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家事をする生活がつらすぎる…。定型発達の人にはわからない「難しさ」とは。【もしかして…発達障害!?】

  • 2025.1.30

「毎日家事をする生活がつらい」「お鍋を焦がすのは日常茶飯事」。これがいつものこととなると、発達障害の傾向がありそうです。

同時に2つ以上のことができず、家事でイライラしやすい。退屈な作業を淡々とこなすのも苦手です【ADHD傾向】

ADHDの人は、同時に2つ以上のことをこなすマルチタスクが苦手です。これはワーキングメモリー(記憶のおぼん)が小さいため、記憶の容量が少ないことが原因です。

漫画の方は、お鍋を火にかけているときに、子どもの宿題を見るという別のことをしようとしました。ところがお鍋を火にかけていたことは忘れてしまって、宿題に集中してしまい、結果、お鍋を焦がしてしまいました。

定型発達の人は「お鍋はどうかしら」と気にしながら宿題を見ることができるのですが、ADHDの人には難しいのです。

また、多動性のため、すぐに気が散って別のことを始めてしまいがち、そして、衝動性のため、思い浮かんだ新しいことをしようとしてしまいます。

目新しく興味のあること、おもしろいことに対してはアイディアも出し、ワクワクした気持ちで集中力を発揮できますが、日常の業務やルーティンな単純作業はすぐ飽きてしまいます。

「退屈」だと思うものほど、初歩的ミスが多くなり、別のことに興味が移りやすくなります。不注意になるとミスが起こり、イライラ!そんな悪循環に陥ってしまいがちです。

結局はひとつひとつ終わらせたほうが早いです。安全も確保しましょう

2つのことを同時進行すると、それだけワーキングメモリー(記憶のおぼん)に負担をかけてしまいます。「あれ」と「これ」を同時進行で覚えておかなくてはいけないのですから。

しかし、そのせいでミスが起こるとしたら、かえってタイパが悪いですね。結局はひとつひとつ終わらせたほうが早い。ということはよくあります。「あれもこれも」やりたくなるのは、そもそも目標設定が高すぎるということもあるでしょう。

厳しくいうと「欲ばりすぎ」。あせらず、小さなタスクをひとつひとつこなす。今日やることの目標を高くしすぎないことが大切です。

家事に関しては、まずは火事を出さないということが大事。最近のガス台は自動消火機能がついていますからその点は安心ですが、火を使わないIHクッキングヒーターにすればさらに安心。

道具や仕組みでムダなイライラが発生しないようにし、さらに安全を確保しましょう。

教えてくれたのは…司馬理英子先生●司馬クリニック院長。医学博士。岡山大学医学部卒。1983年渡米。アメリカで4人の子どもを育てるなか、ADHDについての研鑽を深める。1997年に帰国し、東京都武蔵野市に発達障害の専門クリニックである司馬クリニックを開院。以来、子どもから大人までの治療を行っている。

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