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緊急安全確保とは? 避難指示や高齢者等避難との違いを解説

  • 2025.1.30

日本では、毎年のように集中豪雨や台風による土砂災害や洪水、高潮などの災害が発生しています。

災害から命を守るためには的確な避難行動が必要であり、そのためには行政が発信する避難情報に従うことが重要です。

避難情報の中でも、危険度が最高レベルに達したときに発令されるのが「緊急安全確保」です。
高齢者等避難や避難指示に比べて発令される機会が少ないことから、「緊急安全確保って何?」「緊急安全確保が発令されたら何をしたらいいの?」など疑問を持つ人も多いかもしれません。

今回の記事では、緊急安全確保とは何か、また発令されたときに取るべき行動やほかの避難情報との違いを解説します。

緊急安全確保とは

緊急安全確保とは、すでに災害が発生・切迫しているときに市町村から発令される避難情報です。

このような状況下では、命の危険があり、直ちに安全な場所で命を守る行動を取る必要があります。

なお、市町村が発令する避難情報の基準となるものに「警戒レベル」と呼ばれるものがあります。警戒レベルとは、災害発生の危険度と住民が取るべき行動を5段階に示した情報です。

緊急安全確保は、警戒レベルでもっとも高いレベル5です。

また、気象庁が発表する気象警報や土砂災害警戒情報などの防災気象情報にも5段階の「警戒レベル相当」が設けられています。防災気象情報の警戒レベル相当は、市町村が発表する警戒レベルの目安となります。

以下は警戒レベルと防災気象情報の関係をまとめた表です。

出典:政府広報オンライン「「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう」

出典:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」

ここで注意すべきポイントは、警戒レベル相当の防災気象情報が発表されたからといって、そのレベルの避難情報が発表されるとは限らない点です。

例えば、警戒レベル5相当の大雨特別警報が発表されても、警戒レベル5の緊急安全確保が発表されるとは限りません。防災気象情報の警戒レベル相当は、あくまでも目安であるため、市町村が発表する避難情報に基づいて行動しましょう。

緊急安全確保が出たときに取るべき行動

緊急安全確保が発令されたときには、すでに災害が発生している可能性が高く、通常の避難行動をとることが困難なケースが多いです。
避難行動をとる際に重要なのは、「危険な場所から避難して安全を確保すること」です。そのときの状況に応じて、指定緊急避難場所などへ移動するべきか、または自宅などの安全な場所に留まるべきかを判断する必要があります。

具体的には、洪水や高潮のリスクがある区域では自宅や施設において少しでも高い場所、または近隣の高く頑丈な建物に移動します。土砂災害のリスクがある区域では、がけから少しでも離れた場所に移動することが望ましいです。

なお、緊急安全確保を発表する地域の単位は市町村によって異なります。

内閣府では、できるだけ細分化した地区名で避難情報を伝達することを推奨しているため、これに準じて町丁目単位で発表する市町村が多いです。また、災害の種別によって○○川で氾濫、○○地区○○町で土砂災害がすでに発生している可能性が高いなど、具体的な場所を示す場合もあります。

緊急安全確保が発令されたときは、まず自分のいる場所が対象区域に入っているかどうかを確認しましょう。対象区域に入っている場合は、命を守るために直ちに安全な場所に移動します。

避難指示との違い

避難指示は警戒レベル4の避難情報です。

避難指示は「災害が発生する恐れが高い状況」または「災害リスクのある区域の居住者が危険な場所から避難すべき状況」において発表されます。

発令された場合、該当する区域の人は「全員危険な場所から避難」が原則です。
避難指示は立ち退き避難に必要な時間や、日没時間等を考慮して発令されますが、場所によってはすでに避難が困難になっている場合もあります。
このような場合は、緊急安全確保と同様に安全を確保するための行動をとらなければなりません。

高齢者等避難との違い

高齢者等避難は警戒レベル3の避難情報です。

高齢者等避難は「災害が発生する恐れがある状況」または「災害リスクのある区域の高齢者等が危険な場所から避難すべき状況」において発表されます。

発令された場合、該当する区域の人において「高齢者等は危険な場所から避難」します。

高齢者等の「等」には、子どもや障がいのある人なども含まれます。また、高齢者等に該当しない人も、必要に応じて外出を控える、自主的に避難するなどの検討をするタイミングとなります。

また、避難情報が発令されていない場合でも、危険を感じたら自主的な避難が必要です。
災害時にはどこに避難したらいいのか、どの道を通れば安全に避難できるのかなども、ハザードマップで事前に確認しておきましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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