THE RAMPAGEの吉野北人が主演を務める映画『遺書、公開。』。センセーショナルなタイトルが目を引く本作は、クラスメイト一人一人につけられた序列に端を発し、人間の本性があぶり出されていくスリリングな1作。今回、主人公役の吉野と本作が初の映画撮影となったIMP.の松井奏にインタビュー。各々の見せ場となったシーンの裏話から、“序列”にかけて、芸能界でサバイブする上での数字との向き合い方やエゴサ問題まで、本音で語ってもらった。
【動画インタビュー】吉野北人、松井奏は「ニャンニャン系」!? 仲良しエピ満載トーク
■松井「スターでしょ!?」→吉野「奏はすぐスターいじりしてくる(笑)」
――吉野さんの演じた池永柊夜は序列19位、松井さんが演じた赤崎理人(*崎は「たつさき」)は序列2位のキャラクターでした。配役を聞いたとき、どのような印象でしたか?
吉野:池永はあまり前に出るようなタイプではなく、内気で、日頃から目立ったようなことはしていないんだろうなという印象でした。僕以外のクラスメイトは、奏も含め、とにかく感情を表に出すキャラクターばかりだったんです。なので、自分はなるべく感情は抑えて、英監督とも「観客の拠り所という立ち位置でいよう」と話していました。
――そんな吉野さんの演技を、松井さんはどうご覧になっていましたか?
松井:僕はもともと“吉野北人”を知っていましたし、言うたらスターじゃないですか!
吉野:おい(笑)。
松井:スターでしょ!? だけど池永になった瞬間、すっと内気なキャラクターに変わっているんです。「ええっ、こんなにスター(感を)隠せるんだ…!」とまず驚きました。
吉野:奏はすぐスターいじりしてくるんですよ(笑)。
松井:だって! めっちゃイケメンなのに普通にクラスにいる男の子になれて、なじめているから…感動しました。
――松井さんは、赤崎をどう演じていこうと考えていたんですか?
松井:赤崎は序列2位ということもあって、イケメンで、スポーツも勉強もできて、友達もいっぱいいて、何でもそつなくこなすタイプだと思っていました。本当に普段の僕と真逆なんです(苦笑)。だからこそ、赤崎の余裕感みたいなものをどうやって出すかがカギになるなと、すごく模索しました。
■吉野北人、松井奏の豹(ひょう)変を大絶賛!
――24人の生徒は曲者ぞろいで、それぞれの生徒/俳優に見せ場があるのも見どころの一つです。松井さんはその空気を作るトップバッター的立ち位置で、説得力のある演技に引き込まれました。
松井:ありがとうございます! 感情をバーッと出すあのシーンについては「やっちゃえ!」と腹をくくりました。
吉野:感情をめちゃくちゃ出すシーンは、大変だったよね。ほぼ順撮りで進んでいったので奏が最初の出番で、現場の緊張感もすごくあったから。本番前、奏は「すごい緊張する…」とこわばっていたけど、「本番!」の声がかかった瞬間に目の色が変わっていて。最低な男になりきっていたから、すごいと思った。
松井:うれしい…!
吉野:それこそ本当に…スターだよ! スターから最悪&最低な男に一瞬でころっとスイッチが変わったので、観てくださればみなさんわかると思います。
――吉野さんの大絶賛を受けまして、松井さんはかなり気合いを入れて臨まれたと?
松井:うれしい…。僕は映画の撮影自体が初めてで慣れていませんでしたし、本当にむちゃくちゃ緊張して、手もすごい震えていたんです。監督から「赤崎ショーだから! 教室を広く使って、好きにやっちゃっていいよ」とアドバイスをいただいたので、赤崎としても僕としても、「ここでやらなきゃどうする? 失うもんなんてない!」という気持ちで、思いっきりクズをやりきりました。何より、僕の言葉にクラスのみなさんがリアクションしてくれるんです。本当に素晴らしい俳優さんの集まりだったので、そのリアクションにすごく引っ張ってもらいました。池永に「そう、1位!」と言ったときも、北人くんのあの表情でこっちも乗れたんです。
――一方、吉野さんは終盤にキーとなる見せ場のシーンがありました。エピソードをぜひ教えてください。
松井:緊張した?
