冬バテ
働く女性が気になる症状や疾患について解説。今回は、寒暖差とともに疲れがたまってくるこの時期に気を付けたい「冬バテ」をひも解きます。
教えてくれたのは…石原新菜先生
イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、 健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事。漢方医学、自然療法、食事療法により病気の治療にあたる
Q.冬バテとは何ですか?
冬バテは、寒さや日照時間の短さ、忙しさなどが原因で自律神経が乱れた状態を指します。夏バテは暑さ自体が大きく影響しますが、冬バテは、寒さ自体が影響するというよりは、寒いから運動習慣をやめてしまい運動不足になる、寒いから家に引きこもりがちになる上に日照時間が短く太陽の光に当たらなくなりセロトニンの分泌量が減ることで気分が落ち込むなど、寒さをきっかけとして影響が広がっていくことが特徴です。
Q.症状はどんなもの?
冬バテとは自律神経の乱れによる不調全般を指します。だるさ、疲れやすさ、気分の落ち込み、不眠、胃腸の不調などさまざまな症状が心身に現れます。これらの症状を防ぐためには、自律神経を整えること。そのためには“睡眠”にフォーカスすることが大切です。良質な眠りを確保するために、入浴や軽い運動を取り入れることが対策につながります。
Q.冬バテの主な原因は?
仕事や私生活など、あらゆる忙しさによるストレスが大きく影響します。ストレスを完全に取り除くことは難しいので、ストレスをためこまないため、意識的にリラックスする時間を作ることが重要です。ランニングやヨガ、散歩、カラオケなどなんでもOK。自分に合った方法で一時的にストレスから離れることを心がけましょう。チョコレートやココアなどリラックス効果のある食品を取り入れるのもおすすめ。カカオポリフェノールによって抗酸化作用や血流促進が期待できます。かむこともストレス発散につながるので、ガムをかむ、チョコレートであれば食感のあるものを選ぶなどもポイントです。
Q.なりやすい人の特徴は?
体力が少ない人、冷え性の人、睡眠不足が続いている人、真面目な性格の人は、冬バテしやすい傾向にあります。寒暖差や季節の変化に体が振り回されるのはある程度仕方ないことですが、その振り幅を小さくしていくことが大切。基本にはなりますが、睡眠、運動、食事といった健康的な生活習慣を心がけて、“健康の底上げ”を図りましょう。
Q.日ごろからできることは?
みそ汁を飲む習慣をつけてみてください。アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富で、基礎代謝を上げてくれるので、体は温まり、栄養補給にもなります。発酵食品なので腸内環境も良くしてくれて、一石何鳥にもなります。また、ショウガや薬味、スパイスを日常的に取り入れることもおすすめ。白湯や紅茶にショウガを入れたり、コーヒーにシナモンを振りかけたりするなど、できることから始めてみて。体を温め、活力をアップしてくれます。体力も気力も落ちているときは、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方も選択肢に入れてみて。
そして睡眠の確保は言うまでもありません! 今日からスマホを見てダラダラしていた時間を少しずつ減らして、良質な睡眠を目指してみてくださいね。