の代わりに搾乳をする場合、搾乳ができない、または搾乳を大変に感じて起こして授乳させるほうがラク。

赤ちゃんがぐっすり眠っていると、せっかく眠っているのに起こすのがかわいそうに感じたり、もっとママも眠りたいという気持ちがありますよね。ママと赤ちゃんの状況に合わせて、夜間授乳の負担が減るといいですね。

参考:メディカ出版 母乳育児支援ブック 篠原和子「授乳の頻度と長さ」

作画:はたこ


監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀

2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。

ベビーカレンダー編集部

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