管理栄養士のともゆみです。今シーズンはブリが豊漁で、昨シーズンよりも2割ほど安く売られているそうです。脂のりも抜群でおいしいブリを食べられるとJNN系列の報道・情報番組『Nスタ』で放送していました。そこで番組では、ブリについてのあれこれを特集していました。ブリは部位によって味に違いがあるそう。では、切り身で売っているブリはどうやって部位を見分けるのでしょうか?そして、部位別にお刺身の食べ比べもしてみることに。
夕方に放送しているJNN系列の報道・情報番組『Nスタ』で、ブリは今シーズン、異例の大漁でおいしいブリが例年よりも安く出回っていると放送していました。そこでNスタでは、ブリの部位別のおいしい食べ方と見分け方を特集していましたよ。今日は番組で解説していたことを紹介したいと思います。
出世魚ブリの呼び名
出世魚と呼ばれるブリは、成長に伴って名前が変わる魚。関東と関西では呼び名が違い、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと大きくなるにつれ呼び名が変わるそうです。
ところが、関東での呼び名にはない「ハマチ」が、関東の寿司店に存在します。なぜ関東にあるのでしょうか?
回転寿司店に話を聞くと、養殖のブリのことを「ハマチ」と言うそうです。関東では大きさに関わらず、養殖物を「ハマチ」、天然物を「ブリ」と区別する文化があるとのことでした。
部位別ブリのおいしい食べ方
番組ではブリをおいしく食べるテクニックを元水産庁職員の上田勝彦さんに取材していました。上田さん曰く、ブリには「背側」「腹側」があり、「背側」は筋肉質で身の味が濃いので、特に「ブリ大根」にするのがおすすめだということです。
一方、脂のりがいい「腹側」は「照り焼き」や「塩焼き」に適しているそう。
刺身に関しては好みに合わせて「背側」でも「腹側」でもいいそうです。
「背側」と「腹側」の見分け方は?
切り身で売られているときの「背側」と「腹側」、パックに表示されていない場合はどうやって見分けるのでしょうか?それは「皮の色」で見分けます。「背側」の皮の色は深緑色っぽく、「腹側」は白っぽくなっています。また、鮮度のいい寒ブリの見分け方は血合いの色の赤みが強い方が新鮮で、皮と身の間の白い脂の層が多い方がおいしいとのことです。
「背側」↓
「腹側」↓
観察してみると、皮の色の違いがはっきりとわかりますね。
ブリの刺身のおいしい食べ方
1. 買ってきた刺身用のブリのサクをまず流水で3秒洗い流します。
2. キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取ります。
3. 適当な大きさに切って皿に盛り付けます。刺身を食べるときは「ワサビ」を添えるのが一般的ですが、番組では「一味唐辛子」をおすすめしていましたよ。辛みが旨味を引き立ててくれるそうです。
ブリの刺身の「背側」と「腹側」を食べ比べてみた!
刺身で食べる場合、「背側」でも「腹側」でも、好みに合わせてどちらでもいいとのことですが、両方用意して食べ比べてみることにしました。味に違いはあるのでしょうか?
下の画像は、刺身用のブリのサクです。左上が「背側」、右下が「腹側」です。皮は取られていますが、皮を取った跡を見ると「背側」のブリは黒っぽく、「腹側」は白っぽいのがわかります。
おいしい食べ方の手順を踏んで、皿に盛り付けました。左上2列が「背側」、右下1列が「腹側」です。
食べてみます。いただきます。まずは「背側」から。
食感はねっとり感があって少しもちっとしています。味はブリの旨味を力強く感じますね。おいしいです。
次は「腹側」。
おお〜、全然違う。腹側は脂をすごく感じます。しっとりしていてサクッとした歯ごたえです。こちらもおいしいです。まぐろで言うと、背側は「赤身」、腹側は「中とろ」みたいな感覚ですね。筆者は「腹側」の方が好きでしたが、これは好みですね。
番組でおすすめしていた一味唐辛子と食べてみます。一味唐辛子としょうゆを混ぜたものを付けて食べてみます。
お、合う合う!!最初はブリの味わいが感じられ、辛さは後から来ます。ピリッとした辛さでブリのこってりさをすっきりとさせてくれます。ブリの刺身とよく合いクセになりそう。おいしいです。
ブリはDHA・EPAが豊富
ブリの脂には不飽和脂肪酸のDHA・EPAが豊富に含まれていて、血液をサラサラにして血栓症を予防する働きがあるので、動脈硬化の予防や脳の活性化といった効果が期待できます。さらに、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐビタミンEも豊富なので、DHAやEPAを効率よく摂取できます。
ブリには「背側」と「腹側」に分けられ、部位によってそれぞれ適切な料理があることを知りました。部位別に刺身を食べ比べてみて、はっきりと違いが感じられ、自分の好みの部位も知ることができました。こういう発見ってとってもおもしろいです。特に今シーズンはブリがお買い得だそうなので、試してみてはいかがでしょうか。
参考文献:
からだによく効く食べ物大事典 監修 三浦理代 池田書店