【漫画】あざとい悪魔とマイペースな天使…天敵のはずの悪魔と天使が育むブロマンス・ダーク・コメディに「こだわってるの好き」など反響続々
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2024年12月3日にX(旧Twitter)に作者の新國みなみさんが投稿された『天使と悪魔の出会い』をピックアップ。
同作はふゅーじょんぷろだくとから発売中の漫画『AandD』のエピソードの一つ。X(旧Twitter)に本作が投稿されたところ、7.8万件を超える「いいね」と共に多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、作者の新國みなみさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
友情を育む天使と悪魔
天使のハニエルと悪魔のサタナキアは親友同士。天使のハニエルを悪魔のサタナキアがかいがいしく世話したり、二人で一緒にテレビを見たり…。本来相容れないはずの天使と悪魔がなぜかとっても仲良しで、人間臭さが垣間見える二人のやり取りには思わずクスっと笑ってしまう。
また、違うエピソードには天国や地獄から個性的な面々が登場する。天国や地獄、天使と悪魔の相関関係も見どころの一つだ。この天使と悪魔のブロマンスコメディには読者から「細部までこだわってるの好き」「悪魔優しい」など多くの反響が寄せられている。
作者・新國みなみさん「『AandD』の世界はまだまだ語っていない部分がいっぱいある」
――『AandD』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
5~6年前、漫画制作はお休みしてひたすら作画アシスタントの経験を積んでいた時期に、液晶タブレットを買ったことがきっかけで創作意欲が湧いて、何か趣味の範囲内で漫画を描きたいなと題材を探していました。
ちょうどそのタイミングで天使と悪魔が何か親しげに話している夢を見たので、それを短い漫画にしようと描き始めたところ、すごく楽しくて気がつけば何話も描いていました。
細々とWebで公開を続けていたら、X(旧Twitter)やPixivやKindleインディーズマンガで多くの人に読んでいただけて、書籍化やグッズ化など声をかけていただき、趣味から始まった漫画ですが今も楽しく描き続けています。
――天使と悪魔の関係はもちろんのこと、ネコちゃんとの距離感や彼らを取り巻くキャラクターとの関係も見逃せないところです。本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
登場キャラクターが多い漫画なので、一目で見分けられるように個性強めに描くようにしています。
服装や部屋の内装、表情や動作一つとってもそのキャラクターの性格が見えるように細かく設定するのが楽しみでもあります。
また、数千年から数万年生きているキャラクターが多いので過去の確執や長年の苦悩などを少しずつ解き明かしながらお話を展開させています。
今は天使と悪魔で分かれてそれぞれ生きていますが、昔はそうではなかった彼らの関係性を感じながら読んでもらえると嬉しいですね。
――本作で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
#023『天使が天使をやめる時』は特に力を入れて描いたので思い出深いですね。
その前までの話は基本的にコミカルな内容でしたが、この話でいきなりシリアスな内容になり、作画も10倍くらい大変になったので体のいたるところに不調が現れたのを覚えています。(一人でフルカラー漫画を描くのはかなりキツいです…)
それでも、ルシファーが悪魔となって怒りや悲しみなどの激しい感情をあらわにするシーンは本気で向き合って描くことができたと思っています。
あとは、#049『堕ちても愛しい我が知己よ』のウリエルの最後のセリフで「貴様と共に生きていきたい…」のところもお気に入りです。
『AandD』の登場キャラクターは生き方に関わる強い願望を持った者はあまりおらず、ほぼ不老不死ゆえに達観した者が多いのですが、ウリエルは「自分は天使だけど悪魔のサマエルと生きていきたい」ということをはっきり口にして正直に生きようとするところが好きですね。
――今後の展望や目標をお教えください。
実は『AandD』を描くきっかけとなった夢の内容で、まだ漫画にできていない部分があります。
非常に重要な内容なので、丁寧にブラッシュアップしつつ読み手が引き付けられるような展開にしたいと思っています。
目標としましては最初から掲げているものなんですが、『AandD』のファンアートやコスプレを見るのが好きなのでもっと作品を広めてそういったものをさらに沢山見たいです。
読者の方々にもそれは伝えているので『AandD』の同人誌を私の元に送ってくださる方もいますし、私自身もアンソロジーに寄稿したことがあります。
作品を知ってもらうために商業コミックスやグッズ化は叶いましたが、さらなるメディアミックスをするというのも目標の一つです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
『AandD』を読んでくださっている皆さま、本当にありがとうございます!
雑誌などで連載せずにWeb上で個人で発表するという形で続けてこられたのは読者の方々の支えのおかげだと強く実感しています。
作品への感想や私自身に対しての気遣いのお声をかけてもらうたびにとても励みになっています。
『AandD』の世界はまだまだ語っていない部分がいっぱいありますので、今後も楽しんで読んでいただければ幸いです!