「星野リゾート 青森屋」と青い森鉄道がコラボした冬の観光列車「酒のあで雪見列車」が2025年2月16日までの土日限定で運行中。三沢〜青森間をおよそ1時間半で走行し、マグロ料理と青森の地酒を味わいながら、雪景色やねぶた囃子(ばやし)の生演奏を満喫。青森の冬の魅力をたっぷり楽しむ⼈気の観光列車です。
冬の観光列車でマグロと地酒を満喫
「酒のあで雪見列車」は、利用日の1週間前までに、青森屋のホームページで事前申し込みが必要。宿泊者以外の方も参加可能で、定員は30名、1人¥15,000です。
▲青森の熱い祭り空間を満喫する宿「星野リゾート 青森屋」 <画像提供:星野リゾート 青森屋>
東北三大祭りのひとつ「ねぶた」に代表される青森の圧倒的な夏祭りを館内に再現する温泉宿「星野リゾート 青森屋」。トロトロヌルヌルの温泉や青森四大祭りを楽しめる迫力満点のショー「みちのく祭りや」、そして地元食材を使った朝夕のビュッフェなど、北国の熱気を満喫する施設です。
▲ホテル最寄りの三沢駅
11時にホテルのロビーに集合して、切符や電車内で選べる日本酒のパンフレットなどが配られます。三沢駅へは11時30分ごろバスで出発。駅の改札で三沢~青森間の往復乗車券を提示してホームへ向かいます。改札口の電光掲示板に「酒のあで雪見列車」の表示が出ているのも、特別感がありますね。
▲フォトフレームがついた限定切符
往復乗車券が「星野リゾート青森屋(三沢)~青森駅間」になっているところも細かい演出。しかも厚紙でできた “硬券” です。旅の記念になりました。
▲おなじみの水色の列車
青い森鉄道は岩手県との境にある目時駅から、八戸、三沢を経て、青森へとつながる第三セクター鉄道です。2両編成の「酒のあで雪⾒列⾞」は、特別ダイヤで運行される臨時列車です。
▲車内の中吊りや窓上ポスターもレアな光景
車内に流れる津軽三味線は、地吹雪を思わせるような激しい音色でした。
▲ボックスシートのテーブル
利用客にはグループごとに四人掛けのボックスシートを用意。乗車時には料理とミネラルウォーターが置かれていました。
▲車内アナウンスをするホテルスタッフ
半纏を着た「星野リゾート 青森屋」のスタッフがアナウンスを担当。沿線のおすすめスポット付近では、見どころを紹介してくれます。
脂がのったマグロ料理を満喫
2016年から始まった「酒のあで雪見列車」。しばしば濁音でにごる津軽弁。“あで” とはお酒のあて、つまり酒の肴やおつまみのこと。今年の “あで” は青森を代表する魚「マグロ」。地酒によく合うマグロ料理5種とのペアリングを楽しめます。青森の地酒は5種類(各300ml)の中から3種類を選びます。
選んだ地酒は左から「駒泉 マグロ 吟醸酒」、「尾崎酒造 安東水軍 特別純米酒」、「八戸酒造 陸奥男山 超辛純米」。安東水軍と陸奥男山は熱燗でも頼めます。
▲「まぐろ尽くしの酒のあで」
マグロのお造りは脂ものって、口の中でとろけます。近年は「陸奥八仙」が有名な八戸酒造の「陸奥男山 超辛純米」を熱燗でいただくと、お酒の旨味がふくらみ、キレのいい後味が脂ののったマグロにピッタリです。
▲「まぐろのお造り 菊のお浸し」
「漬けまぐろの長芋山掛け」は、ねっとりと脂乗りのいいマグロの切り身を漬けにして、すり下ろした長芋が掛かります。さらに「まぐろの胃袋のぬた和え」は、1匹のマグロからわずかしか取れない胃袋で、一般にはあまり流通しない希少部位。コリコリしたホルモンのような食感で、“ぬた(酢味噌)” でさっぱりいただきます。
▲「漬けまぐろの長芋山掛け」と「まぐろの胃袋のぬた和え」
