京都が好きすぎる主人公が、“京都愛”が強すぎるために大騒動を引き起こしてしまう映画『ぶぶ漬けどうどす』が6月6日(金)に公開されることが決定。このたび、本作の特報映像とティザービジュアルが解禁となった。
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本作は、京都で450年続く老舗扇子店に東京から嫁いできたフリーライターのまどかが、老舗の暮らしぶりをコミックエッセイにしようと、取材を始めるところから始まる物語。東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライター、澁澤まどかを演じるのは、映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(23)や、映画『嗤う蟲』(公開中)で主演を務め、シリアスからコメディまで多彩に演じる俳優、深川麻衣。京都を愛するあまり暴走してしまう主人公を魅力たっぷりに演じ、「強烈な個性を持つ登場人物の皆さんと、初めてご一緒できた冨永監督の、なにが飛びだすか分からない玉手箱のような演出に心が踊る撮影の日々でした」とコメントを寄せた。
また、まどかの義母である老舗扇子店の女将、澁澤環を、40年以上のキャリアを持つ室井滋が演じる。室井は、行楽客で賑わう秋の京都で正真正銘の老舗をお借りして敢行した撮影を振り返ち「インバウンドで大盛り上がりの街なかで、ロケ中にも、京都のリアルな違和感を覚えました。冨永監督のそれらを見逃さない視線がとても面白かったです」とコメントした。
さらに、まどかの仕事仲間である漫画家の安西莉子を小野寺ずる、京都の老舗料亭の女将である竹田梓を片岡礼子、まどかの夫で扇子店の長男である澁澤真理央を大友律、まどかが出会う大学教授の中村航を若葉竜也、まどかの義父で環の夫である澁澤達雄を松尾貴史、京都で不動産業を営む上田太郎を豊原功補が演じる。また、監督は『南瓜とマヨネーズ』(17)、『白鍵と黒鍵の間に』(23)などユーモアセンスに定評のある冨永昌敬。そして『his』(20)、『そばかす』(22)の脚本家、アサダアツシが脚本を担当している。
今回解禁された特報映像は、義実家や街の女将さんたちに取材を続けるまどかが、京都の文化を知らないばかりに彼らの「本音と建前」に戸惑い、翻弄される様を描いている。「ぶぶ漬け」とは、お茶漬けのことで、タイトルの「ぶぶ漬けどうどす」とは、京都の人が早く帰って欲しいお客に対して本心を隠して、遠回しに言う言葉。雅なだけではない、京都の本音を包んできたベールを剥がしてしまう本作への期待が高まる映像になっている。
あわせて解禁されたティザービジュアルは、「なんでも言葉通りに受けとったらあかんで」というコピーとともに、扇子で口元を隠したまどかの意味深な表情を捉え、京都の隠したがる文化を暗喩した1枚となっている。
生粋の京都人からヨソさんまですべての人を翻弄し、もてあそぶ京都という街を描いたシニカルコメディに期待が高まる。
<キャスト、スタッフコメント>
●深川麻衣(澁澤まどか役)
「今回京都を舞台に、『本音』と『建前』に翻弄される女性、まどかを演じました。強烈な個性を持つ登場人物の皆さんと、初めてご一緒できた冨永監督の、なにが飛びだすか分からない玉手箱のような演出に心が踊る撮影の日々でした。結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、見る方によって感想が分かれると思いますが、奇想天外でじわじわとクセになるお話です。なにより京都の方にも楽しんでいただけたら嬉しいです」
●室井滋(澁澤環役)
「京都のなかの本物と偽物が区別がつきづらい時代に突入!インバウンドで大盛り上がりの街なかで、ロケ中にも、京都のリアルな違和感を覚えました。冨永監督のそれらを見逃さない視線がとても面白かったです。――因みに、本当に偶然なのですが、劇中に登場する老舗扇子店は20年来大ファンのお店で、お中元の品々を買い続けております。京都の御縁に呼ばれたみたいで、それも含めて驚きの連続でした」
●冨永昌敬(監督)
「『ぶぶ漬けどうどす』の公開のお知らせを嬉しく思います。おととし紅葉まっさかりの京都で撮影した本作は、商家の嫁と姑を演じた深川麻衣さんと室井滋さんを中心とした愉快なホームドラマでありつつ、ひとくちに説明しにくいテーマを持った映画でもあります。6月の公開に向けて、この映画の狙いを少しずつ紹介していきたいと思っています。よろしくお願いします」
●アサダアツシ(企画、脚本)
「企画立案から公開まで7年かかりましたがようやく皆さまにご覧いただけることになりとても嬉しいです。これは京都を愛してしまった澁澤まどかという女性の”ラブストーリー”です。まどかは京都に認められたいと献身的に尽くしますが、相手は一筋縄ではいきません。まどかは京都に振り回されて打ちのめされますが、それでもめげずに京都への愛を強めていきます。まどかの思いははたして京都に届くのか?奇想天外なストーリーと予測不可能な結末が待っています。ぜひ劇場で見届けて下さい」
文/鈴木レイヤ