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「ママ、転校したい」まさかイジメに遭っていたなんて──でも、娘は私が思うより、ずっと冷静だった

  • 2025.1.29

中学一年生の娘がいじめに遭って登校できなくなってしまった!? このまま引きこもりに……と案じるも、母が思うより、我が子はずっと冷静だったようです。A子さんが、聡明な娘さんのエピソードを聞かせてくれました。

画像: 「ママ、転校したい」まさかイジメに遭っていたなんて──でも、娘は私が思うより、ずっと冷静だった

「ママ、転校したい」

私には、中学一年生の娘がいます。

ある日のこと、娘のC美が思い詰めた顔で「ママ、転校したい」と言ってくるではありませんか。

「何があったの? 」
突然の相談に驚きながら、私は事情を聞きました。

いじめに遭っていた

C美は、数ヶ月前からいじめに遭っていたといいます。

こんなに悩ませるまで、気づいてあげられなかったなんて……。
そう後悔したものの、親としては、転校までするのはまだ早いのではないか? という思いもありました。

娘の入学した中学校は有名私立。学校を変えることで将来に影響が出るかもしれません。
他に候補になりそうな学校では通学時間が長くなるので、毎日の負担が増えることでしょう。
色々な考えが頭をめぐり、できれば転校をせずに解決できないか、先生にも相談しました。

しかし状況は改善されず、娘の表情は日に日に暗くなり、ついには朝起きてくると、「お腹が痛い」と言って登校を渋るようになってしまいました。

冷静で賢い娘

このまま引きこもってしまうかもしれない。

不安が胸をよぎり、それなら初めから転校させればよかったとまた後悔していたのですが、私が思うよりも、ずっと娘は冷静でした。

「ママ、心配をかけてごめんね。今の学校生活では、私は十分に自分を発揮できない。色々と工夫してみたけれど、人の性根まで変えることは難しいから、時間の無駄だと思うんだ」
再び相談してきたC美の顔は、決意に満ちていました。

「新しい場所で、いい友人と一緒に、目標に向かって努力できる学校生活を送りたい。自分を責めずに、環境を変えることも大切なんだよ」

てっきり、娘は自分に自信をなくしてしまったのではないかと思っていたので、変わらず自己評価を高く持ち続けてくれていることに安堵したのを覚えています。
同時に、その言い回しに、思わず笑ってしまうほどには、心が緩みました。

「心配かもしれないけど、私は大丈夫だから」

「逃げる」のではなく「選ぶ」

娘を転校させてから、半年が経ちました。
毎日楽しそうに登校するC美の姿を見ると、この決断は正しかったと実感します。

「逃げる」のではなく、より良い環境を「選ぶ」ことを決めたC美。
その潔い決断力と、冷静に自己や周りを分析する力は、親の私すら見習うべきものでした。

新しい制服に袖を通し、「いってきまーす!」と、元気に家を飛び出す娘を見送りながら、これからも子供から教わることが増えていくのかもな、と感慨深くなる母なのでした。

【体験者:40代女性・パート主婦、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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