吉野:めっちゃ緊張した。あのシーンでは、熱い気持ちを持ってはいるけど冷静に…という池永の絶妙な思いを、目線や声のトーンなどでかなり意識して演じました。遺書を読むシーンは、みんな「これでもか!」というくらい感情を爆発していて、本当にすごいじゃないですか。さんざんみんなの熱演を見てきたから、自分も実はもっとやりたいなという気持ちもあったんですが、池永らしさを意識してリアルに伝えるようにしました。
■芸能界における数字やSNSとの関わり方 吉野「逆に燃える」/松井「気にしちゃいます…」
――お二人が生業(なりわい)としている芸能界は、序列までいかなくとも数字と戦うシビアな世界です。あらゆる数字や序列のようなものと、普段どう向き合っていますか?
吉野:数字は良くも悪くも当たり前につきまとうものなので、自分は捉え方次第だなとすごく思います。いい数字の場合は素直にうれしい気持ちもありますし、悪い数字の場合でも「きっといい方向に持っていけるから、もっと頑張ろう」みたいに考えられるのかな、と。だから、あまり突き詰めずポジティブに考えるようにしています。
――一喜一憂するようなことは、これまでもそんなになかった感じですか?
吉野:もちろん「マジか…」みたいに思うときはありました。でもそれが結果なので受け止めるというか…なんかめっちゃ真面目な感じです(笑)。
松井:真面目だね。僕はでも…なんか気にしちゃいます…気にしちゃうけど…。
吉野:めっちゃ気にしそうだね(笑)。
松井:そう! だからこそ、見ないようにしてる! なんかあったら、へこみそうじゃん?
吉野:確かにね~。
松井:例外もあって、MVを発表したときはメンバー内で話題になったりするんです。グループLINEで「何万回いったよ!」、「もっと行け行け!」、「うれしいね!」みたいなのは言い合いますね。でも普段はSNSもあまり見ません。エゴサーチもあまりしないです。
なんか…怖くない?
吉野:怖い。
松井:よね!? あまり見ないけど、ライブ終わりだと「ちょっと感想見たいな…」と思わずのぞいちゃうときもあったりして。
――吉野さんはいかがですか? 今のSNSのお話。
吉野:僕は見ちゃうんですよね。エゴサーチもします。悪いコメントがあったとしても、逆に燃えますね。そう見えている=その人にとっては事実なのかなと思うので、「そっか、下手か。頑張ろう!」みたいな感じです(笑)。
松井:超ポジティブだなあ~!
吉野:メンタルは強いかもしれない。
■グループで一番裏の顔の顔を持っているメンバーは?
――本作は人間の裏の顔も晒(さら)されますが、お二人それぞれグループ内で一番裏の顔、もしくは意外な顔があるメンバーは誰だと思いますか?
吉野:THE RAMPAGEに浦川翔平というパフォーマーがいるんですけど、すごいムードメーカーで、いつも現場を明るくしてくれるんです。でも二人でいるときは静かというか、真面目なんですよね。
松井:おお~!
吉野:みんなといるときは、いつも笑わせようとしてふざけているんです。でも二人でいると、THE RAMPAGEのことについてとか、真面目な話ばっかりしますね。
松井:すごい素敵なエピソード! うちのグループだと…リーダーの影山拓也! よく買い物に行くんですけど、あの人と一緒だと…たくさんお金を使います(笑)。本当にまっすぐな人だから、僕が「かわいいな~」と洋服を見ていると「お前、迷ってんじゃねーよ。気持ちで買えよ!」と勧めてくるんです。
――気持ちで買う(笑)!
松井:そうなんです!
吉野:かっこいいけどね(笑)。
松井:リーダーはよく自分がいっぱい洋服を買って背中を見せているから「俺がこんなに買ってるんだから、ついてこいよ」とお店の中で言うんですよ(笑)。ある意味、表も裏もないかもしれないけど…うちのリーダーにはそういう一面もあります。
(取材・文:赤山恭子 写真:松林満美)
映画『遺書、公開。』は、1月31日より全国公開。
吉野北人×松井奏 映画『遺書、公開。』インタビュー