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スティーヴン・スピルバーグ、映画『E.T.』をきっかけに父親願望が芽生えた

  • 2025.1.28
Steven Spielberg, Drew Barrymore, And E.T. Portrait Session

スティーヴン・スピルバーグは、映画『E.T.』(1982)で幼かったドリュー・バリモアと仕事をしたのをきっかけに「父親になりたいと思うようになった」そうだ。1月25日(現地時間)、ニューヨークで開催されたTCMクラシック映画祭のイベントで、「『E.T.』は私の人生を変えた映画だから、私にとっては最も誇らしい作品です」と語るドリューに対し、「僕の人生も変えました」とスピルバーグが続ける。

「81年か82年くらいまでは、映画を作るだけだった。それが人生でした。ストーリーを語ることに夢中でしたが、『E.T.』を作ったときに初めて父親になりたいと思いました。『E.T.』以前は、そんなこと考えもしませんでした」

7人の子どもがいるスピルバーグは、こう振り返る。「子どもは欲しくなかった。映画から映画、脚本から脚本と渡り歩く中で、子どもを持つことに同等の価値を見出すことはできなかったからだ。『E.T.』の途中まで、考えたこともなかった」

On the set of E.T. the Extra-Terrestrial

しかし、当時6歳だったドリューをはじめとする子役たちと仕事をするうち、考えが変化したそうだ。「撮影中は親のようだった。そして、『いつかこれが自分の本当の人生になってもいいかもしれない』と思うようになった。父親になる可能性について初めて考えたのは、このときだった。ある意味、監督は父親であり、母親であるのかもしれません」

『E.T.』でタッグを組んで以来、ドリューがスピルバーグを父親のように慕ってきたのはよく知られるところ。彼女は以前、『ヴァルチャー』のインタビューで、スピルバーグのことを「人生で唯一の父親的存在」だったと述懐。父親になってほしいと頼んだものの、さすがに無理で、かわりに代父(ゴッドファーザー)になってもらったと明かしている。

週末にはディズニーランドや牧場などに連れて行ってもらい、真っ赤な口紅をつけて現れたときには、落とすよう諭されたこともあったそうだ。またスピルバーグは、E.T.を本物だと信じるドリューのために、E.T.のオペレーターを常駐させ、彼女がいつでも話しかけられる状態を維持したそうだ。こうした経験を通して父親願望が生まれたと語るスピルバーグに、ドリューが「(その思いを)台無しにしなかった?」と尋ねると、彼は「その反対だ」と回答。ドリューは「良かった。私は仕事をやり遂げたね」と安堵したようだ。

Text: Tae Terai

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