約8割が「自治会・町内会をやめたい」と思ったことがある
自治会・町内会とは、一定エリア内に住んでいる人たちの地縁に基づいてつくられた団体のことで、よい地域社会の維持・形成に向けた活動を目的にしています。具体的な活動内容として、「清掃活動」「交流活動」「安心安全な地域づくり」などが挙げられます。地域づくりや防災において大切な集まりではあるのですが、実際には面倒に感じている人も多いのではないでしょうか。
AlbaLink(東京都江東区)が、自治会・町内会に加入している477人を対象に「自治会・町内会に関する意識調査」を実施し、そのデータを公開しました。調査は2024年12月22日~2025年1月5日の期間、自治会・町内会に加入している男女477人(女性279人/男性198人)を対象に、インターネット上で行われました。
それによると、「自治会・町内会をやめたいと思ったことがあるか」を聞きいたところ、「ある」と答えたが全体の8割以上にぼりました。多くの人が「自治会・町内会って嫌だなぁ」「やめたいな」と思ったことがあるようです。
「自治会・町内会の活動で感じるストレス」の圧倒的1位は「役員になること(39.2%)」でした。「数年に1回班長が回ってくる。結構やることが多く、共働きだと時間を確保するのが大変。例えば自治会費の回収のため各戸訪問したり、回覧板を取りまとめたり、ゴミ捨て場を掃除したりなど」(30代 女性)「役員になると、町内会の行事に参加して、積極的に行事に関わる必要がある」(60代以上 男性)など、負担の大きさから面倒・嫌だと思う人が多いようです。
2位は、「自治会費を払うこと(18.9%)」でした。「無駄に高い自治会費。半年ごとに5,000円程度の出費は痛い」(30代 女性)「我が家にベネフィットがないのに、自治会費を払わせられる」(60代以上 男性)などの声のほか、「自治会費を払っている世帯と払っていない世帯で扱いに違いがないので、払うのがばかばかしい」「自治会費を払っていないのに祭りには来る人もいるから、納得できない」など、不公平感が不満につながっているようです。
3位は「清掃活動への参加(13.6%)」でした。「公園掃除が頻繁にあり、掃除に出られない場合はお金を支払う必要がある」(40代 女性)「年2回ある町内の清掃活動。清掃活動は開始前に参加者が名前を記入するので、参加したかどうかわかってしまいます。仕事などで参加できない場合、前もって会長にお詫びしに行くのもストレスです」(50代 女性)「不参加ならお金を払う」「事前に役員へ欠席する旨を連絡する」など、不参加時のルールが厳しく、ストレスを感じている人も。また、「仕事があって参加できない」といった事情がある人は、ペナルティが課せられることに不満を感じてしまうようです。
役員になったり活動や会合に参加したりと、自治会・町内会で活発に活動することがストレスになっているとわかります。また「集金の方法」「回覧板」など、自治会・町内会のアナログな部分にストレスを感じている人も多くなりました。
不満がある一方…メリットも大きい
では、「自治会・町内会の活動で続けてほしい取り組み」は何でしょうか。
1位には「防犯パトロール(25.6%)」がランクインしました。2位の「祭りの運営(24.7%)」とは僅差でした。3位には「地域の清掃(13.6%)」が入っています。
ランクインした項目は大きく分けて「安心安全に関すること」「町内の美化に関すること」「地域住民の交流に関すること」に分けられます。また「祭りや運動会は子どもが喜ぶから残してほしい」という声も多く、町内会が子育てに一役買っている面もあるとわかりました。
「続けてほしい」「自治会・町内会がやってくれているのでありがたい」と思える活動があるからこそ、不満やストレスがあっても自治会・町内会に協力する人が多いのだと考えられます。
最後に「自治会・町内会で改善してほしいこと」を聞いたところ、もっとも多かった回答は「活動内容の見直し(29.1%)」でした。2位「会計の透明性(11.7%)」、3位「IT化の推進(10.3%)」が続きます。
「町内会・自治会に対するストレス」に対応する項目が並びました。「負担を減らして効率よく、住民が本当に求めている活動だけしてほしい」という気持ちが見てとれます。IT化などで負担を減らしつつ、必要な活動は残したり追加したりするのが理想なようです。
(LASISA編集部)