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「なぜ手術を止めてくれなかったの!?」と言われても──人工関節の手術後、つらさに音を上げた母

  • 2025.1.29

筆者の体験した出来事です。
母は長年、膝の痛みに悩み、50代後半から本格的に治療を試みてきました。
人工関節の手術を決断した母でしたが、術後には意外な一幕が――。

長年の膝の痛み

母は50代後半から膝の痛みを訴えるようになりました。
立ち仕事の影響もあったのか、次第に症状が悪化していきます。

「良い病院があれば連れて行ってほしい」
と何度も頼まれ、良いという情報を聞けば病院や治療院を訪れて検査や治療を受ける日々。
ですが「治った」という言葉を聞けることはありませんでした。
それでも母は諦めず、痛みを抱えながら仕事を続け、定年退職後も治療を模索し続けていました。

手術を決断

転機は、知人の紹介で出会った医師でした。
「この膝でよく頑張りましたね。これは痛いはずです」
とレントゲンを見ながら言う医師に、母は感激。
「この先生だけが私の痛みをわかってくれた」
そう話し、人工関節の手術を決意しました。

事前説明を真剣に聞き、長年の痛みから解放されることを期待して臨んだ手術。
無事成功したと報告を受け、控室にいた私たち家族も胸をなでおろしました。

術後のつらさに八つ当たりの母

ところが、病室に戻り麻酔から覚めると、母は急に怒り出しました。
「しんどい、なぜ手術を止めてくれなかったの!?」
と、弟や私に八つ当たりを始めたのです。

手術は母の想像以上に体への負担が大きかったようです。
しかし、手術を決めたのは母自身。
弟と顔を見合わせながら
「切ったものはもう戻せない。手術すると言ったのは自分だよ」
「体を切ったんだから痛いのは当たり前だ」
と正論を伝えました。

すると母は涙ぐみながら
「こんなにしんどいと思わなかった」
とぽつり。
代わることができない私たちは
「手術してすぐだから、しんどいのだと思うよ」
と励ますしかなく、結局、一人では心もとないという母の頼みに応え、数日間付き添いながら回復を見守りました。

後にも先にも母が私たちに八つ当たりしたのはこの時だけ。
よほどつらい手術だったのだなと思いました。

元気を取り戻した母

あれほど「もう二度と手術はしない!」
と怒っていた母でしたが、3年後にはもう片方の膝も手術することに。
「『どうして止めてくれなかったのか』と言われても、もう聞かないよ? 本当に手術するの!?」
と何度も確認しましたが、一度目の経験があったからなのか、今度の母は驚くほど元気。手術後も付き添いなしで、一人で過ごすことができました。
今は痛みから解放され、以前より元気に過ごしている母を見て、安心しています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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