海苔で包んだまぐろに衣をつけて、レア状態に揚げた磯辺揚げは、抹茶塩でシンプルにいただきます。表面だけに火を入れたまぐろ焼霜造りはポン酢でさっぱり。口溶けのいいマグロの脂に、スッキリとした地酒が似合います。
▲「まぐろ焼霜造り ポン酢ジュレ」と「まぐろの磯辺揚げ」
選べる地酒5種は、他に「桃川 吟醸純米酒」と「鳩正宗 八甲田おろし 純米酒」を用意。二人、もしくはグループで参加すれば、様々な味を楽しめます。もちろん300mlが1人3本もあるので、残りはお土産に持ち帰りました。
▲こちらは別の日本酒をチョイス
この日は十和田市にある鳩正宗酒造の蔵元の方も乗車して、はじめての日本酒体験をサポートしたり、青森の地酒のお話を聞くことができました。
列車の中から青森観光
車内からちょっとした観光を楽しめるのも魅力。途中の野辺地駅に停車するので、降りることも可能です。「ねぶた祭」の生演奏が行われるほか、浅虫温泉駅の手前では停車して陸奥湾の冬の景色を楽しめます。
▲青い森鉄道・冬景色♪ <画像提供:青い森鉄道>
▲野辺地駅では10分ほど停車
ホームでは、青い森鉄道のイメージキャラクター「モーリー」と、愛犬を連れた駅長さん、そして駅職員の方がお出迎え。一緒に記念写真も撮れます。
▲ねぶた祭りのお囃子を生演奏
走行中の車内では「JRねぶた囃子会」の皆さんが、篠笛、太鼓、手振り鉦(てぶりがね)で、青森ねぶた祭のお囃子を生演奏。わずか3人の演奏ながら、祭りに負けない臨場感と大迫力。お客さんも手拍子を打って最高潮に盛り上がるひと時。ねぶた祭の熱気が伝わる演奏でした。
▲切符のフォトフレームを使って撮影
通常運転ではあっという間に走り抜けてしまう陸奥湾の景色ですが、「酒のあで雪見列車」は、鴎島(かもめじま)が見える浅虫温泉手前のベストスポットでしばしの停車。
▲地酒を存分に満喫
北国の漁港と鴎島、陸奥湾の向こうには津軽半島。お酒が美味しく呑める冬の風景でした。
▲終点の青森駅には13時5分ごろに到着
1時間30分ほどの乗車でしたが、あっという間の楽しい電車旅。青森駅から直接帰路につくこともできるほか、三沢に戻る場合は好きな時刻に乗車できます。時間があれば、オープンしたばかりの駅ビル「LOVINA」やご当地土産をそろえる「A-FACTORY」、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」なども巡れます。
▲青森駅のホームでは、皆さんがお見送り
青い森鉄道のスタッフ、JRねぶた囃子会の皆さん、鳩正宗酒造の蔵元さん、そして手を振るモーリーもお見送り。
「星野リゾート 青森屋」と青い森鉄道がコラボする冬の観光列車「酒のあで雪見列車」。料理のメニューや地酒の提供方法は年によって変わり、今年は希少部位を含む質の高いマグロ尽くしでした。圧倒的な祭り空間「星野リゾート 青森屋」と地酒が旨いレストラン列車。冬の青森旅をぜひ楽しんでみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:星野リゾート 青森屋 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/aomoriya/activities/12991/>
酒のあで雪見列車
運航日:2025年1月25日、26日、2月1日、2日、8日、9日、15日、16日 料金:1名15,000円(税込)三沢駅から青森駅までの往復列車運賃込み 参加:宿泊者・外来利用者いずれも可 予約:星野リゾート 青森の公式ホームページにて利用日の7日前までに予約 ※天候など状況により運休または内容が⼀部変更になる場合があります