【漫画】目の星は特異体質の証…不死身の男性×感動シーンのフラグを折る彼女を描いたコメディ漫画に「読み切りなんて勿体ない」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、makaさんが描く『死なない僕の最強にカッコイイ死に方』をピックアップ。
makaさんが12月8日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.3万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、makaさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
不死身の主人公と、感動フラグを折る彼女
主人公の不滅富士見(ふめつふじみ)は、“人間でも跡形もなく炭になってしまうという電撃”を受けても死なない特異体質を持っていた。そのため様々な組織から“絶対に死なないスパイ”として重宝され、度々敵の情報を盗んできた。その結果、多くの組織から恨まれてもいた。
不滅富士見とデート仲である旗折幸子(はたおりさちこ)もそんな組織の一員で、不滅富士見を殺すことをミッションとしていた。普通に殺しても死なない、と考えた幸子はハニートラップをしかけることにし、現在に至る。
不滅富士見は役者であったある日、舞台上で足を滑らせてしまい転落。死ぬと思った不滅富士見だったが死なず、その頃から『観客を感動させるような死に方じゃないと死ねない』体質になったのだと旗折幸子に説明する。
デート中、ある組織に見つかる不滅富士見たち。すると、旗折幸子がスパイであることがわかるが、不滅富士見を殺すのに手間取っているとして組織から消されそうになる。すると、旗折幸子の前に不滅富士見が立ちはだかり彼女に向けられた銃弾を受ける。
「惚れた女を守って死ぬなんて最強にカッコイイ」と言って死にそうになる不滅富士見。しかし、今度は旗折幸子が『感動シーンの旗を折る』という特異体質を使って、その場に爆弾を投げるのだった…。
作品を読んだ読者からは、「読み切りなのもったいないくらい好き」「この二人てぇてぇなぁ…」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・makaさん「私の中で漫画はコミュニケーションツールの一つ」
――『絶対に死なないスパイと絶対に殺したい殺し屋』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
漫画やアニメでは「物語内のリアリティレベルは統一しなければならない」と言うのはよく言われるもので、「屋上から落ちたら人が死ぬ漫画と、地面に人型の穴が開く漫画があり、それらは両立できない」と言う例が使われる、というXでのポストを拝見し、そこから思いついたのが「現実世界の物理法則に伴って死ぬ世界で一人だけギャグ漫画みたいな奴がいたらどうなるだろうか」と、主人公の不滅富士見が産まれました。電で骸骨が浮き出たり、爆発で黒焦げパンツ一丁になったり、実際リアルにそういう体質(?)の人間がいたら相当奇妙ですよね。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
主人公、不滅富士見の「誰もが一度は漫画やアニメで見たことがあるギャグ表現」は前半はただ面白く、中盤の過去編での舞台に空いた穴は『面白いけど奇妙』を意識しました。実際にその場面を見たら「生きててよかった」の感情より、奇妙で困惑する感情の方が強いと思うんですよね。
ちなみに全体的なギャグ表現は『コロコロコミック』や『トムとジェリー』を参考にしています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「主人公が死んでハッピーエンドなんてダサいわよ」ですね!この話のタイトル「死なない僕の最強にカッコイイ死に方」のアンサーだと思っていまして「この話は惚れた女を守ってカッコよく死ぬ」が通常の物語の終わり方なんですが、そこでフラグを折る体質のヒロイン旗折さんがその物語のフラグすら折る、という流れにしたかったんです。その前の描写で王子にキスをしてもらい目を覚ますお姫様の絵本があったりするんですが、この話では逆にしたかったです。
――Xの投稿には多くの反響とコメントが寄せられています。その中で特に印象に残っているものはありますか?
「爆破オチなんてサイコー!」ってコメントに笑いました。そんな言葉あるんだってなりました。あとは、作中に出てくるイタリアマフィアやヤクザのおじさん達が意外と人気でしたね。今まではラブコメのヒロインを中心に描いていたのですが、今回はヒーローを中心に描いていたので挑戦の一作でしたが、不滅富士見を好きだと言ってくれる方も多く嬉しかったですね。
――makaさんはこれまでも多くの作品を描かれていますが、2025年のご自身や作品について展望や目標をお教えください。
今年は大きな挑戦が待っている年です!ずっと夢だったこと、叶えたかったことへの切符を手に入れたので、そこに向けて今まで以上に努力と勉強をしていきたい所存です。もちろん、楽しむのを第一にいつまでも自分の描く作品を大好きであり続けたいです!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
私の中で漫画はコミュニケーションツールの一つで、言語に近いもので、自分の好きなものや伝えたいことが誰かに伝わって初めて、私の漫画は完成すると思っています。読んでくださる一人一人を大切に、これからも頑張っていきたいので、見守っていただけたら幸いです。