3月7日からNetflixで配信される新作ドラマ『おつかれさま』。IUとパク・ボゴムが主演することで、早くも大きな話題を集めている。このドラマの舞台は済州島(チェジュド)。聡明な女子オ・エスン(IU)と誠実な男子ヤン・グァンシク(パク・ボゴム)の愛と冒険を描いた内容になっている。
特に、IUにとっては6年ぶりの連続ドラマになるので、彼女の演技力に対する視聴者の期待が大きい。実際、過去の作品でも多くの称賛を受けていた。
たとえば、IUは『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で、苦しい境遇の中で育ってきた薄幸の女性イ・ジアンを演じていた。
特に、ドラマの序盤ではどん底の生活で苦しむイ・ジアンがクローズアップされており、直視するのが辛いほどの内容だった。そんな中でも彼女は徐々に信頼できる大人たちに励まされて、自分の将来に希望を見出していく。その時にIUは感情をぐっと抑えながら、自分の存在感を物語の中で巧みに溶きこませていた。
言葉を替えれば、悲しみの中から少しずつ明るさが出てくるプロセスをIUの演技が引き立たせていたのだ。そういう意味で、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』はIUの表現力の細やかさを大いにアピールする作品となった。
持ち味は情熱と調和が繰り返される多様性
また、『ホテル・デルーナ~月明かりの恋人~』でIUは、幽霊だけが泊まることができるホテルの社長チャン・マンウォルに扮したが、主人公の抱える孤独と傲慢さという相反する要素を深い悲しみの中で演じて分けていた。そうした表現力には本当に感心させられた。
IUはとことん明るい表情を演じれば素晴らしい笑顔を見せてくれるのだが、それだけが彼女の真骨頂ではない。やはり一曲の音楽のように、情熱と調和が繰り返される多様性がIUの持ち味なのである。
今度の『おつかれさま』でも、IUはどんな自在な演技力を見せてくれるのか。彼女が語るセリフの一つ一つが、まるで優れた詩の一節のように心に沁みることを期待している。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)