現在は一年で最も寒い時期ですが、フラワーショップにはチューリップやスイートピーなど春の花が並び始め、少し先の明るい季節を予感させてくれます。こうした花のアレンジを飾って、お部屋にも春を呼び込んでみませんか? フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが、愛らしいチューリップを使った春のアレンジと、少ない本数でもきれいに見せるアレンジのコツをご紹介します。
一足早い春の花
1月に入り、フラワーショップには春の花が並びはじめました。
チューリップ、スイートピー 、フリージア、アネモネ……。明るく華やかで、春の花はいいなと思いながら、お店の前を通るのが毎日の楽しみです。
それでも、まだ種類の幅は春本番とまではいきません。今回は、まだ貴重な春の花を、少ない種類、少ない本数でもスタイリッシュにアレンジする方法をご紹介したいと思います。
花数が少ないときにもおすすめ! ブック型フラワーベース
少ない本数の花を飾る時におすすめのフラワーベースは、花を留めやすい口の細い一輪挿しや、筒型のシリンダー、薄いブック型のベースなどです。今回はブック型のフラワーベースを使いました。ブック型のベースはシンプルなので、スタイリッシュなアレンジになります。
ブック型アレンジに使った花
チューリップ 2種(パーロット咲き・八重咲き)
パーロット咲きチューリップは、花びらが鳥のオウムの羽のようになっているチューリップ。部屋が暖かくなると、オウムが羽を広げたかのように豪快に咲きます。
八重咲きチューリップは、花びらが幾重にも重なりバラを思わせるようなゴージャスなチューリップです。
ブック型アレンジの手順
1.フラワーベースに水を入れます。チューリップの場合は浅水にします。
2.チューリップをフラワーベースに入れれば出来上がり!
アレンジする際は、基本的に雑菌の繁殖を抑えるため水に浸かる部分の葉っぱは取り除いたほうがよいのですが、チューリップは葉もきれいなので、つけたままでもいいですね。
2〜3本の少ない本数のチューリップを活ける場合は、左右のどちらかの角を起点にして、対角線に茎を斜めにして活けます。
5本くらいであれば、垂直に立てて入れるとよいでしょう。
チューリップは、切り花になってからも茎が伸びたり、下向きになったりピンと起き上がったり、光のほうに向きを変えたりします。翌日にはぜんぜん違うスタイルになっていたなんてこともしばしば。チューリップのアレンジは、茎の動きも楽しんでくださいね。
一年の初めにピンクのこぶた
先日、テレビを観ていたら、マジパンでできたピンクのこぶたが登場しました。ドイツやオーストリアなどヨーロッパでは、新年にこぶたを形どったお菓子を贈り合うという風習があるのだそうです。ピンクのこぶたは、幸せを運んでくれるのだとか。もらった人も、贈った人も幸せになるといわれています。
以前、かわいいピンクのこぶたクッキーをいただいたことがあります。パッケージでも、愛嬌のあるこぶたが手をふっています。一年の初めに、こんなかわいいこぶたがやって来たら、ハッピーな気分になりますね。素敵な一年になりそうです。
みなさまにもこぶたの幸せが届きますように!
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。